更新日:2015年8月21日
大都市協が大人連事務局長会議に申し入れ
8月19日(水)、大都市労連連絡協議会(大都市協)は浜松市で代表者会議を開催し、2015年の人事院の勧告後における各都市人事委員会交渉についての取り組みなどを報告・協議した。その後、当地で開催中の大人連事務局長会議に対し、以下の「申し入れ」を行った。
2015年8月19日
大都市人事委員会連絡協議会
事務局長会議 様
大都市労連連絡協議会
申し入れ書
日頃から、大都市職員の賃金・労働条件改善に尽力されている貴職に対して敬意を表します。
さて、人事院は8月6日、内閣と国会に対して2015年の国家公務員の給与等に関する勧告を行いました。その主な内容は、月例給を平均で0.4%、一時金を0.1月の引き上げとする2年連続の引き上げ勧告となりました。しかし、引き上げ水準は極めて低く、「給与制度の総合的見直し」による現給保障の最中にある、中・高年齢層の引き上げはゼロであり、職員の生活改善にはなっていません。また、その一方で「より柔軟な勤務形態の下で職員の能力発揮や公務貢献ができる」として、すべての国家公務員を対象とした新たな「フレックスタイム制」を導入するとしています。「フレックスタイム制」導入は、長時間労働を助長しかねず、職場に新たな混乱をもたらすことが危惧されます。
各人事委員会におかれましては、今後、勧告作業が本格化を迎えることになりますが、こうした人事院勧告に追随することなく、大都市で働く職員の労苦に応え、公務に対する誇りと働きがいを向上するためにも、すべての職員の生活改善が図られる勧告を行うことを強く求めます。
貴職に置かれましては、人事委員会としての労働基本権制約の代償措置としての役割と責任を認識され、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われるよう強く要請いたします。
記
1.人事委員会が地方公務員の労働基本権を一部制約した代償措置として設立されている趣旨を踏まえ、労使合意事項、労使交渉の経過および組合の意見を十分に尊重し、勧告にあたっては人事委員会の主体性を発揮すること。
2.勧告にかかる内容については、「給与制度の総合的見直し」など、政府、総務省の不当な干渉に屈することなく、第三者機関としての独立性を守り、公平公正な立場で勧告を行うこと。
3.給与勧告にあたっては、民間給与との格差のみでなく生計費に重点を置き、職員の生活と労働の実態にふさわしい給与水準に引き上げること。また、給料表については、労使交渉の決定事項を最優先とし、作成に関しての内容に踏み込まないこと。
4.特別給(一時金)については、比較対象職種を行政職(一)相当職種に見直すなど現行比較方法を改め、年間支給月数の引き上げを行い、期末手当に一本化すること。
5.地域手当については、本給繰り入れを基本とし、支給率の改善を行うこと。
6.諸手当の改善については、労働組合と十分な交渉・協議に基づくこと。特に、住宅手当については、大都市特有の住宅事情や勤務の困難性を踏まえた対応を行うこと。
7.通勤手当については、職員の自己負担が生じないよう、通勤手当の支給額を改善するとともに、全額非課税となるよう関係機関に働きかけること。
8.「フレックスタイム制」については、国に追随することなく、自治体の実情を十分に考慮すること。
9.ディーセント・ワークの実現およびワークライフバランス確立の観点から、所定勤務時間を「1日7時間30分、週37時間30分」に短縮すること。また、超過勤務規制、有給休暇取得促進など、実効性のある諸条件の整備を行うこと。
10.高齢者雇用については、雇用と年金の確実な接続を図るため希望者全員の雇用を保証するとともに、給与月額を年金支給開始までの生活維持にふさわしい水準に引き上げ、一時金の支給率を一般職員と同率とすること。
11.非常勤職員制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などを図る制度を整備すること。
12.心の病の発生を予防するため、「心の健康づくり」に向けた対策を充実・強化すること。
また、各種のハラスメントに対する対策防止策を策定し、具体的な対策を講じること。
13.人事委員会の勧告に向けた作業にあたっては、労働組合との交渉・協議等に基づき進めるともに、大都市協の要請を十分に反映し、早期勧告に向けて努力すること。
以上
大都市労連連絡協議会からの申し入れに対する回答(要旨)
平成27年8月19日
大人連事務局長会議
人事院勧告の概要
各人事委員会の状況
各人事委員会の申し入れへの対応
人事委員会の役割