2021年1月26日
次年度勧告に向け大都市協が大人連(課長会議)に申し入れ
大都市労連連絡協議会(大都市協)は1月26日(火)、大都市人事委員会連絡協議会(課長会議)に対し、以下の「申し入れ」について、大都市協を代表して当番都市である大阪市において申し入れを行った。
2021年1月26日
大都市人事委員会連絡協議会
課長会議 様
大都市労連連絡協議会
申し入れ書
日頃から、大都市自治体に働く職員の賃金・労働条件の改善に努力されている貴職に対して敬意を表します。
さて、人事院は昨年、新型コロナウイルス感染症の拡大を理由として、先行して10月7日に一時金の0.05月分引下げを勧告し、月例給については10月28日に改定は行わないとの報告を行いました。先に勧告された一時金の引下げは、コロナ禍における民間実勢を反映したものとはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大に対し、住民の命と暮らしを守るために職務に奮闘している職員の努力を踏まえると、容認できるものではありません。また、月例給については改定を見送りとしていますが、一時金が引下げとなることを踏まえると、職員の生活改善には結びつかず、納得できないものと言わざるを得ません。
長時間労働の是正については、職員の健康・安全やワーク・ライフ・バランスの確保のためにも、月45時間、年360時間以内の上限規制を遵守することが求められます。また、新型コロナウイルス感染症への対応が迫られる中、時間外労働の増加は明らかであり、これを解消するための必要な正規職員の確保も必要です。
今年度から運用が始められた会計年度任用職員や臨時的任用職員など非常勤職員制度については、均等待遇とは程遠い不十分なものと言わざるを得ません。同一労働・同一賃金の原則を推進するため一層の処遇改善が必要です。
雇用と年金の接続については、定年引上げの状況を踏まえ、再任用職員の制度への対応と現に在職している再任用職員の抜本的な給与水準改善が必要です。
コロナ禍の影響により、今後、民間における雇用や所得の環境がさらに悪化していくことが懸念されますが、現状の厳しい環境を認識した上で、新型コロナウイルス感染症対策や近年多発する大規模な自然災害への対応などに、職員が自身の生活に不安を抱くことなく、高い使命感と責任をもって住民のいのちと暮らしを守るために専念できる給与と勤務条件の確保こそが必要です。そのためにも、人事委員会が、労働基本権を一部制約した代償措置として、また第三者機関として公平公正な立場で作業を進め、責任を果たすことを求めます。
つきましては、来年度の報告・勧告にあたっては、大都市で働く職員の実情を十分に踏まえ、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われますよう要請します。
記
以上
大人連課長会議 本日は、慣例により、当番団体である大阪市から大人連を代表してお答えする。
ただ今の申し入れについては、大人連として承った。
各人事委員会においては、各都市区における民間給与の実態を踏まえるとともに、それぞれの課題に対応した報告及び勧告を、議会及び長に対して行ったところである。
皆様から申し入れのあった項目のうち、民間給与実態調査における比較企業規模については、民間給与を広く把握し、その給与水準をより適正に公務の給与水準に反映させるため、これまでと同様の規模としているところである。
なお、民間給与実態調査は、全国の人事委員会及び国の人事院が共同で実施している調査であり、大人連としても、必要な点については検討を行うとともに、人事院と協議を行ってきている。
また、地域手当、住居手当、通勤手当、扶養手当、退職手当、特別給、勤務時間、高齢期雇用制度、次世代育成支援対策、会計年度任用職員等、休暇及び休業制度等、新型コロナウイルス感染症への対応などの各事項については、民間や国の動向等に留意しつつ、各都市区がそれぞれの団体の事情を考慮し、取り組んでいくものと考えている。
私ども人事委員会としては、これまでと同様、地方公務員法の趣旨に則り、中立かつ公正な第三者機関としての立場を堅持し、その役割を果たしてまいる所存である。
なお、本日の申し入れについては、それぞれ委員会に持ち帰り、その内容も踏まえながら、次回の勧告へ向け、検討を行ってまいる。
以上