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更新日:2024年10月10日

2024年賃金確定要求・年末一時金闘争 第1回対市団体交渉

2024賃金確定要求を申し入れ
給料表及び一時金の早急な引き上げ改定と年内精算の実施を求める

 市労連は、10月10日(木)午後4時30分より、2024賃金確定・年末一時金にかかる第1回対市団体交渉を行った。

 団体交渉で市労連は「2024年賃金確定要求」を申し入れ、本年の人事委員会勧告において、月例給・一時金ともに引き上げ改定とされていることから、勧告された公民較差を踏まえ早急な引き上げ改定を求めた。また、組合員の勤務意欲の向上につながるよう、給与制度のみならず、55歳昇給停止の廃止など、昇給・昇格条件等の改善を含めた人事・給与制度の構築を求めた。

 その上で、「団体交渉は、労使合意という、あたりまえの労使間ルールを市側が守らなければ解決はあり得ない」など、市労連として、確定闘争に臨む基本姿勢を表明し、市側の考え方を明らかにするよう求めた。

 市側は、「要求内容及び人事委員会からの勧告内容並びに国、他都市の状況等を慎重に検討し、精力的に交渉・協議の上、早急に回答する」との考え方を明らかにした。

 市労連は、市側の一方的な思いだけでは、労使合意はあり得ず、市側の誠意ある対応を改めて求め、団体交渉を終了した。

組合 2024年賃金確定並びに年末一時金にかかる交渉をはじめさせていただく。

 市労連は、10月2日に開催した市労連定期大会において「2024年賃金確定要求」を確認したので先ず冒頭に申し入れる。

2024年賃金確定要求書手交

 

 詳細については、書記長より説明させていただく。

2024年10月10日

大阪市長 横山 英幸 様

大阪市労働組合連合会
執行委員長 川口 篤志

2024年賃金確定要求

 賃金決定基準の改善等の具体要求項目について、大都市事情を反映した制度改善をはかること。また、保育士及び幼稚園教員の給与水準を回復させること。

 給与制度改革による給与水準を回復させた上で、定年引き上げの状況を踏まえ、組合員の勤務意欲の向上につながるよう、55歳昇給停止の廃止や昇給・昇格条件の改善も含め具体的な人事・給与制度を構築すること。

 給与構造改革による未解決課題に対し、必要な改善措置に取り組むこと。

1.給料表

 給料表については、国・他都市の較差を踏まえつつ、大都市事情を十分考慮して検討すること。給与改定については、人事委員会の勧告に基づいた取り扱いを基本とすること。とりわけ、給与制度改革において給料表の制度改悪が行われていることから、職員構成の実態を踏まえ、早期に水準の回復をはかること。

2.諸手当

 諸手当については、国・他都市の動向、民間支給状況を見極めつつ、大都市事情を考慮して検討すること。住居手当については、労使合意を前提に持家にかかる手当の回復及び、制度の維持・改善をはかること。また、扶養手当については、職員それぞれの生活実態を踏まえた制度となるよう改善をはかること。通勤手当について改善をはかること。地域手当については、現行の支給水準を維持するとともに、本給繰り入れを基本に支給率の改善をはかること。手当の改廃については、職務の実績を鑑み、慎重かつ適切に対応すること。

3.初任給基準(中途採用者を含む)については、大都市事情を十分踏まえ検討を行うこと。

4.格付・昇格・昇給基準

(1) 格付基準(臨時期間・前歴の格付基準を含む)の改善・充実をはかること。

(2) 休職者等の昇給抑制者に対する復職時調整の改善をはかること。

(3) 昇格枠とりわけ行政職3級昇格枠の拡大をはかるとともに、専門職については、専門性に応じた昇格制度に改善すること。

(4) 技能労務職2級昇格条件の改善をはかること。

(5) 行政職4級への格付について改善をはかること。

(6)定年引き上げを踏まえた将来の人事給与制度の全体像を見据え、55歳昇給停止を廃止すること。

5.専門職の給料表については、他都市・人事院勧告の較差水準を踏まえつつ、大都市事情を考慮して検討すること。特に、看護師については人材確保の観点から検討すること。また、福祉職給料表については国・他都市の動向を注視しつつ、慎重に調査・研究を行うこと。

6.技能労務職給料表については、他都市と比較して給与水準が低いことから改善をはかること。

7.保育士については、その職の社会的重要性や国の動向等を踏まえた給与水準の回復とともに昇格枠の拡大をはかること。また、幼稚園教諭の給料表については、小学校・中学校教育職給料表に戻すこと。

8.教職員の給料表及び勤務労働条件については「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」や「学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法」を鑑み、「情勢適用の原則」「均衡の原則」に基づいた水準の適用と、学校現場の実態に即した制度を構築すること。

9.課長代理級については、その職務職責を明確にするとともに、それに見合う給与制度とすること。

10.職員が不安なく職務に専念できるよう、昇給・昇格条件の改善等も含めた人事・給与制度を早急に構築すること。

11.一時金の支給方法の改善をはかること。

12.人事評価制度については、公平・公正性、透明性、客観性、納得性を確保し、組合員の十分な理解の下に人材育成のための制度となるよう検証・改善を行うこと。

13.「職員基本条例」に基づく相対評価による給与反映は即時廃止すること。また、人事評価結果の昇給制度への活用は、給与制度改革の実施に伴い、評価結果が昇給に反映されない組合員が多数存在することも踏まえ、慎重に検討を行い十分な交渉・合意により改善をはかること。

14.職員基本条例に基づく分限処分は行わないこと。

15.業務上交通事故に対する失職を防止するための特例を定めるなど、分限にかかる基準を見直すこと。

16.夜間勤務手当及び超過勤務手当(深夜超勤を含む)の支給率の改善をはかること。

17.勤務時間については、ワーク・ライフ・バランスの重要性を踏まえ、労使合意を前提に年間総労働時間の短縮に取り組むとともに、勤務間インターバルを確保すること。

18.その他

(1) 職員の福利厚生については、制度設立の意義を踏まえるとともに、地方公務員法42条の使用者責任(義務)に基づいて、労使で十分な意見交換・協議を行いながら、「安心して働き続けることのできる制度の確立」「組合員の働き甲斐」につながる福利厚生制度の確立・充実をはかること。

(2) 休職者の生活保障の観点から支給内容などの改善をはかるとともに、傷病手当金附加金廃止の代替措置を講じること。

(3) 近年の休職者の実態を踏まえ、「大阪市職員心の健康づくり計画」を十分に踏まえたメンタルヘルス対策の一層の充実をはかること。特に、心の健康の保持・増進の観点から職場における勤務環境の改善をはかること。また、職場におけるあらゆるハラスメント対策について、相談体制のさらなる充実など、防止に向けた取り組みの充実をはかること。

(4) 休暇・休職制度の運用改善をはかり、現行の休暇・職免制度の改悪を行わないこと。また、各制度において取得しやすい職場環境の整備をはかるとともに災害時における休暇制度を構築すること。

(5) 定年引き上げに伴い、高齢層職員の雇用制度については、業務実態を十分に踏まえ、65歳まで安心して働き続けられる職場環境の整備をはかるとともに、多様で柔軟な働き方が可能となる雇用施策の一層の充実をはかること。また、制度完成までの再任用制度については、希望する全職員の雇用を確保するとともに、雇用と年金の確実な接続と生活できる給与水準を前提とし、十分な労使交渉のもと再任用制度の充実・改善をはかること。

(6) 職業生活と家庭生活の両立支援については、特定事業主行動計画の周知徹底と、計画の推進をはかるとともに、支援制度の充実・改善を行うこと。また、両立支援を目的とする休暇・休業制度などの検証を行い、勤務環境の整備をはかるとともに、子の看護休暇の取得要件の拡大や男性の育児休業等の取得促進に向け、制度の充実と取得しやすい職場づくりに取り組むこと。

(7) 臨時・非常勤職員及び任期付職員の勤務・労働条件については、地方公務員法改正の趣旨などを踏まえた改善を行うこと。会計年度任用職員制度については、正規職員との権衡を確保するとともに、賃金水準の改善を行うこと。また、再度の任用に関わって、不安定な雇用とならないよう、業務実態に応じた任用とすること。任期付職員制度については、職の流動化や人件費抑制を意図する運用を行わないこと。

(8) 災害時における交通費の自費負担をはじめ、勤務体制の整備をはかること。

19.新型コロナウイルス感染症の感染拡大対応で得た経験を踏まえ、今後起こりうる新興感染症に対し、市民及び職員の安全を確保するためにも、業務執行体制の構築はもとより、職員が安心して業務に従事できるよう、職場環境の整備や制度の充実をはかるとともに、業務実態を踏まえた手当等の措置を講じること。

20.実施については、労使合意に基づくこととし、労働基本権制約のもとでの生活防衛の観点から、使用者責任を全うするよう大阪市としての主体的な決着をはかること。

以 上

 「2024年賃金確定要求」については以上であるが、すでに各単組において年末一時金にかかる申し入れも行ってきており、本日以降、従来どおり市労連統一交渉を通じて解決をはかっていくことを申し上げておく。

 市労連は、3月15日に大阪市に対して「2024年統一賃金要求に関する申し入れ」を行うとともに、その具体化に向けて取り組みを進めてきたところである。

 9月27日、大阪市人事委員会は、月例給については、平均で11,631円、率にして2.92%の官民較差があることから、初任給及び若年層に重点を置きつつ全ての職員を対象に給料表の引き上げ改定を行うとし、一時金については0.10月分を引き上げ、年間4.60月分とする勧告を行った。給与水準が大きく引き下げられてきたことを踏まえると、本年の勧告結果は、当然のものとして受け止めている。

 今回の勧告内容は、組合員にとって大きな期待を持つものであり、市労連としては人事委員会より勧告された公民較差を踏まえ、給料表と一時金の早急な引き上げ改定と4月1日遡及分については年内精算を行うべきと認識している。

 人事委員会が第三者機関であることを踏まえ、労働基本権制約の代償措置である人事委員会の勧告内容を尊重し、その実施をはかるべきと認識するところであり、その上で、数点にわたって市側の考え方を示されたい。

 保育士及び幼稚園教員については、2015年に独自の給料表が策定され、給与水準が引き下げられた経過がある。保育士及び幼稚園教員の職務の重要性に鑑み、人材確保の観点から処遇改善の必要性、保育所及び幼稚園の運営への影響を考慮し、現行の保育士給料表及び幼稚園教育職給料表の改善を求めておく。

 人事評価制度については、一昨年に生涯賃金への影響を抑制する見直しがなされ、昨年には絶対評価点と相対評価区分の不整合が解消されるなど、一定改善がなされてきた。しかしながら、市労連としては、この間指摘しているとおり、相対評価そのものが公務に馴染む制度ではなく、相対評価の給与反映については即時廃止するよう求めるとともに、職員一人ひとりの能力の違いや各職場事情等を十分考慮したうえで、人材育成のための制度となるよう、引き続き検証・改善を求めておく。

 また、扶養手当について、大阪市人事委員会は、給与制度のアップデートの中で、国家公務員と同様に配偶者に係る手当を廃止するとともに、16歳から22歳の子を対象とした加算額も含めて、国家公務員と同水準とすることが適当としたうえで、子に係る手当を引き上げるとの認識が示されたところである。しかしながら、国とは異なる大都市で働く職員の家庭環境は多様なものとなっており、働くことが困難な配偶者とその家族にとって、配偶者手当は非常に切実な問題である。そうした事からも、安易に国の制度に追従することなく、大阪市として主体的な対応を強く求めておく。

 教職員における給与制度については、主務教諭の職の設置が行われたが、選考要件を満たさない場合、昇給停止になる可能性があることから制度の改善を強く求めておく。また、教員の初任給水準の引き上げに伴い、若年層の昇給幅が抑えられていることから、組合員の執務意欲の低下を招いている。一方で、再任用職員の給与については、定年引き上げに伴い、一部の級において大幅に低い水準となることから、給与制度を抜本的に見直すよう求めておく。さらに、教職員の長時間労働は、大きな社会問題となっている。「人材の確保」の観点から、多岐にわたる課題に対する精確かつ総合的な検証を求めておく。教職員の士気の高揚が子供たちの教育条件や教育環境の維持・向上につながることから、こうした状況を十分踏まえた制度の構築を要請しておく。

 給料表構造と昇給制度については、給与制度改革で最高号給が大幅に引き下げられたことにより、多くの組合員が昇給できずに、各級最高号給付近に留められており、近年、その数はさらに増加している。また、定年引き上げに伴い、今後も増加することが想定される。一昨年の確定交渉において、本年4月より号給を増設することとなったが、一時的な対策であり、組合員の執務意欲の向上につながるものとはなっていないことから、給与制度のみならず、55歳昇給停止の課題など、昇給・昇格条件等の改善を含めた人事・給与制度を早急に構築するよう求めておく。

 また、定年の引き上げに伴い、高齢層職員の雇用制度については、65歳まで安心して働き続けられる職場環境の整備をはじめ、多様で柔軟な働き方が可能となるような雇用施策の一層の充実を図るとともに、雇用と年金の接続までの給与水準の保障を前提とした給与制度となるよう求めておく。

 課長代理級の職務職責について、非管理職となったにもかかわらず、超過勤務命令の命令権者となっているなど、管理・監督者としての業務を担っていることは問題があるものと認識している。非管理職としての職務を明確にし、それに見合った給与制度とするよう求める。

 総労働時間の短縮については、コロナ禍以降、時間外勤務時間は減少傾向にあるものの、市労連としては、引き続き業務量に応じた適切な要員の確保がなされているとは言い難い状況と認識している。総務局として、恒常的に発生している長時間勤務の是正や賃金不払残業の発生防止に向けた適切な対応と、上限時間を超える長時間勤務を生じさせないよう必要な対応を求める。さらに、組合員の疲労回復・健康維持の観点から、勤務間インターバルの確保がはかられるよう必要な対応を求める。

 職業生活と家庭生活の両立支援については、休暇・休職制度等の取得状況を把握・検証し、職場環境の整備をはかるとともに、必要に応じて制度改善を行うよう求めておく。また、この間、育児職免の拡充やフレックスタイム制の導入など、多様で柔軟な働き方が可能となる制度改善がなされてきた。今後は、制度浸透のための効果的な取り組みを検討するとともに、育児短時間勤務や部分休業も含め、子の年齢に応じた柔軟な働き方を可能とするための措置の拡充など、出産・子育てにかかる制度全般の更なる改善求める。さらに、超高齢化社会の到来を見据え、介護も含め誰もが不安なく働くことができる職場環境づくりや制度改善を求める。

 最後に、団体交渉は、労使合意という、あたりまえの労使間ルールを市側が守らなければ解決はあり得ず、健全な労使関係の下で労使交渉が行われなければならない。組合員の執務意欲の向上と、その家族の生活実態を十分踏まえ、本日申し入れた要求内容に関し、大阪市としての主体的な努力と誠意ある対応の下で、労使交渉・合意がはかれるよう強く求めておく。

 その上で、今後、労使間で主体的に交渉を進めていくにあたって、市側の基本的な考え方を明らかにするよう求める。

市側 ただ今、賃金確定要求に関する申し入れをお受けしたところである。

 この件については、皆様方から、去る3月15日に「賃金要求に関する申し入れ」を、9月27日には本市人事委員会から「職員の給与に関する報告及び勧告」が行われたところである。また、年末手当については、この間、各単組からの申し入れがなされてきたところである。

 私ども公務員の人事、給与等の勤務条件については、制度の透明性を確保しつつ、市民に対する説明責任を十分に果たすことが求められている。

 いずれにしても、本日要求を受けたところであり、今後については、要求内容及び人事委員会からの勧告内容並びに国、他都市の状況等を慎重に検討し、精力的に交渉・協議のうえ、早急に回答をお示ししてまいりたいと考えているのでよろしくお願いする。

組合 ただ今、市労連の申し入れに対し、総務局長より「要求内容及び人事委員会からの勧告内容並びに国、他都市の状況等、慎重に検討し、精力的に交渉・協議のうえ、早急に回答する」との考え方が示された。

 これまでも、人事委員会勧告制度が労働基本権制約の代償措置としてある以上、その実施に向けては自主的・主体的に労使で交渉を重ね決着をはかってきたところである。繰り返しになるが、市労連として、賃金確定・年末一時金は、労使における自主的・主体的な交渉と合意がはかられることが重要であると認識しており、市側の一方的な思いだけでは、労使合意はあり得ないことを申し上げ、交渉期間の確保と市側の誠意ある対応を改めて求めておく。

以 上

 

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