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更新日:2020年12月17日

第3回大阪市人事委員会交渉

市人事委員会
月例給は公務が民間を若干上回る見込み
月例給の改定について検討
勧告時期は12月下旬
市労連
コロナ禍において市民の生活と生命を守るため、自らの不安を顧みず、職務に奮闘している組合員の努力を十分に受け止めた勧告を行うよう求める!

 市労連は、12月17(木)午後5時から大阪市人事委員会と現在の進捗状況や勧告の見通しなどに関し交渉を行った。

 人事委員会は、月例給について公務が民間を若干上回る見込みであるとの考えを示した。その他、保育士及び幼稚園教員の給与改定についての考え方、給与制度等に関する課題として給料表構造や、人事管理制度に関する課題として人材の確保及び育成、高齢層職員の活用、人事評価制度、社会動向に対応した仕事と家庭の両立支援等について言及する必要があるとした。最後に、勧告時期については12月下旬を予定していることが明らかにされた。

 市労連は、月例給について、民間が公務を若干下回る見込みであるとの考えが示されたが、コロナ禍にあっても、市政の発展と市民サービス向上のため、昼夜を問わず懸命に働く組合員の職責と努力を十分に受け止めた勧告を行うよう強く求めた。また、新型コロナウイルス感染症における感染者の増加に伴い、医療従事者への負担が一層大きくなっており、自身の感染はもとより、感染の媒介者になる不安の中、最前線で業務に従事している医療従事者に対して、医療職給料表の改定も含めた処遇改善を行うよう強く求めた。

市労連 市労連は9月16日に勧告に向けた民間賃金の調査期間中ではあるものの、人事委員会に対し、申し入れを行ってきたところである。その際、民間給与データの取り扱いや賃金センサスの活用などを指摘し、給料表構造と昇給制度について抜本的な見直しなどに言及するよう求めてきた。また、本年はコロナ禍の影響から勧告時期が大幅に遅れていることについては一定理解しているものの、交渉期間を確保するよう求めてきた。このような私たちの要求の主旨を受け止め、さらに、中立機関としての独立性を堅持しつつ、その職責を果たされるよう要請してきたところである。

 10月30日には人事委員会より一時金のみを先行して勧告が行われ、その内容は、0.05月分を期末手当より引き下げ、年間支給月数を4.45月分とするとの勧告であった。市労連として、引き下げの調整を期末手当で行うことについて、生活を補給するという性格を有する期末手当を改定すべきではないとの認識を示しつつ、さらに会計年度任用職員の処遇悪化につながるものであり不満の残る内容であった。

 地方公務員の給与決定は、言うまでもなく、地公法第24条第2項の主旨を踏まえた自治体の自己決定が尊重されるべきであり、労働基本権の代償機関である人事委員会として、その機能を一層果たされるよう要請するとともに、職員の生活実態を十分に考慮して作業を進め、私たち組合員の切実な要求に応えるよう最大限の努力を求めておく。

 その上で、前回申し入れ以降の作業の進捗状況、さらに「勧告」の見通し、本年の作業の進捗状況について、現時点での較差の傾向と具体的な勧告日を明らかにされたい。

行政委員会事務局 ただいま、お受けした申し入れについては、事前にお聞きしていた申し入れの内容を人事委員会に諮っている。本日は、その結果に基づき、回答をお求めの件について、本委員会の見解を申し述べる。

 作業の進捗状況については、この間、本市職員と民間企業従業員との双方の給与の実態及び人事院勧告の内容について、鋭意分析・検討を進めてきており、現在は、大詰めの段階を迎えている。民間給与実態調査を行った時点での厚生労働省の毎月勤労統計調査では、大阪で所定内給与は昨年より減少しているなど、全国と比較して厳しい労働経済状況も見られる。

 公民給与の状況についてであるが、月例給については、公務が民間を若干上回っていると見込んでいる。これら民間の情勢や給与勧告の意義等を総合的に勘案し、月例給の改定について検討している。なお、保育士及び幼稚園教員の給与水準については、民間との比較のみで改定の要否を判断することは適当ではないと考えており、諸般の状況を考慮し、改定の必要性について検討しているところである。

 給与制度は職員の勤務条件の中でも基本となるものであり、本委員会としても、職務給の原則や均衡の原則といった地方公務員法に定められた給与決定の諸原則の観点から研究検討を行い、公民比較の在り方等についても研究・検証している。これまでの研究・検証の結果、給与制度等に関する課題としては、公民比較の在り方や賃金構造基本統計調査の参考としての活用、民間給与データの取扱い、給料表の構造等について言及する必要があると考えている。また、人事管理制度に関する課題として、組織・人員体制の構築、人材の確保及び育成、高齢層職員の活用、人事評価制度、長時間勤務の是正、社会動向に対応した仕事と家庭の両立支援、職員の心の健康づくりの推進、ハラスメントの防止について言及する必要があると考えている。

 勧告時期については、12月下旬を予定している。

市労連 ただいま、人事委員会より、本年の公民較差の状況が示され、月例給については、民間が公務を若干下回る見込みであることが明らかにされた。こうした状況は、国内のみならず、全世界で猛威をふるう新型コロナウイルスの影響が多大にあることが推測される。また、こうした民間の状況を踏まえ「月例給の改定について検討している」とも述べられた。前回の交渉の際にも申し上げたが、本年の勧告については、コロナ禍にあっても、市政の発展と市民サービス向上のため、昼夜を問わず懸命に働く組合員の職責と努力を十分に受け止めた報告・勧告を行うべきであり、改めてそのことを強く求めておく。

 その上で、市労連として本日の交渉で、幾つかの点について指摘をしておく。保育士及び幼稚園教員の給与水準については、「民間との比較のみで改定の要否を判断することは適当でない」として、「改定の必要性について検討している」との内容が示された。待機児童解消に向けた動きがある一方で、保育士や幼稚園教員の処遇が低く人材不足が依然として解消されず、社会的問題となっている。職務の重要性から処遇確保の必要性、保育所及び幼稚園の運営への影響を考慮し、早急な給料表の水準回復を言及するよう求めておく。

 「公民比較の在り方等についても研究・検証している」とのことだが、民間給与データの取り扱いについては、一定条件において抽出したデータである以上、全てのデータを比較対象とするべきであることを市労連として再三指摘してきたところである。また、スミルノフ・グラブス検定を公民比較に用いることが、職員の給与水準の引き下げの要因になっていることも指摘をしてきた。公平で中立機関である人事委員会が、正確なデータに基づいた公民比較を行うという職責を果たす上でも、このような正確性を欠く手法を活用した比較を行わないよう改めて要請しておく。

 また、賃金構造基本統計調査の結果等についても、調査データのタイムラグや精度そのものに問題が多いことから、活用は認められないことを再度指摘しておく。

 給与制度等に関しては、現在の給料表が適用されて以降、昇給・昇格もできずに、各級最高号給に多くの組合員が位置付けられ、組合員のモチベーションが低下していることは明らかである。組合員の働き甲斐やモチベーションの向上をはかることは、市政運営においても重要であることから、給料表構造等の抜本的見直しと改善を行い、給与制度のみならず、55歳昇給停止の課題など、昇給・昇格を含めた人事・給与制度全体にかかる総合的な制度として確立できるよう、人事委員会として積極的かつ主体的な姿勢で取り組むことを強く求めておく。

 「人事評価制度」について言及する必要があると述べられたことから、昨年度に引き続き、相対評価における給与反映の見直しについて言及するよう求めておく。

 「長時間勤務の是正」について言及する必要があると述べられた。国においては、恒常的に長時間勤務がある職域には要員を確保する必要があると言及された。コロナ禍において、職員不足による長時間勤務が増加していることからも、それらを踏まえた人事委員会としての対応を求めておく。

 また、新型コロナウイルス感染症における感染者の増加に伴い、重症病床の使用率が急増していることから、医療従事者への負担が一層大きくなっている。また、離職の頻発により医療現場での人材不足も深刻化してきている。大阪市における保健師や看護師なども例外ではない。そのような中、自身の感染はもとより、感染の媒介者になる不安の中、最前線で業務に従事している医療従事者に対して、医療職給料表の改定も含めた処遇改善を強く求めておく。

 以上、本年の勧告を目前に控え、市労連としての考え方などについて率直に申し上げた。私たちを取り巻く環境が引き続き厳しいことは認識しているが、市政の発展と市民サービス向上のみならず、本年については、コロナ禍において市民の生活と生命を守るため、自らの不安を顧みず、職務に奮闘している職員の努力を十分に受け止めた勧告を行うよう重ねて要請しておく。

行政委員会事務局 本委員会は、給与報告・勧告を行うにあたっては、これまでも、地方公務員法に基づき、民間給与の実態を精確に把握するとともに、国・他都市の動向等を踏まえ、中立的な第三者機関としての役割を果たしてきている。

 本日お聞きした内容等については、人事委員会に報告させていただく。

以 上

 

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