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更新日:2013年9月17日

大阪市人事委員会交渉

【市人事委員会】
月例給は公務が民間を上回る非常に厳しい状況
一時金については概ね均衡していると予想
保育士や技能職員の給与水準にも言及

【市労連】
減額措置に対して、毅然とした態度で中止勧告を行うよう求める!
給与データの活用方法は、従前の手法に改めるよう強く求める。

 市労連は、9月13日(金)午後2時から三役・常任合同会議を開催し、9月4日に行った大阪市人事委員会への申し入れ以降の対応などについて協議し、同日午後4時30分から大阪市人事委員会委員長以下と、現在の進捗状況と勧告の見通しなどに関し交渉を行った。

 交渉の中で、人事委員会から大阪の経済状況は全国より厳しい状況にあるとの説明があり、月例給は引き下げ改定が必要と見込まれることや、一時金は概ね均衡していること、加えて、保育士や技能職員の給与水準についても言及した上で、勧告後、早急に結論得るべく努力していることが表明された。

 市労連は、一方的な給与制度の改定による大幅な給与水準の引き下げの実態を十分に勘案し、住居手当も含め慎重かつ適切に取り扱うよう求めるとともに、職員・組合員が働き甲斐を保ち続けることができる制度確立や、定年後も安心して働き続けることができる雇用環境の整備に最大限の努力をすることなどを要請した。

 また、民間給与実態調査での給与データのうち5%(上下2.5%)を公民比較の対象から除外することを本年の勧告から適用することなく、直ちに従前の手法に改めることを強く求めるとともに、保育士や技能職員の給与について、条例に縛られることなく、他都市等の状況も把握した上で、適切かつ慎重に対処されるよう求めた。

 最後に人事委員会から、勧告時期については9月第3週を予定していることが表明された。

組合 市労連は8月8日に人事院報告が行われたのを受けて、大阪市給与勧告の集約段階を迎えている貴人事委員会に対して、9月4日に「私たちの要求の主旨を受け止め、さらに、中立機関としての独立性を堅持しつつその職責をはたされるよう」要請してきたところである。

 また、大都市協においても、8月20日に、大人連の事務局長会議に、8月22日には、大都市人事主管者会議に対して申し入れを行うなど活発な取り組みが続けられている。

 この間の交渉でも再三再四指摘してきたように、大阪市では2009年度から財政悪化を理由に給料カットが実施され、特に、昨年4月からは、平均7.2%もの大幅な給料カットに加え、昨年8月の給与制度改革や、持ち家にかかる住居手当の廃止が強行されたことで、給与水準は引き下げられ、組合員の生活は非常に厳しい実態にある。こうした大幅な給与削減により、私たちの賃金が民間水準以下に抑制されている事実を、人事委員会として追認するのではなく、是正するよう指導すべきであると、幾度となく、私たちの考えを申し上げてきた。人事委員会勧告制度の外で実施されている減額措置に対しては、人事委員会として本来あるべき立場を踏まえ、毅然とした態度で中止勧告を行うよう、改めて求めておく。

 言うまでもなく、地方公務員の給与決定は、地公法第24条第3項の主旨を踏まえた自治体の自己決定が尊重されるべきであり、労働基本権の代償機関である人事委員会として、その機能を一層果たされるよう要請するとともに、職員の生活実態を十分考慮して作業をすすめ、私たち組合員の切実な要求に応えるよう最大限の努力を求めておく。

 その上で、前回申し入れ以降の作業の進捗状況、さらに「勧告」の見通し、本年の作業の進捗状況について、現時点での較差や一時金の傾向を明らかにされたい。

人事委員会 作業の進捗状況については、この間、本市職員と民間企業従業員との双方の給与の実態及び人事院勧告の内容等について、鋭意分析・検討を進めてまいったところであり、現在は、大詰めの段階を迎えている。

 民間給与実態調査を行った時点での厚生労働省の毎月勤労統計調査では、全国及び大阪ともに民間事業所の所定内給与が昨年より減少しているが、大阪の減少率は全国より大きくなっている。また、完全失業率についても大阪は依然として全国に比べ高水準で推移している。

 このように、大阪の経済状況については、全国より厳しい状況がみられたところである。

 公民較差及び一時金の傾向については、月例給は、昨年の本委員会の勧告に基づく給与改定が実施されていないことや、大阪の厳しい経済状況等が反映され、公務が民間を大きく上回る非常に厳しいものとなる見込みである。一時金等の特別給については、年間の支給月数としては、公務と民間は概ね均衡していると見込んでいる。

 勧告の見通しとしては、これら民間の情勢や給与勧告の意義等を総合的に勘案したところ、職員給与を民間給与と均衡した水準とするには、月例給の引下げ改定が必要と見込まれる。給与制度は職員の勤務条件の中でも基本となるものであり、本委員会としても、職務給の原則や均衡の原則といった地方公務員法に定められた給与決定の諸原則の観点から研究検討を行い、また、公民比較のあり方や賃金構造基本統計調査の結果等についても研究・検証してきたところであり、人事委員会の機能発揮・説明責任の観点から、改定内容について具体的に言及する必要があると考えている。

 本年の給与改定については、公民較差の状況等を勘案し、給料表の引下げ改定について言及することを考えている。

 給与制度等に関する課題等として、給料表の最高号給が適用される多数の職員の執務意欲の確保の必要性について言及することを考えている。また、昨年、人事院が勧告した55歳を超える職員の昇給・昇格制度の見直しについては、本市では昨年8月に給料表構造の改正がなされていることや民間の傾向等も考慮の上、検討していく必要があると考えている。その他、住居手当に関する研究検討、公民比較方法等の更なる検討の必要性について言及することを考えている。

 また、高齢期における職員の活用として、再任用に関する課題等について言及することを考えている。その他、多様かつ有為な人材の確保、相対評価による人事評価の検証と適切な評価結果の反映、自律的な人材の育成、超過勤務の縮減、両立支援の推進、職員の心の健康の保持、病気休暇・休職制度などについても言及することを考えている。

 なお、保育士、幼稚園教諭及び技能労務職の給与水準についても研究・検討していく必要があると考えており、通常の給与報告・勧告実施後、早急に結論を得るべく努めているところである。

組合 ただ今人事委員会から、本年の較差について、とりわけ月例給については、「公務が民間を大きく上回る非常に厳しいものとなる」との認識と、「月例給の引き下げ改定が必要と見込まれる」との考えが示されたが、この間の給与カットの継続や、大幅な給与水準引き下げにより、実体給与は民間を大きく下回っていると認識しており市労連として、到底受け入れられないことをこの場で表明しておく。

 先日の申し入れの際にも申し上げたが、先の対市団体交渉において、期末・勤勉手当の一律9.77%カットについて、再三再四、市側に再考を求めたにもかかわらず、結果としてわれわれとの労使合意に至っていない状況で9月議会に上程されようとしている。この削減が実施されると、現行の独自カットを含め、さらなる給与水準が引き下げられることとなり、人事委員会制度を否定することに繋がり、看過できない事態であると認識している。人事委員会としても一刻も早くその水準是正を行うべきである。また、昨年8月から実施された大幅な給与水準の切り下げにより、各級の最高号給が大幅に引き下げられている実態を十分に勘案し、住居手当も含め慎重かつ適切に取り扱い、勧告するよう要請する。

 給与制度等に関する課題に関して、労使合意なき給与水準の引き下げにより各級の最高号給が大幅にカットされ、多くの組合員が最高号給の適用を受けることとなることについて、「多数の職員の執務意欲の確保の必要性について言及」とあったが、給与制度のみならず人事・給与制度全体にかかわる課題であるだけに、職員・組合員が働き甲斐を保ち続けることができる制度として確立させるため、貴人事委員会として積極的な姿勢で取り組むことを要請しておく。また、昨年人事院が勧告した55歳を超える職員の昇給・昇格制度の見直しについて「昨年8月の給料表構造の改正」「民間の傾向も考慮の上、検討していく必要」と言及されたが、大阪市においては、昨年8月の給与制度改革により、多くの組合員が、最高号給に到達しており、国の状況と大きく違っている。そうした大阪市の実情を踏まえ、昇給に至る人事・給与制度全般をつぶさに検証し、主体性をもった対応するよう強く求めておく。

 さらに民間給与実態調査での給与データのうち5%(上下2.5%ずつ)を公民比較の対象から除外することを本年4月に公表し、本年の勧告から適用しようとしているが、国・他都市でもこのような手法はなく、意図的に給与水準の引き下げを行うものと言っても過言ではない。敢えて指摘するが、人事委員会が労働基本権制約の代償機関としてあり、専門的・中立的立場であることを踏まえるならば、あらゆる外圧にも決して翻弄されてはならないのは言うまでもない。大都市における精確な官民給与比較と、大阪市に働く組合員の生活実態を踏まえた報告・勧告を行うよう要請するとともに、調査データの活用方法について、直ちに従前の手法に改めるよう強く求めておく。

 高齢期職員の雇用確保・再任用に関する課題については、人事院として、本年3月26日の政府の閣議決定について「当面の措置として、やむを得ない」としつつ、年金支給開始年齢が62歳に引き上げられる2016年度までは、「段階的な定年の引き上げも含め再検討がなされる必要がある」と定年引き上げの検討を求めている。また、再任用者の給与制度について、官民の状況が明確に把握できないことを理由に具体的な措置の提案が見送られた。市労連として、言うまでもなく、公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢引き上げ時期を間近に控え、雇用と年金の接続は官民共通の避けて通れない重要な課題であり、貴人事委員会の姿勢と対応は、私たちの60歳以降の働き方に大きく影響することとなることから、給与水準も含め定年後も安心して働き続けることができる雇用環境の整備に向け、最大限の努力を要請しておく。

 さらに、前回の交渉でも要請したが、保育士や技能労務職の給与については、これまでの経緯を踏まえ慎重な対応に努められるよう要請しておく。最後に、「賃金構造基本統計調査の活用方法」についても触れられたが、1年遅れの公表であることや同種同等の原則による比較ができない等、当該調査データの精度そのものについて疑問視されており、賃金構造基本統計調査を活用すること自体に問題があると認識している。条例に縛られることなく、また、他都市等の状況も把握した上で、適切かつ慎重に対処されるよう要請する。

 以上、本年の勧告を目前に控え、市労連としての考え方などについて率直に申し上げた。私たちを取り巻く環境が引き続き厳しいことは認識しているが、組合員の思いを十分に受け止めた勧告を行うよう重ねて要請しておく。

 その上で、本年の具体的な勧告日についてお聞かせいただきたい。

人事委員会 本年の給与報告・勧告については、研究・分析を進め、作業の最終段階に入っているところであるが、先ほど申し述べたように月例給について公務が民間を上回る非常に厳しい状況になると見込まれるところである。

 また、先ほど指摘を受けた民間給与実態調査で収集した民間給与データのうち、給与額の上下2.5%ずつ、合わせて5%のデータを公民比較の対象から除外する取扱いは、極端な額の民間給与データについて、本市職員給与と比較する基礎資料から除外することが、職員給与水準に対する市民の信頼を得るためには必要であると判断したことによるものであることを申し添える。

 いずれにしても、本日お聞きした内容等については、他の委員にも報告する。

 最後に勧告時期については、9月第3週を予定している。

組合 人事委員会より、上下合わせて5%のデータを除外することについて市民の信頼を得るためには必要と言われたが、一律に上下2.5%とする根拠も明らかにされておらず率直に言って理解しがたい。中立機関としての立場を十二分に踏まえつつ、われわれの要請を受け止め、慎重な対応をはかるよう求めておく。

 

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