更新日:2026年9月30日
2026年大阪市人事委員会報告及び勧告
大阪市人事委員会は9月30日「職員の給与に関する報告及び勧告」を行った。
報告内容に対し市労連は、人事委員会から明らかにされた勧告結果は、職員・組合員の給与水準が大きく引き下げられてきたことを踏まえると、当然のものとして受け止めることを表明した。
また、再任用職員の期末・勤勉手当について、いわゆる常勤職員と同じ支給月数とすることが適当であるとしたことは、業務実態を踏まえた再任用職員の処遇改善につながるものであると認識するとともに、全国的にも先行した対応であることは市労連として一定評価するところであるとした。
給料表の構造等については、2024年4月に号給の増設となったものの、一時的な対策でしかないことを指摘し、執務意欲の観点からも、給与制度のみならず、55歳昇給停止の課題など、昇給・昇格条件等の改善を含めた人事・給与制度の構築を求めた。
多様で柔軟な働き方に対応した職場環境の整備などについては、出産・子育てはもとより、超高齢化社会の到来を見据え、介護も含め誰もが不安なく働くことができる職場環境づくりや制度改善について、引き続き人事委員会としての働きかけと対応を求めた。
最後に、2026賃金確定闘争においては、市側に対して賃金・労働条件改善を求め主体的な交渉を行うことを表明した。
行政委員会事務局長 本日、令和8年の「職員の給与に関する報告及び勧告」を市長及び市会に対して行いましたので、ご説明します。
内容については、任用調査部長から説明申し上げます。
任用調査部長 はじめに、本年の給与改定についてご説明いたします。月例給については、職員と民間企業従業員の本年4月分支給額を調査し、責任の度合、学歴、年齢別に対応させ、ラスパイレス方式により比較を行いました。職員給与は、行政職給料表適用者の平均給与月額は421,064円、民間給与は433,691円となっておりますので、民間給与が12,627円、率にすると3.00%上回っております。
また、特別給については、民間の支給月数は4.72月分という調査結果でした。
本年は公民較差3.00%を解消するために給料表の引上げ改定を行うよう勧告いたしております。
行政職給料表の改定については、人材の確保及び採用市場での競争力向上の観点から、初任給の給料月額を大学卒、高校卒ともに9,500円引き上げるとともに、業務遂行において重要な役割を担っている中堅層以上の職員(40歳台以上の職員)について昨年を上回る改定を行うよう、言及しております。
なお、定年前再任用短時間勤務職員につきましては、国の改定傾向を参考に改定することとしております。
次に、保育士につきましては、民間の保育士の給与をやや下回る状況から、人材確保の観点も踏まえて、行政職給料表との均衡を考慮して改定する必要があるとしております。
幼稚園教員でございますが、他の給料表の改定状況等や人材確保の観点も十分考慮して対処する必要があるとしております。
特別給については、先に述べたとおり、民間の支給割合は4.72月分という調査結果でした。勧告では、本市職員の期末・勤勉手当の年間支給月数を4.65月分から0.05月分引き上げて、4.70月分とすること、引上げ分については期末手当及び勤勉手当に均等に配分することとしております。
このように月例給・特別給ともに引上げ改定の勧告となりました。これは5年連続の引上げ勧告となります。
改定の実施時期についてですが、給料表の改定及び初任給の改定は、令和8年4月1日に遡及して実施し、特別給については、本年12月期の期末手当及び勤勉手当は改定条例の公布日から実施することを、令和9年6月期以降の期末手当及び勤勉手当は令和9年4月1日から実施することを勧告しております。
勧告に基づく職員給与の試算でございますが、勧告どおりに改定が実施された場合、本委員会の試算によりますと、行政職職員の平均年間給与額は約23万2千円の増加となります。
次に、意見として、給与・人事管理制度等に関する課題について言及しています。
まず、「給料表の構造等と職員の執務意欲の維持・向上」としまして、職務や職責に応じた給与上昇をより確保する観点での給料表の見直しや、65歳定年を見据えた給与カーブの在り方についての国の検討を踏まえた、本市の給料表の在り方について、引き続き検討する必要があることを述べております。
次に、「諸手当」としまして、6項目について、言及しております。
「転居に関する手当」では、国においては、転居を伴う転勤の経済的負担軽減のため、単身赴任者に限らず、転居を伴う転勤を行う全ての職員を対象とする手当を新設するとともに、現行の単身赴任手当の改正を行うとしております。これを踏まえ、本市においても、国に準じた手当の新設等を検討されたいと言及しております。
また、「宿日直手当」では、宿日直対象職員の給与の状況を踏まえ、その支給水準を見直すことが適当であることを述べております。
「第二種初任給調整手当」では、国においては、本年4月に月例給が最低賃金を下回る場合にその差額を補填するための手当が措置されており、本市でも今後、同様の状況が生じた場合には同様の措置を図る必要があることから、当該手当の新設をすることが適当である旨述べております。
「特定任期付職員の勤勉手当の見直し」については、国においては、高度の専門性を有する人材を特定任期付職員として確保する重要性が高まっているとして、これらの人材の給与水準を確保するための見直しについて勧告がなされました。本市においても、今後の国の動向を注視してまいりたいと述べております。
「会計年度任用職員の扶養手当及び住居手当」については、国においては、任期が相当程度長期にわたる非常勤職員について、扶養手当及び住居手当に相当する給与の支給に努めるよう、本年7月に非常勤職員の給与に関する指針が改定されました。本市においても、国や他都市の動向を注視し、検討する必要がある旨言及しております。
最後に、「再任用職員の期末手当及び勤勉手当の支給月数」について、再任用職員は、本格業務に従事しており、能力や経験も同様に求められていることから、期末・勤勉手当の支給月数も、定年引上げ対象職員と同じ支給月数とすることが適当であると述べております。
「長期的視点に立った組織・人員体制の構築及び人材の育成」では、「人材の確保」において、特に、技術職種の人材確保が厳しい状況となっていることについても言及した上で、本市が必要とする人材に的確にアプローチできるよう、情報発信を行うとともに、より一層の取組を検討するよう述べております。また、「教育職員の新たな職の設置」では、令和7年の法改正により「主務教諭」という新たな職の設置が可能となったことを踏まえ、本市でも設置を行う場合は、学校運営の円滑化につながるよう努められたい旨述べております。
それ以外に、「人材の育成」、「定年の引上げに伴う対応」や「人事評価制度」についても述べております。
また、「多様なワークスタイル・ライフスタイルに対応した職場環境整備の推進」としまして、「多様で柔軟な働き方に対応した職場環境の整備」において、取組を一層進めるとともに、管理職層を含めた職員への制度周知に努めていただきたい旨を言及しております。
そのほかにも「長時間勤務の是正」、「職員の心の健康づくりの推進等」及び「ハラスメント対策」の各種課題について言及しております。
最後に、「結びに」として、本市の給与制度や人事管理制度が職員の持てる力を最大限に発揮できるものになっているか、また、職員の執務意欲向上や高い志を持った有為な意欲ある人材の確保につながる実効性のある制度となっているか、更に研究を進め、必要な提言を行う等の役割を適切に果たしてまいりたい旨を述べております。
以上が本年の給与報告・勧告の概要でございます。
市労連 冒頭、人事委員会におかれては、平素より私たちの賃金諸条件等の維持・改善に尽力いただいていることに敬意を表しておきたい。
さて、ただ今説明された本年の「職員の給与に関する報告及び勧告」の内容について、何点かに絞り市労連の考え方を申し上げる。
まず、公民給与比較であるが、月例給については12,627円(3.00%)民間が公務を上回っており、一時金については、年間支給月数について0.07月分民間が上回っているとの説明があった。
改定にあたっては、公民較差3.00%を解消するために給料表の引き上げ改定を行うとともに、一時金については、年間支給月数を0.05月分引き上げて、年間支給月数を4.70月分とするとの勧告がされた。大阪市においては、職員・組合員の給与水準が大きく引き下げられてきたことを踏まえると、人事委員会から明らかにされた勧告結果は、当然のものとして受け止めるとともに、再任用職員についても、国の改定傾向を参考に改定を行うとしたことも同様に受け止める。さらに、再任用職員の期末・勤勉手当について、いわゆる常勤職員と同じ支給月数とすることが適当であると言及されたことは、業務実態を踏まえた再任用職員の処遇改善につながるものであると認識するとともに、全国的にも先行した対応であることは市労連として一定評価するところである。
保育士給料表については、民間をやや下回る状況から、人材確保の観点も踏まえて、行政職給料表との均衡を考慮して改定する必要があるとし、幼稚園教員については、他の給料表の改定状況等や人材確保の観点も十分考慮して対処する必要があると言及されている。保育士及び幼稚園教員については、2015年に独自の給料表が策定され、給与水準が引き下げられた経過がある。昨年の勧告において、保育所の運営体制の見直しについて言及したことを受け、「保育士給料表及び昇格基準」が改正されたものの、若年層においては、依然として低い給与水準となっている。人事委員会として、引き続き職務の重要性に鑑み、保育所及び幼稚園の運営への影響を考慮し、人材確保の観点からの処遇改善の必要性や国の対応も踏まえ、若年層も含めた給料表の水準回復を言及されるよう引き続き求めておく。
「給料表の構造等」については、職務や職責に応じた給与上昇をより確保する観点での給料表の見直しや、65歳定年を見据えた給与カーブの在り方における国の検討を踏まえた給料表の在り方について検討する必要があると言及されている。市労連として、現在の給料表構造と昇給制度においては、給料表と昇給制度の乖離が大きく、早急に抜本的な見直しが必要であるとの認識である。また、2024年4月に号給増設となったものの、一時的な対策でしかなく、各級最高号給付近に位置付けられ、昇給や昇格ができない組合員の執務意欲の向上につながるものとはなっていない。そうしたことから、給与制度のみならず、55歳昇給停止の課題など、昇給・昇格条件等の改善も含めた人事・給与制度の構築に向けた言及を行うよう引き続き要請しておく。
「長期的視点に立った組織・人員体制の構築及び人材の育成」では、「人材の確保」に関して、特に技術職種の人材確保が厳しい状況としたうえで、必要とする人材へ的確にアプローチできるよう情報発信を行うとともに、より一層の取り組みの検討について言及されている。市労連としては、情報発信だけではなく、長時間勤務の是正や多様で柔軟な働き方に対応した職場環境の整備などについても、必要な人材の確保につながるものと認識している。そうした課題に対するとりくみについても言及されているが、特に誰もが安心して出産・子育てが出来得る環境を整えることはもとより、超高齢化社会の到来を見据え、介護も含めて誰もが不安なく働くことができる職場環境づくりや制度改善についても、多様なワークスタイル・ライフスタイルの実現に向け、引き続き人事委員会としての働きかけと対応を求めておく。
以上、「報告及び勧告」の内容に関する考え方を述べさせて頂いた。
いずれにしても、今後、市側に対して賃金・労働条件改善を求め主体的な交渉を行うこととするが、人事委員会としても、私たちの指摘内容を十分踏まえ、懸命に働く組合員のモチベーションを低下させることなく、その向上のためにも、改めて使命と職責を果たされるよう求めておく。
行政委員会事務局長 ただいま、市労連の皆様の「報告・勧告」の内容に関する考え方について、お聞きしました。
本委員会としましては、これまでと同様に、中立かつ公正な第三者機関として、法に定められた責務を誠実に果たしてまいりたいと考えております。
以 上