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更新日:2019年11月14日

次年度勧告に向け大都市協が大人連(課長会議)に申し入れ

大都市事情が十分反映されるよう大人連へ申し入れ

 大都市労連連絡協議会(大都市協)は、11月7日(木)浜松市でブロック会議を開催し、来年度の勧告(報告)に向けての申し入れ内容について協議した。

 その後、当地で開催中の大人連課長会議に対し、以下の申し入れを行った。

2019年11月7日

大都市人事委員会連絡協議会
         課長会議 様

大都市労連連絡協議会

申し入れ書

 日頃から、大都市自治体に働く職員の賃金・労働条件の改善に努力されている貴職に対して敬意を表します。

 さて、8月7日の人事院勧告は、月例給、一時金ともに6年連続の引上げ勧告となりました。しかし大卒初任給で1,500円、高卒初任給2,000円の引上げとそれを踏まえた若年層のみの引上げとなり、低額だった昨年をさらに下回るものでした。これは、職員の生活改善には到底結びつかないものであり、消費税の増税による影響を考慮すれば、実質賃金が引下がることになります。また、引き続く一時金増額分0.05月の勤勉手当への配分は「成果主義」を一層強めるものです。

 また、再任用職員の生活関連手当の改善が今回も見送られたことに加え、勤勉手当について据置きとしたことは、大変遺憾です。臨時・非常勤職員の処遇改善では夏季休暇が新設されましたが、均等待遇とは程遠い不十分なものと言わざるを得ません。同一労働同一賃金の原則を推進するため、一層の改善が必要です。

 雇用と年金の接続については、昨年8月に行った意見申出を踏まえて、段階的な定年年齢の引上げを実現するための措置が早期に実施されるよう改めて要請するとしています。大都市自治体の実態を踏まえた対応を図ることが必要です。

 人事委員会は労働基本権を一部制約した代償措置として、また第三者機関として、公平公正な立場で作業を進めるべきと考えます。

 つきましては、来年度の報告・勧告にあたっては、大都市で働く職員の実情を十分に踏まえ、人事委員会の役割と責任を認識され、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われますよう要請します。

  1. 人事委員会は地方公務員の労働基本権を一部制約した代償措置としての意味を持つことに鑑み、労使合意の内容、その経過、組合側の意見を十分尊重して勧告をすること。
  2. 勧告に係る内容について、政府、総務省の不当な干渉に屈することなく、第三者機関として、公平公正な立場で作業を進めること。
  3. 職務給や能力・実績主義などの給与決定の原則を無視した、年齢だけを理由とした給与引下げを行わないこと。
  4. 勧告にあたり、地公法第24条第2項に規定する給与基準を考慮する場合は、大都市における生活事情、特に住宅事情、物価、生計費に重点を置き判断すること。また、給料表の作成については、各給料表の適用職種を考慮し、労使交渉の決定事項を最優先とし、作成に関しての内容に踏み込まないこと。
  5. 民間給与実態調査及び公民給与の比較を行う場合は、労働基本権の代償機関としての責務を果たすことを前提として、組合と協議した上で下記の方法を取ること。
    • (1) 比較企業規模を「50人以上」とした調査比較方法をやめ、従前の比較企業規模に戻すこと。また、団体交渉によって賃金、労働条件を決定している事業所を対象とすること。
    • (2) 比較対象職種は、行政職(一)表関係業種とし、職務・職種名の対応にあたっては、機械的な区分をやめ、実態に即したものとすること。
    • (3) 比較給与の範囲を原則として公務員の基本給に相当する給与とすること。
    • (4) 精確な公民較差を算出するためにも追加較差を算出すること。
  6. 地域手当については、本給繰入れを基本とすること。
  7. 住居手当については、民間の支給実態を精確に調査・把握し、国の制度に追従することなく、地方公務員の住宅制度や現状を考慮し、各都市の実態に見合った改善を図ること。
  8. 通勤手当については、全額実費支給とし、交通用具利用者に対する手当を改善すること。併せて、全額非課税になるよう関係機関に働きかけること。
  9. 配偶者に係る扶養手当については、民間の支給実態を精確に調査・把握し、国の見直しに追従することなく、地方自治体の独自性を堅持し、各都市の実情に見合った改善を図ること。
  10. 退職手当制度の改善に向けて意見申出すること。
  11. 特別給(一時金)については、比較方法を改め、公民同一基準により精確な月数算定を行うこと。
    また、勤勉手当の運用における成績率の強化拡大を行わないこと。
  12. 「給与構造改革」及び「給与制度の総合的な見直し」における経過措置額(現給保障)を廃止しないこと。
  13. 長時間労働是正のため、厳格な勤務時間管理や定数増を含む実効性のある超過勤務縮減措置など具体策を早急に勧告すること。また、勤務時間については、年間総労働1,800時間を達成するために、週労働時間を37時間30分、日労働時間を7時間30分とするよう勧告を行うこと。
  14. 高齢期雇用制度については、雇用と年金の確実な接続を図るため、段階的な定年延長を中心とする新たな高齢者雇用施策を直ちに意見申出すること。また、再任用制度を含む高齢期雇用制度など公務における高齢者雇用施策について、一層の充実を図り、雇用と年金の接続を確実に保障すること。
  15. 女性の労働権確立、男女共同参画社会の実現に向けて必要な施策の確立を図ること。また「次世代育成支援対策推進法」の行動計画の着実な実施に向けて対策を行うこと。
  16. 会計年度任用職員制度の運用について、正規職員との均等待遇を実現する具体的な処遇の改善等に向けて必要な勧告・報告を行うこと。
  17. 大都市協の意向を反映し早期勧告に向けて努力すること。

以上

大人連課長会議 本日は、慣例により、当番団体である浜松市から大人連を代表してお答えする。

 ただ今の申し入れについては、大人連として承った。

 各人事委員会においては、各都市区における民間給与の実態を踏まえるとともに、それぞれの課題に対応した報告及び勧告を、議会及び長に対して行ったところである。

 皆様から申し入れのあった項目のうち、民間給与実態調査における比較企業規模については、民間給与を広く把握し、その給与水準をより適正に公務の給与水準に反映させるため、これまでと同様の規模としているところである。

 なお、民間給与実態調査は、全国の人事委員会及び国の人事院が共同で実施している調査であり、大人連としても、必要な点については検討を行うとともに、人事院と協議を行ってきている。

 また、地域手当、住居手当、通勤手当、扶養手当、退職手当、特別給、給与構造改革及び給与制度の総合的見直しにおける経過措置額、勤務時間、高齢期雇用制度、次世代育成支援対策、会計年度任用職員制度などの各事項については、民間や国の動向等に留意しつつ、各都市区がそれぞれの団体の事情を考慮し、取り組んでいくものと考えている。

 私ども人事委員会としては、これまでと同様、地方公務員法の趣旨に則り、中立かつ公正な第三者機関としての立場を堅持し、その役割を果たしてまいる所存である。

 なお、本日の申入れについては、それぞれ委員会に持ち帰り、その内容も踏まえながら、次回の勧告へ向け、検討を行ってまいる。

以上

 

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