更新日:2017年11月21日
退職手当制度の改定について第1回団体交渉
市労連は、11月20日(月)午後3時より三役・常任合同会議、午後5時から闘争委員会を開催し、退職手当制度の見直し問題についての市側対応と、今後の交渉・協議の進め方などについて協議を行い、午後5時45分から開始された、2017年賃金確定・年末一時金闘争第2回団体交渉終了後、引き続き団体交渉に応じ「退職手当制度の改定について」の提案を市側から受けた。
団体交渉で市側から、11月17日の国における閣議決定を踏まえ、最高支給率を47.709とし、また、実施時期を2018年1月1日とするなど、国と同様の見直し内容が示された。
市労連は、ラスパイレス比較において、大阪市は政令市の中でも最低なことから、国に準じた安易な見直しは行わないよう、この間、市側に申し入れているにもかかわらず、国と同様の内容で提案してきた市側姿勢は理解できないことを指摘してきた。特に、実施時期については、交渉期間が十分保障されていないことから、市側認識を改めて追及した。
市側からは、今後、丁寧な説明と誠実な対応に努めることが示されたことから、十分な労使協議における決着が必要不可欠であることを指摘し、団体交渉を終了した。
市側 退職手当制度の改定に関して交渉を行いたい。
国においては、11月17日の閣議決定により、人事院による民間実態調査の結果を踏まえて、その較差▲78.1万円を解消するため、平成30年1月1日から退職手当を引き下げることとされた。また、同日、地方に対しても「閣議決定の趣旨に沿って、適切に対処されるよう」要請があったところである。
これらを踏まえて次のとおり提案したいのでよろしくお願いする。
提案文手交
改定の内容についてであるが、本市の退職手当制度については、基本的に国と同様の内容としていることから、支給率について、国と同様に最高支給率を1.881引き下げ47.709とすることとし、実施時期についても国と同様に平成30年1月1日としたいと考えている。
内容や実施時期を踏まえると、非常に厳しい提案であることは十分承知しており、皆様方にご判断をお願いすることは大変申し訳なく思っている。
しかしながら、国においても異例のスケジュールで調整を進められており、11月17日の閣議決定を受け、市側方針を提案するとなると、本日がぎりぎりの日程となったところである。
今後、実施時期を考慮しつつも、合意に向けて誠実に対応してまいるので、なにとぞご理解をいただきたい。
組合 ただいま、市側より退職手当の見直しについて提案を受けたところである。
今回の退職手当の見直しについては、国の閣議決定が大幅に遅れ、11月17日の閣議決定を踏まえ、総務省から各自治体に対して同様の措置を取るよう要請されていることから今回の提案に至っているが、率直に申し上げて到底納得できるものではない。
大阪市では、独自の給与カットを9年間も継続して実施している。これにより、この間の組合員への負担は相当なものとなっており、年金支給開始の延伸なども踏まえると、組合員の退職後の生活については、不安が募るばかりである。また、ラスパイレス比較においても政令市の中では、最低のものとなっていることから、国に準じた安易な見直しは行わないよう市労連として再三申し入れているが、市側は大阪市としての考え方を示さず、今回の交渉において国と同様の内容として実施すると提案している。とくに、国が進めているスケジュールが異例であると市側が認識しているにもかかわらず、本日時点の提案でありながら、実施時期を国と同様とする市側の姿勢は理解できない。
退職手当は、勤続報償的性格のみならず、生活保障の要素がむしろ中心であり、雇用と年金の接続にも課題がある中、退職後の生活設計を配慮した対応が必要である。
この間の交渉において、退職手当制度は賃金労働条件の一環であり、その制度の見直しについては交渉事項であることを確認している。実施時期が2018年1月1日とすれば、交渉期間が充分に保証されているとは言い難い。
市側として、労使合意に向けた誠実な交渉を行う考えを持っているのか、市側の認識を改めて聞かせていただきたい。
市側 ご指摘のとおり交渉期間がタイトであることは認識しており、先に申し上げた国の状況等があったとしても、この時期の提案となってしまったことについては大変申し訳なく思う。
しかしながら、今回の提案内容は、民間実態調査結果を踏まえたものであることから、実施時期についても国と同様に行うことが求められている。
本日のところは、私どもから提案をさせていただいたところであり、今後、丁寧な説明に努め、誠実に対応してまいりたいので、なにとぞご理解を賜るよう重ねてお願いいたしたい。
組合 市側からは、同様の内容が繰り返されるばかりである。
退職手当制度の見直しは、組合員の退職後の生活や仕事に対するモチベーションの低下を招くことへの懸念など、組合員に与える影響は非常に大きいものと考える。
交渉期間がタイトとなる原因は、あくまでも国の状況を踏まえた市側の一方的な考え方によるものであり、われわれとしては到底納得できるものではないと再度申し上げておく。
市側として、ただ単に国の実施時期を前提にするものではなく、十分な労使協議を行った上での労使決着をめざす姿勢が必要であることを改めて指摘しておく。
われわれとして、十分な議論期間の保証と十分な労使協議が必要であること、また、市側として、丁寧な説明に努め、労使合意に向けて、市として主体性を持って誠実に対応することを強く要請して、本日の交渉を終了する。
退職手当制度の改定について(提案)
国においては、人事院による平成27年度民間企業退職金実態調査の結果を踏まえ、退職給付水準の官民較差(781千円(3.08%)公務が上回る))を解消するため、平成30年1月1日より退職手当の支給水準を引き下げることとしたところである。
また、11月17日には、地方公務員の給与改定等に関する取扱いとして「閣議決定の趣旨に沿って、適切に対処されるよう」総務副大臣から要請があったところである。
本市退職手当制度については、均衡の原則に基づき国と同様の支給水準としていることから、以下のとおり国に準じた改定を提案する。
1 支給率の改定
基本額に係る支給率を引き下げる。
最高支給率 |
|
現 行 |
49.590 |
改定後 |
47.709 |
差 引 |
▲1.881 |
詳細は、別紙のとおり。
2 実施日
平成30年1月1日