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更新日:2013年8月22日

大都市協が大人連事務局長会議に申し入れ

勧告にあたり、人事院勧告に追随することなく、要求実現に向けた最大限の努力を要請!

 8月20日(火)、大都市労連連絡協議会(大都市協)は静岡市で代表者会議を開催し、大都市人事委員会連絡協議会(大人連)事務局長会議への「申し入れ事項」などについて協議した。

 その後、当地で開催中の大人連事務局長会議に対し、以下の「申し入れ」を行った。

2013年8月20日

大都市人事委員会連絡協議会
事務局長会議 様

大都市労連連絡協議会

申し入れ書

 日頃から、大都市職員の賃金・労働条件改善に尽力されている貴職に対して敬意を表します。

 政府による地方公務員給与削減の事実上の強制により、多くの地方自治体で給与削減措置の実施を決断せざるを得ない状況となっています。これらは、地方公務員の給与決定制度の根幹を揺るがす行為であることは言うまでもありません。人事委員会においては、労働基本権制約の代償措置としての使命と責任を踏まえ、毅然とした姿勢と対応を強く求めるものです。

 さて、人事院は、8月8日、2013年度の国家公務員給与等に関する報告を行いました。その主な内容は、月例給及び一時金を据え置きとする一方、給与制度の総合的見直しの検討を進めるとしています。この、給与制度の総合的見直し検討の報告は、地域や高齢層の職員に痛みを伴った給与構造改革完了後2年を経過したにすぎず拙速であり憤りを禁じ得ません。地域間較差について、新たな比較方法を持ち出し較差拡大につながる手法や、併せて、世代間配分のあり方について、50歳代後半層の給与水準のさらなる抑制の検討など、極めて恣意的であり容認できないものとなっています。また、再任用職員の給与制度について、官民の状況が明確に把握できないことを理由に具体的な措置の提案が見送られたことは極めて遺憾であると言わざるを得ません。

 貴職におかれましては、今後、勧告作業が本格化を迎えることになりますが、こうした人事院勧告に追随することなく、大都市で働く職員が、日夜、住民サービスに懸命な努力を続けていることを十分に踏まえ、人事委員会としての役割と責任を認識され、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われるよう要請いたします。

  1. 勧告にあたっては、政府・総務省の不当な干渉を排除し、人事委員会の主体性を発揮するとともに、地方自治を守り、中立機関としての独立性を堅持すること。
    また、小規模企業調査の結果を勧告に反映しないこと。
  2. 人事委員会が、地方公務員の労働基本権を一部制約した代償措置として設置されている趣旨を踏まえ、不利益不遡及の原則を守り、労使合意事項、労使交渉の経過及び組合の意見を十分に尊重すること。
  3. 勧告にあたっては、民間給与との較差是正のみでなく、大都市における職員の生活実態、特に、住居費をはじめとして諸物価高騰など、生活費の負担増などの実情を踏まえ、生活水準の維持・向上を図る内容とすること。
    また、高齢層の賃金抑制を行わず、給与カーブを是正すること。
  4. 給与制度については、人事院勧告や国の動向に追随するような勧告及び報告を行わないこと。
  5. 特別給(一時金)については、比較方法を改め、公民同一基準により精確な月数算定を行い改善すること。また、勤勉手当の運用における成績率の強化、拡大は行わないこと。
  6. 地域手当については、本給繰り入れを基本に改善を図ること。
  7. 住居手当については、大都市で働く職員の住宅事情や勤務の困難性を十分に踏まえ、抜本的な改善を図ること。
  8. 通勤手当については、全額実費支給とし、特に交通用具利用者に対する手当を改善すること。併せて、全額非課税となるよう関係機関に働きかけること。
  9. 高齢期雇用制度については、雇用と年金の確実な接続を図るため、希望する者の全員雇用を保証するとともに、無年金期間を踏まえ、再任用フルタイムの運用にあたっては、給料水準の引き上げと期末手当支給月数、諸手当(扶養手当・住居手当・特殊勤務手当等)の支給について、正規職員と同様とした、給与水準を確保すること。
  10. 年間総労働時間1800時間を達成するための具体的なプログラムを明示すること。当面、週労働時間を37時間30分、日労働時間を7時間30分とし、実効ある諸条件の整備、超過勤務縮減の具体策を講じること。
  11. 女性の労働権確立、男女共同参画促進の実現に向けて必要な施策の確立を図ること。
    また、「次世代育成支援対策推進法」の「行動計画」の着実な実現に向けて必要な対応を行うこと。
  12. セクシャルハラスメント、パワーハラスメントに対する実効ある防止対策を推進するため積極的かつ具体的な対応を行うこと。
  13. 公務員制度改革について、政府や人事院に追随することなく、労働基本権制約を解消し、自律的労使関係制度の実現を図ること。
  14. 十分な労使協議期間を確保するよう早期の勧告に努力すること。

以上

大人連事務局長会議  本日は慣例により、当番都市である静岡市が、大人連を代表してお答えする。

 ただいまの申し入れについては、大人連として確かに承った。

 先般行われた人事院の報告においては、月例給、特別給ともに改定は行わないとし、また、給与制度についても改定の勧告は行われなかった。

 現在、各人事委員会においては、民間給与の実態を精確に職員給与に反映させるよう、最終的な作業を進めているところである。

 本日、皆様から申し入れのあった、小規模企業調査の取扱い、特別給、地域手当、住居手当、高齢期雇用制度の充実、年間総労働時間の短縮、男女共同参画の促進、公務員制度改革への対応、セクシャルハラスメント及びパワーハラスメントに対する防止策などについては、民間や国の動向に留意しつつ、各人事委員会がそれぞれの団体の事情等を踏まえ、検討してまいりたいと考えている。

 人事委員会は、従来から、地方公務員法の趣旨に則り、中立かつ公正な第三者機関として、自主的な判断に基づき、適正な勧告を行ってきた。

 本年の公務員の給与を取り巻く環境は、近年にも増して一段と厳しいものがあるが、引き続き、従来からの立場を堅持していく所存である。

以上

 

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