本文へジャンプしますcorner大阪市労働組合連合会
更新履歴主張・見解政策提言市労連とはごあいさつ市労連のはじまり組織体制お問い合わせ先用語集リンク集HOME

更新日:2014年9月4日

大阪市人事委員会への申し入れ

人事院勧告に安易に追随することなく、組合の要求主旨を受け止め、本年の勧告に十分反映されるよう強く要請!

 市労連は、9月3日に大阪市人事委員会に対して、2014年の人事委員会勧告に向けた「申し入れ」を行った。

 申し入れの中で、安易に人事院が勧告した「給与制度の総合的見直し」に追随することなく、精確な公民水準比較を行った上で勧告するよう求め、本年の勧告に向けた基本的な姿勢、ならびに調査作業の進捗状況と特徴点、現時点で予定している本年の勧告時期について明らかにするよう求めた。人事委員会から「市内の民間企業従業員の給与と本市職員の給与とを均衡させることを基本としつつ、本市の給与制度が、国や他都市の状況、地方公務員法に定められた給与決定の諸原則の観点から、適切なものとなるよう勧告してまいりたい」との回答があり、勧告時期については「昨年並みの日程を勘案しつつ努力する」ことが述べられた。

組合 本日は、2014年人事委員会勧告に向けた、市労連としての申し入れを行う。

 日頃から、大阪市に働く職員の賃金・労働条件の改善に尽力されている貴職に対して、敬意を表します。

 8月7日、2014年の人事院勧告が行われ、この大阪市においても勧告に向けて最終的な作業の最中にあると認識している。その上で、本年の勧告にあたって、数点にわたり人事委員会に要請をしておきたい。

 7月28日にも貴人事委員会に対して要請を行ったところであるが、人事院の勧告において「給与制度の総合的見直し」が明らかになった。その内容は、霞が関を優遇し、地方公務員の給与水準引き下げを狙ったものであり、到底認められるものでない。人事院の「給与制度の総合的見直し」に安易に追随することなく、大都市事情と大阪市に働く組合員の生活実態を考慮し、また、市労連が本年3月24日に行った統一賃金要求に関する申し入れ内容を十分に尊重するとともに、本日申し入れを行う事項も含め、本年の勧告に十分反映されるよう強く要請する。

 改めて、労働基本権制約の代償措置としての機能を発揮するとともに、中立機関としての独立性を堅持しつつ、その職責を果たされるよう申し上げておく。

 それでは、詳細について書記長から申し上げる。

2014年9月3日

大阪市人事委員会
委員長 西村 捷三 様

大阪市労働組合連合会
執行委員長 上谷 高正

2014年大阪市人事委員会勧告に関する申し入れ

 日頃から、私ども大阪市に働く職員の賃金・労働条件の改善に尽力されている貴職に対して、敬意を表します。

 さて、人事院は8月7日、2014年の国家公務員の給与等に関する勧告と報告を行いました。その主な内容は、月例給を平均1,090円、率にして0.27%の引き上げと一時金を0.15月引き上げ、年間で4.1月とする勧告を行いました。また、地域手当の級地区分の新設及び支給割合の見直しなどを行う一方で、「給与制度の総合的見直し」と称し、2015年4月から基本給を平均2%の引き下げと、50歳台後半層については、最大で4%の給与水準を引き下げや現給保障制度についても期限付きとするなど、人事院が政府や自民党の意向を汲み取り、霞が関を優遇し、地方公務員の給与制度の根幹を揺るがす勧告であることから、労働基本権制約の代償機関としての役割を果たしているとは言えず、容認できるものではありません。

 市労連は7月28日、貴人事委員会に人事院に対して「給与制度の総合的見直し」に反対するようにとの要請も行いました。「給与制度の総合的見直し」の本質が、霞が関の優遇、地方の切り捨て、給与水準引き下げを前提とした内容であることは言うまでもなく、到底受け入れられるものではありません。貴人事委員会におかれては、こうした内容と大阪市が行ってきた経過を踏まえ、国・人事院に追随することなく主体的な対応と判断をされることを強く求めます。

 一方、大阪市では、本年4月に昨年の人事委員会勧告に基づく大幅な給料表改定と、平均7.2%の独自給料カットの継続実施などにより、私たちの実質賃金は民間を下回り組合員の生活はもはや限界にきています。

 昨年の人事委員会勧告の際には、民間給与実態調査で収集した民間給与データの極端な額のデータが存在するとして、上下合わせて5%を除外した点、人事委員会自らも問題としてきた賃金センサスを活用したことなど、その都度、市労連として貴職に対し問題指摘を行ってきましたが、結果、昨年の勧告は全国にも例を見ない、平均で17,579円、率にしてマイナス4.19%という異例ともいえる内容でした。

 給与水準問題は、私たちの勤務労働条件の根幹であり、この間、市側が一方的な思いで強引に推し進める対応は問題であり、同時に、労働基本権制約の代償措置としての人事委員会勧告制度そのものが否定していると言わざるを得ません。

 現在、貴職におかれては、勧告に向けての最終段階であると考えますが、現在おかれている大阪市に働く職員の状況を十二分に踏まえて頂き、精確な公民水準比較を行った上で勧告されるよう求めます。

 繰り返しになりますが、職員が不安なく公務に専念できるよう、大阪市で働く職員・組合員の生活実態を考慮して作業を進められることを求めるとともに、貴人事委員会として中立的な第三者機関としての役割を十分に果たしていただくよう求めます。その上で大阪市労連が本年3月24日に行った申し入れの主旨を尊重されるよう改めて強く要請します。

以 上

 その上で、3月24日の統一賃金要求に関する申し入れの回答と事前質問事項である本年の勧告に向けた基本的な姿勢、ならびに本年の調査作業の進捗状況と特徴点、現時点で予定されている本年の勧告時期についてお聞かせいただきたい。あわせて、先ほど委員長からも要請を行ったが、「給与制度の総合的見直し」に対し、大阪市人事委員会として主体的な対応をはかられることを要請するとともに、人事委員会としての見解があれば求めておきたい。

 加えて市側は、本年4月以降もわれわれとの合意に至らないまま「給料月額の減額措置」を継続実施している。申し入れの中でも表明したが、組合員の生活実態を踏まえても、人事委員会からの勧告とは別で取り組まれている給料カットは直ちに終了するべきであり、繰り返し指摘しているように人事委員会として終了する勧告を行うべきである。あらためてこの点についての人事委員会としての見解を示されたい。

人事委員会 「2014年統一賃金要求に関する申し入れ」については、人事委員会に諮った結果、別紙のとおり回答する。

 また、ただいま受けた「2014年大阪市人事委員会勧告に関する申し入れ」については、事前に聞いていた申し入れの内容を人事委員会に諮っている。本日は、その結果に基づき、回答を求められた件について、本委員会の見解等を申し述べる。

 勧告に向けての基本的な姿勢については、人事委員会は、職員の労働基本権が制約されている中で、その代償措置として、地方公務員法に基づき、給与その他の勤務条件について、適切な勧告を行うべき機能を担っており、中立・第三者機関として、人事委員会勧告に対する市民からの信頼を一層向上させるため、その役割を適切に発揮し、勧告の内容等について、説明責任を果たすことが求められているところである。

 これら法の規定及び人事委員会の役割・責務のもと、市内の民間企業従業員の給与と本市職員の給与とを均衡させることを基本としつつ、本市の給与制度が、国や他都市の状況、地方公務員法に定められた給与決定の諸原則の観点から、適切なものとなるよう勧告してまいりたいと考えている。

 本年の調査作業の進捗状況と特徴点については、本年の民間給与実態調査は5月1日から6月18日にかけ、人事院及び大阪府人事委員会等と共同で、全産業を対象として、企業規模50人以上、かつ事業所規模50人以上の市内447民間事業所を対象に行ったところである。現在、勧告に向け、詰めの作業を進めているが、民間給与を取り巻く状況については、産業や企業規模等により厳しい状況があるものの、全体としては改善されている面も見られるところである。

 給与制度については、公民給与の比較の在り方や賃金構造基本統計調査の参考としての活用、平成24年8月に行われた本市の給与制度の改正や次年度以降実施される国の給与制度の総合的見直しなどを踏まえた給料表構造と昇給制度の在り方、諸手当の見直しなどの課題について、研究検討していく必要があると考えている。

 その他にも、再任用職員の人事・給与制度、人材の確保・育成、人事評価制度、複線型人事制度、超過勤務の縮減、両立支援、心の健康保持、パワーハラスメント防止等の課題について検討を進めていく必要があると考えている。

 また、保育士及び幼稚園教員並びに技能労務職の給与につきましても、各任命権者が本市職員の給与水準を検討する際の参考として、民間給与の水準等を示していく必要があると考えている。

 本年の勧告時期については、現在のところ、昨年並みの日程を勘案しつつ努力してまいりたいと考えている。

 次に、「給与制度の総合的見直し」については、職務給の原則や均衡の原則等、地方公務員法に定められた給与決定の諸原則に基づき、本市の給与制度が適正なものとなるよう、本市の給与制度や水準、国の制度見直しの内容を踏まえて、必要な検討を行ってまいりたいと考えている。

 最後に、現在実施されている給料月額等の減額措置についてであるが、本委員会としては、これまでも、給与減額措置に係る条例意見照会の際には、人事委員会勧告制度の趣旨とは異なるものとして意見を付してきたところである。

 現在の給与減額措置は条例上、平成27年3月までとされているが、長期にわたる給与減額措置は職員の士気に影響を及ぼすことも懸念されるため、今後の動向を注視し、必要な意見を付してまいりたいと考えている。

 以上である。

組合 ただ今、民調結果については、全体としては改善されている面も見られる一方、産業や企業規模などによっては厳しい状況があるとの見込みが述べられたが、組合員の期待も大きいことから民間給与実態を精確に把握しつつ、大都市における職員の生活実態を考慮した上で、私たちの生活を守る為の賃金水準を維持するよう求めておく。

 申し入れでも述べたが「給与制度の総合的見直し」は、基本給の2%引き下げや高齢層職員の賃金抑制などを行い、その財源で地域手当の見直しや単身赴任手当、広域異動手当、本府省業務調整手当の支給水準を引き上げるなど、政府の地方公務員賃金抑制政策と、霞が関のみを優遇するもので、労働基本権代償機関としてあってはならない勧告内容である。

 また、先ほどの回答において、2012年8月に行われた大阪市の「給与制度の改正や次年度以降実施される国の給与制度の総合的見直しなどを踏まえた給料表構造と昇給制度の在り方、諸手当の見直しなどの課題について、研究検討していく」ことが示されたが、給与制度改革以降、給料表と昇給制度の乖離が大きく、職員の勤務意欲の観点から早急に検証する課題である。しかし、「給与制度の総合的見直し」については、繰り返し申し上げているとおり、給与水準引き下げが前提であり、決して容認できる内容でない。人事委員会として、国や人事院に追随した勧告を行うことのないようあらためて申し上げておく。さらに昨年、人事委員会に対し問題指摘を行ってきた内容であるが、本年も引き続き、保育士及び幼稚園教諭並びに技能労務職の給与について、各任命権者が給与水準を検討する際の参考として、民間給与の水準を示していく旨が示された。実態給与が給与制度改革により、大きく引き下げられていることから給与水準のさらなる引き下げにつながるような人事委員会の対応は極めて不満であることを申し上げておく。いずれにせよ人事委員会としての独立性を堅持し、その機能を果たすことを強く要請しておく。

 私たちは大都市に働く仲間とともに、8月20日には大都市人事委員会連絡協議会とも交渉を行ってきたが、人事院の勧告及び報告内容の十分な分析はもちろんのこと、安易に人事院勧告に追随することなく、他都市人事委員会の動向にも注視しながら、大阪市に働く職員の生活実態を考慮して作業するように求めておく。

 最後に、これまで申し上げてきたとおり、月例給及び一時金が大幅に減額されている実情を鑑み、また、労働基本権制約の代償措置としての機能を発揮するとともに、あらためて、中立機関としての独立性を堅持しつつその職責を果たされるよう要請しておく。

人事委員会 本委員会は、給与報告・勧告を行うにあたっては、これまでも、地方公務員法に基づき、民間給与の実態を精確に把握するとともに、国・他都市の動向等を踏まえ、中立的な第三者機関としての役割を果たしてきているところである。

 いずれにしても、本日聞いた内容等については、人事委員会に報告させていただく。。

以 上

市労連 2014年統一賃金要求に関する申し入れに対する回答【別紙】
申し入れ項目 回   答
1 人事委員会が地方公務員の労働基本権を一部制約した代償措置として設立されている趣旨を踏まえ、勧告に際しては、労使合意事項、労使交渉の経過、組合の意見を十分尊重すること。  地方公務員法第14条第2項及び第26条により人事委員会に与えられた権限(給与報告・勧告等)は、人事委員会の専門的で公正な中立機関としての判断により、職員の勤務条件の確保を保障するとともに、報告(勧告)に基づく給与は適正なものとして、市民の理解を求めるよりどころを与えるものであると考えています。本委員会は、これまで地方公務員法に基づき、その役割を果たしてきたところであり、国における給与制度の総合的見直しについても、法に定められた給与決定の諸原則を踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えています。
2 勧告内容にかかわる政府、総務省の不当な干渉に屈することなく、中立・第三者機関としての立場を堅持し、公平・公正な立場で作業を進めること。
 地域間格差の拡大と給与水準引き下げを目的とした「給与制度の総合的見直し」には、大都市事情を十分踏まえ、主体的な立場で対応すること。
3 勧告にあたり、地公法第24条第3項に規定する給与基準を考慮する場合、大都市における生活事情を正確に把握し、反映すること。その上で、給料表作成にかかわる内容は労使交渉による決定事項であり、具体的中身に踏み込まないこと。  生計費の算定は毎年4月における費目別平均支出金額を基礎として行い、給与勧告資料の労働経済指標において全国と本市民間の生計費・物価の状況を比較するとともに、標準生計費(理論生計費)の算定・公表を行っているところです。
 給料表の勧告については、人事委員会の説明責任、機能発揮の観点から研究を行っていく必要があると考えています。
4 民間給与実態調査及び公民給与の比較を行う場合は、合理的な方法を採るよう努めるとともに、下記の内容を踏まえて改善すること。

(1) 調査対象企業規模50人以上とした比較方法を改め、少なくとも以前の調査対象 企業規模に戻すこと。また、民間給与実態調査の上下2.5%ずつを調査対象から除外する手法を従前の方法にあらためること。さらに、団体交渉によって賃金、労働条件を決定している事業所を対象とし、「会社更生法等の適用企業」は調査対象から除外すること。
 調査対象企業規模については、国において平成18年より企業規模50人以上100人未満の事業所についても調査対象とされ、本市においても、民間給与実態調査は人事院等との共同調査であることから同様に実施してきたところであり、今後とも国等の動向を踏まえ、対応してまいりたいと考えています。
 また、民間給与実態調査結果から上下2.5%ずつのデータをカットする取扱は、極端な給与のデータについては、給与水準を決定する基礎資料から除外することが、本市職員の給与水準を適正化するとともに、市民の信頼を得るためには必要と判断したところです。
 民間給与実態調査は、民間事業所を無作為で調査することが市民の理解を得る大きな要素となっており、作為的に一部の事業所を対象除外とすることは誤解を招きかねず、加えて、現実の問題として、当該調査が人事院等との共同調査となっていることからも、本委員会のみ調査対象の考え方を変更することは困難であると考えています。
(2) 比較対象職種は、国及び地方自治体の基幹職種である行政職(一)表関係業種とすること。  比較対象職種は、基本的に公民双方の大部分を占める職種ということが妥当であり、人事院は行政職(一)表、本委員会においても行政職との比較を行ってきているところです。
 今後とも、国や他都市の動向等を踏まえ、引き続き研究してまいりたいと考えています。
(3) 比較給与の範囲は、原則として公務員の基本給に相当する給与とすること。  民間においては、いわゆる基本給部分と呼ばれるものであっても、資格給、年齢給、職能給等さまざまな要素で組み立てられている場合が多く、一律に基本給部分をどこまでとみなして調査することは困難であると考えています。
 一方、昨今の人事給与制度の変革の流れのなかで、民間の給与の構造は大きく変貌の様相を見せており、今後とも、より精密な公民比較を行うため、研究を続けてまいりたいと考えています。
(4) 比較にあたっては、年齢だけでなく経験年数を加味すること。  経験年数について調査が可能となれば、年齢との2つの要素の組み合わせで公民比較を行うという新たな手法も考えられますが、現実には民間のデータを調査する際に、同種外部経歴等の経験年数換算を行う必要があることから、経験年数を調査することは難しいケースが多く、調査効率や調査の正確性が損なわれるおそれが多分にあります。また、全国一律の調査様式など実際上本市独自でクリアすることは非常に難しい問題と考えています。
 なお、「官民給与の比較方法の在り方に関する研究会」報告書においても、民間給与実態調査の基礎となる民間企業の賃金台帳には、勤続年数の記入は義務づけられていないことなど調査技術上の問題等が存在しているとされているところです。
(5) 精確な公民較差を算出するため、春季賃金改定状況を把握した上で、積み残し事業所を追加調査し、追加較差を算出すること。  例年、積み残し事業所の追跡調査については、人事院が定めた調査期限一杯のところまで努力しているところです。
(6) 特別給については、調査・比較方法を改め、公民同一基準による精確な月数算定を行うこと。  特別給に関する現行公民比較方式については、人事院等との共同調査という枠がある中で、調査対象を本市独自で設定することは困難であると考えています。
 なお、特別給の調査については、平成16年より前年夏冬の調査から前年冬と当年夏の調査に改められているところです。
(7) 賃金センサスについては、月例給や特別給における調査データのタイムラグや、実費弁償的な要素の強い通勤手当額を分離できないことなど問題が多いことから、ラスパイレス比較するためのデータとしては不適当であり活用しないこと。  賃金センサスについては、平成24年6月に施行された大阪市職員基本条例第24条第3項において、人事委員会は、民間事業者における給与水準及び勤務条件の実態を把握するため、直近の賃金センサス等を参考として活用しなければならないとされていることから、その活用について研究を進めてきたところです。
 その結果、本委員会としては賃金センサスを民間給与調査の代替としてそのまま用いることには無理があると考え、役職段階や年齢等に応じた給与水準等の民間給与の傾向を把握するものとして活用するという方法をとったところであり、その際には、市内の事業所における雇用形態や職種が職員と同種の者を対象とし、経年的なデータのバラつきなどを考慮して直近3年間の調査データを用いることとしています。
5 新たな高齢者雇用制度の確立にあたっては、年金と雇用の確実な接続と生活できる給与水準を保障すること。特に、段階的定年延長が実現するまでの間は、再任用制度義務化による制度設計が急務であり、60歳以降も安心して働きつづけることができる雇用環境整備のため、本市の業務実態を十分ふまえた制度となるよう具体的に勧告すること。  60歳以降の雇用確保策や人事・給与制度などについては、民間や国、他の自治体の状況も踏まえつつ、本市組織にふさわしい高齢期における職員の活用について、検討を進めてまいりたいと考えています。
6 2012年8月の給与制度改革に伴う大幅な給与水準見直しに関し、是正に向けた踏み込んだ対応を求めるとともに、勧告制度とは別個で行われている給料カットについて中止するよう勧告すること。また、50歳台後半層における昇給制度について、国とは異なる地方自治体の実態を踏まえ、人事院の動きに安易に追随せず、慎重に対処すること。  平成24年8月の給与制度改革に伴う影響等について、検討を進めてまいりたいと考えています。現在行われている給与カットについては、人事委員会としても人事委員会勧告制度の趣旨とは異なる給与支給状況にあることは認識しており、給与減額措置にかかる条例意見照会に際しては、意見を付してきたところです。
 また、50歳台後半層の昇給制度については、本市における人事運用の実態を踏まえながら検証・検討してまいりたいと考えています。
7 諸手当について、とりわけ住居手当は、地方公務員の住宅制度や大都市特有の住宅事情を踏まえた住居手当制度を確立するとともに、持ち家にかかる手当の精緻な調査を行うこと。また、地域手当については、本給繰り入れを基本に改善すること。  住居手当については、職種別民間給与実態調査において民間の状況を調査しているところであり、調査結果等を踏まえ、研究してまいりたいと考えています。
 また、地域手当については、国家公務員において、民間賃金の地域間格差が適切に反映されるよう、主に民間賃金の高い地域に勤務する職員に対し支給することとされているもので、国の制度にならった手当のひとつであります。人事委員会としては、民間との比較給与のなかに含めて較差を算出していますが、手当の配分や制度のあり方などについて、国や他の自治体の動向も見守りつつ、今後とも研究してまいりたいと考えています。
8 非正規労働者の増加が社会問題化する中、臨時・非常勤職員の処遇改善に関して、人事委員会として問題認識を持ち、可能な対応を図ること。  本市においては、非常勤嘱託職員は特別職とされており、その勤務条件等については、人事委員会の権限が及ばないところです。
9 年間総労働時間1800時間を早期に達成するため、実効性ある超過勤務規制のための施策推進や年次有給休暇の取得促進、業務量に見合う人員確保策など、時間短縮に向けた具体的な方策を示すよう努めること。  今後とも超過勤務の縮減や適正な労働時間管理の徹底という観点を中心に検討を進めてまいりたいと考えています。
10 女性の労働権確立、男女共同参画社会の実現に向け、仕事と家庭の両立支援策の充実が求められており、「次世代育成支援対策推進法」の行動計画の着実な実施に向けた対策を行うこと。  男女の別なく、一人ひとりの職員の能力や適性に応じて人材を育成していく取組みの継続が肝要であり、今後とも男女共同参画社会の実現に資するよう、研究を進めていきたいと考えています。
11 福利厚生について、各種制度、各種施設、支給などの実態を調査し、地公法42条の趣旨に適う制度構築に努めること。  給与以外の勤務労働条件等について、人事院は毎年項目を変えて民間給与実態調査の調査票のなかに盛り込んでいるところでありますが、一方、民間給与実態調査は人事院・大阪府等との共同調査であり、調査対象企業の負担増を招くことにより調査結果に影響を及ぼす別途調査については行わないよう人事院から指導を受けているところであります。
12 私たちの意向を反映し、早期勧告に向けて努力すること。  適切な時期に給与報告・勧告を行うことができるよう、努めてまいります。
 

copyright 2005- 大阪市労働組合連合会