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更新日:2016年8月22日

大都市協が大人連事務局長会議に申し入れ

勧告にあたり、人事院勧告に追随することなく、要求実現に向けた最大限の努力を要請!

 8月18日(木)、大都市労連連絡協議会(大都市協)は名古屋市で代表者会議を開催し、2016年の人事院の勧告後における各都市人事委員会交渉についての取り組みなどを報告・協議した。その後、当地で開催中の大人連事務局長会議に対し、以下の「申し入れ」を行った。

2016年8月18日

大都市人事委員会連絡協議会
 事務局長会議 様

大都市労連連絡協議会

申し入れ書

 日頃から、大都市職員の賃金・労働条件改善に尽力されている貴職に対して敬意を表します。

 さて、人事院は8月8日、内閣と国会に対して2016年の国家公務員の給与等に関する勧告を行いました。

 その主な内容は、月例給を平均で708円(0.17%)、一時金を0.1月の引き上げとする3年連続の引き上げ勧告となりました。しかし、初任給で1,500円、若年層以外では400円という改定額は、公務職場の生活改善どころか、地域経済の再生には到底結びつかない低水準のものと言わざるを得ません。また、一時金増額分の勤勉手当への配分は、再任用職員における勤務実績の新たな反映とともに「成果主義」をいっそう強めるものです。さらに較差の8割を地域手当に配分した昨年に続き、今年も3割を霞が関の職員だけを対象とする本府省業務調整手当の引き上げに充てる一方で、地方や高齢層の職員にも賃上げとなる「現給保障」額の引き上げを見送った結果、公務員賃金の影響を受ける公務関連労働者や公務員に準拠する地域の労働者には「賃上げ効果」が波及しません。

 配偶者に係る扶養手当については、手当額を半減する一方で、それによる原資を用いた子に係る手当額の増額と併せ、激変緩和のため来年度から段階的に実施するとしていますが、配偶者の扶養手当の見直しは、職員の生活実態からみて不当な賃下げであるだけでなく、そのプロセスにおいても、昨年の勧告で、民間の実態からみて「見直す状況にない」としていたものを、政府の要請を受け、突如、「民間企業及び公務における状況の変化」を理由に行うとしたこと自体認められるものではありません。

 また、労働力不足を反映した非正規労働者全体の処遇改善が進む中、人事院が臨時・非常勤職員の賃金について、俸給表改定の反映を除く改善を見送ったことは遺憾です。同時に、再任用職員の処遇改善、とりわけ生活関連手当の支給も見送られましたが、年金支給開始年齢が62歳となり、無年金期間が延長するもとで、確実な雇用とともに基本賃金の改善自体が急務となっています。「均等待遇」、「同一価値労働・同一賃金」の立場から積極的な改善が求められます。

 各人事委員会におかれましては、今後、勧告作業が本格化を迎えることになりますが、こうした人事院勧告に追随することなく、大都市で働く職員の労苦に応え、公務に対する誇りと働きがいを向上させるためにも、すべての職員の生活改善が図られる勧告を行うことを強く求めます。

 貴職に置かれましては、労働基本権制約の代償措置としての役割と責任を認識され、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われるよう強く要請いたします。

1.人事委員会が地方公務員の労働基本権を一部制約した代償措置として設立されている趣旨を踏まえ、労使合意事項、労使交渉の経過および組合の意見を十分に尊重し、勧告にあたっては人事委員会の主体性を発揮すること。

2.勧告にかかる内容については、「配偶者に係る扶養手当の見直し」など、政府、総務省の不当な干渉に屈することなく、第三者機関としての独立性を守り、公平公正な立場で勧告を行うこと。

3.給与勧告にあたっては、民間給与との格差のみでなく生計費に重点を置き、職員の生活と労働の実態にふさわしい給与水準に現給保障者を含む全ての職員を対象に引き上げること。また、給料表については、労使交渉の決定事項を最優先とし、作成に関しての内容に踏み込まないこと。

4.特別給(一時金)については、比較対象職種を行政職(一)相当職種に見直すなど現行比較方法を改め、年間支給月数の引き上げを行い、期末手当に一本化すること。

5.地域手当については、本給繰り入れを基本とし、支給率の改善を行うこと。

6.諸手当の改善については、労働組合と十分な交渉・協議に基づくこと。特に、住宅手当については、大都市特有の住宅事情や勤務の困難性を踏まえた対応を行うこと。

7.通勤手当については、職員の自己負担が生じないよう、通勤手当の支給額を改善するとともに、全額非課税となるよう関係機関に働きかけること。

8.「フレックスタイム制」については、国に追随することなく、自治体の実情を十分に考慮すること。

9.ディーセント・ワークの実現およびワークライフバランス確立の観点から、所定勤務時間を「1日7時間30分、週37時間30分」に短縮すること。また、超過勤務規制、有給休暇取得促進など、実効性のある諸条件の整備を行うこと。

10.高齢者雇用については、雇用と年金の確実な接続を図るため希望者全員の雇用を保証するとともに、給与月額を年金支給開始までの生活維持にふさわしい水準に引き上げ、一時金の支給率を一般職員と同率とすること。また、生活関連手当を支給すること。

11.非常勤職員制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などを図る制度を整備すること。

12.心の病の発生を予防するため、「心の健康づくり」に向けた対策を充実・強化すること。

また、各種のハラスメントに対する対策防止策を策定し、具体的な対策を講じること。

13.人事委員会の勧告に向けた作業にあたっては、労働組合との交渉・協議等に基づき進めるともに、大都市協の要請を十分に反映し、早期勧告に向けて努力すること。

以上

大人連事務局長会議 本日は慣例により、当番都市である名古屋市が、大人連を代表してお答えする。

 ただいまの申し入れについては、大人連として確かに承った。

 先般行われた人事院勧告では、給与の改定については、月例給を0.17%、特別給を0.1月分それぞれ引き上げることとし、扶養手当の見直しや、育児・介護と仕事との両立支援制度などについても言及している。

 現在、各人事委員会において、民間給与の実態を精確に職員給与に反映させるよう、最終的な作業を進めているところである。

 本日、皆様から申し入れのあった「配偶者に係る扶養手当の見直し」への対応のほか、各種手当、制度の充実などについては、民間や国の動向に留意しつつ、各人事委員会がそれぞれの団体の事情等を踏まえ、検討してまいりたいと考えている。

 人事委員会は、従来から、地方公務員法の趣旨に則り、中立かつ公正な第三者機関として、自主的な判断に基づき、適正な勧告を行ってきた。

 公務員の給与を取り巻く環境は、依然として厳しいものがあるが、引き続き、従来からの立場を堅持していく所存である。

以上

 

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