更新日:2007年7月2日
「第十三期市労連委員長杯争奪」の挑戦者を決めるにあたり、昨年6月17日(土)に市労連文化祭・第36回囲碁・将棋大会を参加者46人のもと開催してきました。囲碁の部からはA級優勝者の野田純雄さん(市従)が、将棋の部からはA級優勝者の辻本晃さん(大交)がそれぞれ決定され、第十二期暫定囲碁名人の芦田文雄さん(市職)及び第十二期将棋名人の山本伸一郎さん(市従)と、2007年6月16日(土)研修センターにて対局が行われました。
第13期囲碁名人 野田さん(市従)
第13期将棋名人 山本さん(市従)
対局に先立ち、三戸文化祭実行委員長(水労委員長)のあいさつで開会式が行われ、立会人からルール説明がありました。なお、囲碁の立会人には、梶本雄史さん(市従)、金澤久夫さん(水労)、本郷義幸さん(水労)が、また、将棋では柿木良夫さん(市従)、河西雅之さん(大交)、平井誠一さん(市従)のもと行われました。
それぞれ緊迫した熱戦の末、囲碁では野田純雄さん(市従)が新たに第十三期名人に、将棋では山本伸一郎さん(市従)が防衛をはたし、第十三期名人に輝きました。
対局終了後、表彰式が行われ、三戸文化祭実行委員長(水労委員長)から各名人に市労連委員長杯及び記念品が贈られ、また、惜しくも敗れた芦田文雄さん(市職)、辻本晃さん(大交)に敢闘賞が贈られました。
● 名 人 芦田 文雄
○ 挑戦者 野田 純雄 先番6目半コミ出し
審判団 梶本 雄史・金澤 久夫・本郷 義幸
【第1譜】
・黒5の大ゲイマカカリに白6の三間にハサミと戦いが始まった。黒17まで名人の実利に、挑戦者は先手を取り白18の一間高ガカリ、ここまでは名人の実利に対し、挑戦者は厚みと足早な序盤の展開で、両者ともおそらく持ち前の棋風であろうか。
・黒23から白模様を軽く消しにかかったが黒25のケイマに対し、勢い白26から出ぎって戦いの第2弾である。(黒23からの数手はいろいろ変化のあるところ)
・名人は黒43で白模様の中で活き、挑戦者はまたも先手で白44と小目の黒に、外付けから定石が進む、黒53のとき白54一間トビが手厚い一手で、黒模様を制限し遠く黒23・25の二子をにらみ野田挑戦者の石音が響く。
・芦田名人も黒55と残された最後の一隅で、白をハサミ戦いを仕掛ける。(黒57以下の変化次第では、大きく勝敗にかかわってくるところである)
【第2譜】
・白68まで双方とも中央へ一間トビが二つづつ飛びあい、黒71とケイマに掛けて白に攻めかけるが、黒105の出から黒111と切るも芦田名人の読み違いか、白112で逆に黒二子が取られてしまい、白番野田挑戦者が打ちやすくなる。
・黒117から白模様に働きかけたとき、白118から黒125の受けとなり、黒変調で黒地が小さく制限され、このあたりでは地合いでも白番が優勢になる。
・しかし、芦田名人が勝負手を放ち(黒137のノゾキから白138気合の出、白140から縺れてきた)優勢を意識したか、今度は、白番野田挑戦者の変調がつづき、白の大石をめぐる攻防が続く。
・黒171と白の大石の目を奪い巻き返しを図るが、あと一歩のところで、白が黒の薄みをつき、うまく凌ぐことに成功し勝負が決まった。
観戦記:梶本 雄史
第13期市労連委員長杯争奪名人戦が6月16日(土)晴天の中、午後3時より研修センターで開催された。
芦田文雄名人が握り、野田純雄挑戦者が白番と決まる。コミは6目半、審判団の合図でいよいよ開始である。名人の打ち下ろされた第1着小目に対し、挑戦者は石音高く星打ちで対抗、熱戦が繰りひろげられ、挑戦者の野田さんが名人位に輝いた。
審判団 柿木 良夫・河西 雅之・平井 誠一
観戦記:河西 雅之
2007年6月16日(土)、水道局研修センターにおいて市労連第13期名人戦が行われ、将棋は名人の山本伸一郎さんに辻本晃さんが挑戦されることになりました。
辻本さんは、振り飛車党で最近は四間飛車の他に三間、向かい飛車と多様に指しこなされているので、居飛車党の山本名人とどのような戦形になるか興味がありました。
振り駒の結果、辻本さんが先手となり、15時に初手7六歩で開始となりました。序盤は名人の意表をつく辻本さんの石田流模様で名人も少考の連続となり、持ち時間の差も大きくなっていました。また、名人も穴熊に組み変えたものの手詰まり模様となり、作戦負けの気配もしていました。
業を煮やして名人が△4四歩と歩交換を行うべく突き出し、お互い銀を上がりあったところ(第1図)で、辻本さんに痛恨のミスが出てしまいました。▲6五歩のところでは、強く▲5五歩と突き出し、△4三銀と引かせれば利かしであり、△4五歩と刺し違えに来ても▲同桂と跳ね出せば、互角以上の分かれではないかと思います。辻本さんも局後「銀交換になりそうなので、飛車を楽にしたかったのが裏目に出た。」と悔しがっておられました。本譜は以下△4四歩と銀を殺され、桂損が確定したところで、玉形の差もあり勝敗はほぼ決してしまいました。以下については、名人の緩みない寄せの前に辻本さん最後の猛追も及ばず無念の投了(投了図)になってしまいました。
最後に、すばらしい勝負を演じて下さった山本さん、辻本さん、審判員としてご一緒した柿木さん、平井さん、この大会のお世話をいただいた実行委員の皆さま、この拙い観戦記をご覧いただいている愛棋家の皆さまにお礼を申し上げて終了させていただきます。ありがとうございました。
以上