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更新日:2013年9月17日

「雇用と年金の接続」問題団体交渉

丁寧な周知と確実な希望聴取を行い、希望者全員の雇用の確保を要請。
各単組での十分な交渉・協議を行うことを求め、市側提案を了承!

 市労連は、9月13日(金)、午後2時から三役・常任合同会議を開催し、雇用と年金の接続問題にかかる対応について協議し、同日午後5時30分から市側との団体交渉に応じた。

 市側からは、国の閣議決定や、人事院の報告の趣旨を踏まえ、現行の再任用制度を活用し、勤務形態についてはフルタイム勤務で任用を基本にすることなどについて提案があった。

 市労連は、対象職員に対する制度運用に関する丁寧な周知と、本人希望の聴取を確実に行うことや、個々の聴取内容に基づく各職場における柔軟な運用が必要であることなどについて指摘し、市側認識を質した上で、制度の運用にあたっては、より十分な交渉・協議を各単組で行うことを前提に、市側提案を了承した。

市側 「雇用と年金の接続」につきましては、本年1月17日及び3月19日の市労連2013年統一賃金要求に関する申し入れにおいて、速やかな制度設計と必要な措置を講じることとした要求を受けているところである。

 本市としても、今年度末に定年退職を迎える職員から、公的年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられ、年金無受給期間が発生することから、その取り扱いにつきましては、この間、国の動向を注視してきたところである。

 そのような状況の中で、本年3月26日の閣議決定、3月29日の総務副大臣通知、8月8日の人事院勧告の中で、地方公務員に対する「雇用と年金の接続」に関して、一定の考え方が示されたところであり、本市においても、その趣旨を踏まえて検討を行い、制度設計を行った上で、この間の小委員会交渉において説明し協議を行ってきたところである。

 本日は、去る8月22日の交渉において提案した「雇用と年金の接続」の考え方について改めてお示し、この間の協議内容を踏まえて、労使双方で確認してまいりたいと考えている。

 まず、本市における「雇用と年金の接続」については、現行の再任用制度の活用により、その対応を図ることとし、勤務形態については、週5日・1日7時間45分のフルタイム勤務での任用を基本とする。また、年齢構成の適正化や職務内容等の観点、職員の個別事情に応じて短時間勤務の設定を行うこととしたい。

 次に、任用に関する要件については、勤務成績が良好であり、任用する職の職務遂行に必要な知識・経験を有し、公務内の職務を遂行できると認められる者の中から、選考により任用することとする。なお、具体的な選考にあたっては、勤務成績に関しては、任用前3年間の勤怠及び人事評価結果及び懲戒処分の状況。職務の遂行に必要な知識・技能の有無に関しては、職員の職歴及び面接により、職務遂行の可否については、面接及び健康状態等から総合的に判断することとする。

 次に、任用時の職位については、組織活力を維持する観点から、原則として、行政職の場合、係長以下の職員は2級係員の職への任用、他の職種はこれに準ずる級の職への任用を基本とする。

 任期については1年以内とする。更新については公的年金支給年齢に達するまで1年を超えない範囲内で、選考に準じた要件に基づいて可能とする。

 また、公的年金支給年齢に達した以降については、職の状況により更新することができるものとするが、その際の任用形態は、短時間勤務を原則とし、65歳に達した日以後の最初の3月31日以前を任期の末日とする。

 次に、人事評価制度について、再任用職員も相対評価による人事考課制度の対象とし、能力実績に基づく人事管理の徹底と評価結果の給与処遇への反映を行うことで、再任用職員のモチベーションの向上を図り、意欲と能力のある人材の活用を推進してまいりたいと考えている。以上でございます。

組合 ただ今、雇用と年金の接続に関して、この間の小委員会交渉をふまえたものとして、一定の考え方が市側より示された。われわれは、今年度末の定年退職者より無年金期間が発生することから、その対応は喫緊の課題との認識の下、本年1月17日に申し入れを行い、本年3月19日に市労連2013年統一賃金要求に関する申し入れの際にも、早急に大阪市の対応を取りまとめ、運用面も含めた必要な交渉を行うよう求めてきた。そうした中、8月22日の交渉で市側から「当面の本市における雇用と年金の接続について」の提案を受けてきたところである。提案を受けて以降、小委員会交渉を通じて具体的な運用課題などの協議を行ってきたところである。

 小委員会交渉でも指摘したが、定年退職者を再任用するにあたり、退職後のライフスタイル、とりわけ、働き方については、個々人さまざまな考え方があるため、雇用と年金の確実な接続には、再任用を希望するすべての職員が希望する職や、勤務形態に従事することが出来るよう、その対象職員に対し、制度運用に関する丁寧な周知と、本人希望の聴取を確実に行う必要がある。その上で、個々の聴取内容に基づく各現場における柔軟な運用が必要であると同時に、翌年度業務執行体制の確立が重要と考えるが、あらためて、市側の認識を尋ねておきたい。

 また、実際にこの制度を運用するにあたっては、各単組における十分な交渉・協議も必要と考えるが、市側の考え方を示されたい。

市側 ただいま委員長から指摘いただいた、再任用における職員の希望及び制度周知についてであるが、今年度末に定年退職となる全ての職員に対して、本交渉後、速やかに、意向調査を実施することとしている。その調査内容については、職員の意向が十分に確認できるように工夫するとともに、再任用制度を十分に理解した上で回答していただくための手引きを作成することとしており、周知にあたっては、各所属を通じて丁寧に実施してまいりたいと考えている。

 また、意向調査の結果に基づき、再任用職員における職域の確保について検討を行うこととなるが、原則フルタイム勤務とする中、職務の内容や職場の実態等を勘案し、必要に応じて短時間勤務の運用を行うなど、各所属と十分な連携を図ってまいりたいと考えております。

 さらに、総務副大臣通知においては、現行の地方公務員法に基づく再任用制度を活用するものとして、「再任用希望者が分限免職事由に該当する場合は本制度を適用しないこと」と明記されていることもあり、任用にあたっては、厳格な選考の実施が求められているところである。

 本市としても、職員が無年金期間の生活に不安を覚えることなく、職務に専念できる環境を整備することは必要であると考えており、現役同様の本格的な業務に従事し、再任用された職員がこれまで培った知識・経験・能力を最大限発揮するとともに、技術の継承等人材育成の面からも、後輩職員への指導、育成を担うことにより、組織力の向上・職場の活性化にも繋がると考えている。

 いずれにしましても、再任用については、各所属における平成26年度の業務執行体制における要員の調整と密接に関わり、また、職場の実態等についても異なることから、本市としても、今後、各単組毎での協議として取り扱ってまいりたいと考えておりますので、本日のところはよろしくお願い申し上げる。

組合 ただ今市側から、現段階での一定の考え方が示された。本年の人事院の報告にも触れられたが、われわれとしても年金支給開始年齢が62歳に引き上げられる2016年度までに、今回の運用状況を勘案しながら、どのように雇用と年金の接続について運用していくか再検討する必要があると認識しており、引き続く協議を求めておきたい。

 再任用を希望する職員は、この間、市政に貢献し、今回定年を迎えた職員であり、まだまだ仕事に対する意欲もあることから、今まで培ってきた能力・知識・経験を十分に発揮し、安心して働き続けることができる、労働環境の整備も必要と認識するところである。

 今回の提案に際し、市としての使用者責任を十分果たすよう、あらためて求めておく。今後、より十分な交渉・協議を各単組で行うことを前提に、市側提案を了承する。

平成25年8月22日 人事室

当面の本市における雇用と年金の接続について

1.今後の本市再任用制度に関する基本的な考え方

 超高齢化社会と少子化の進展に伴う公的年金の財源不足から、公務員、民間労働者ともに、平成25年度から定年退職後に満額年金受給までの空白期間が発生し、平成33年度の60歳定年退職者からは5年間、公的年金が支給されないこととなる。

 そうしたことから、労働者が無年金期間の生活に不安を覚えることなく、職務に専念できる環境を整備することが官民共通の喫緊の課題となっており、本市としては、本年3月の閣議決定及び総務副大臣通知の趣旨を踏まえ、現行の再任用制度を活用することにより、雇用と年金の接続を図っていくこととする。

(1)対象者

  • 定年退職者

(2)勤務形態

  • フルタイム(週5日、1日7時間45分)勤務での任用を基本とする。
  • ただし、年齢構成の適正化や職務内容等の観点、職員の個別事情に応じて短時間勤務の設定を行う。

(3)任用選考・基準

  • 任用に関する要件
    勤務成績が良好であり、任用する職の職務の遂行に必要な知識・技能を有しており、公務内の職務を遂行できると認められる者のうちから、選考により任用する。
  • 選考基準
    I 勤務成績は、任用前3年間の勤怠及び人事評価結果、懲戒処分の状況により判断
    II 職務の遂行に必要な知識・技能の有無に関しては、職員の職歴及び面接により判断
    III 職務遂行の可否については、面接及び健康状態等から総合的に判断

(4)任用時の職位

  • 組織活力を維持する観点から、原則として、行政職の場合、係長以下の職員は2級係員の職への任用(他の職種はこれに準ずる級の職への任用)を基本とする。

(5)任期と更新

  • 任期
    1年以内

  • 任期の更新
     公的年金(報酬比例部分)支給年齢に達した日以後の最初の3月31日まで、1年を超えない範囲で更新可能とする。(更新の基準は選考基準に準じる)
    ※上記期間以降は、職の状況により更新することができる。更新する場合は、短時間勤務を原則とし、現行の制度運用を適用する

  • 任期の末日 65歳に達した日以後の最初の3月31日以前

(6)人事評価制度の適用

  • 再任用職員も相対評価による人事考課制度の対象とし、能力実績に基づく人事管理の徹底と評価結果の給与処遇(勤勉手当)への反映を行う事で、再任用職員のモチベーションの向上を図り、意欲と能力のある人材の活用を推進する。

2.今後のスケジュール

8月下旬     労使交渉(以降適宜交渉を行う)

9月上旬     第1回 意向調査

10月~11月   再任用職域の検討

11月上旬     第2回 意向調査

12月~翌年1月  再任用者数及び再任用職域の確定

12月~翌年3月  配置調整

4月1日     再任用発令

【閣議決定(平成25年3月26日)】

  • 国家公務員については、定年退職する職員が再任用を希望する場合、当該職員の任命権者は、退職日の翌日、当該職員が年金支給開始年齢に達するまで、常時勤務を要する官職(「フルタイム官職」)に当該職員を再任用するものとする。
     ただし、職員の年齢別構成の適正化を図る観点からフルタイム官職に再任用することが困難である又は職員の個別事情を踏まえて必要が認められる場合には、年金支給開始年齢に達するまで、短時間勤務の官職に再任用することができる。
  • 地方公務員の雇用と年金の接続については、各地方公共団体において、本決定の趣旨を踏まえ、能力・実績に基づく人事管理を推進しつつ、地方の実情に応じて必要な措置を講ずるよう要請。

【総務副大臣通知(平成25年3月29日)】

〔再任用による雇用と年金の接続〕

⇒現行の地方公務員法に基づく再任用制度を活用するもの。

  • 定年退職する職員が再任用を希望する場合、当該職員の任命権者は、年金支給開始年齢に達するまで、当該職員をフルタイムで再任用。
  • 職員の年齢構成の適正化を図る観点から(=新規採用を確保したい等)フルタイム再任用が困難であると認め場合、又は当該職員の個別の事情(=健康面の理由から短時間を希望等)を踏まえて必要があると認められる場合には、短時間の再任用が可能。
  • 再任用希望者が分限免職事由に該当する場合、上記は適用しないこと。

【人事院勧告(給与等に関する報告)(平成25年8月8日)】

〔雇用と年金の接続〕

⇒閣議決定を踏まえ、各府省において現行の再任用制度を活用した雇用と年金の確実な接続を図る必要

  • 雇用と年金の確実な接続のための取組
    • 職員に対する周知、希望聴取
    • 再任用職員の能力と経験を活かせる職務への配置等
    • 再任用に関する苦情への対応
    • 高齢期雇用を契機とした人事管理及び行政事務の執行体制の見直し等

 

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