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更新日:2019年10月15日

2019年賃金確定・年末一時金闘争第1回対市団体交渉

2019年賃金確定要求を申し入れ
給料表の早急な引き上げ改定と年内清算の実施を求める

 市労連は、10月10日(木)午後5時から三役・常任合同会議を開催し、2019年の「賃金確定・年末一時金」問題を協議するとともに、10月11日(金)午後5時より、2019年賃金確定・年末一時金の第1回対市団体交渉を行った。

 団体交渉で市労連は「2019年賃金確定要求」を申し入れ、本年の人事委員会勧告では、月例給・一時金ともに引き上げ改定がされていることから、早急な引き上げ改定と年内清算を求めた。また、組合員の勤務意欲の向上につながるよう、昇給・昇格改善を含めた総合的な人事・給与制度の早急な構築や、災害発生時における勤怠・労働条件の整理・改善などを求めた。

 また、確定とは別の課題である、技能労務職員給与の見直しについて、技能職員の給与の削減ありきの提案は決して許されることではないことを質し、誠実な交渉を行うよう求めた。

 その上で、「団体交渉は、労使合意という、あたりまえの労使間ルールを市側が守らなければ解決はあり得ない」など、市労連として確定闘争に臨む基本姿勢を表明し、労使間で主体的に交渉を進めていくにあたっての市側の考え方を明らかにするよう求めた。

 市側は、「要求内容及び人事委員会からの勧告内容並びに国、他都市の状況等、慎重に検討し、精力的に交渉・協議のうえ、早急に回答する」との考えを明らかにした。

 市労連は、市側の一方的な思いだけでは労使合意はあり得ず、市側の誠意ある対応を改めて求め、団体交渉を終了した。

組合 2019年賃金確定並びに年末一時金にかかる交渉をはじめさせていただく。

 市労連は、10月10日に開催した市労連定期大会において「2019年賃金確定要求」を確認したので先ず冒頭に申し入れる。

2019年賃金確定要求書手交

 

 詳細については、書記長より説明させていただく。

2019年10月10日

大阪市長 松井 一郎 様

大阪市労働組合連合会
執行委員長 金子 俊雄

2019年賃金確定要求

 賃金決定基準の改善等の具体要求項目について、大都市事情を反映した制度改善をはかること。また、保育士及び幼稚園教員の給与水準を回復させるとともに、技能職員給与の改悪・引き下げを行わないこと。

 給与制度改革による給与水準低下を回復させた上で、組合員の勤務意欲の向上につながるよう、労使合意の下に総合的な人事・給与制度を構築すること。

 給与構造改革による未解決課題に対し、必要な改善措置に取り組むこと。

1.給料表

 給料表については、国・他都市の較差を踏まえつつ、大都市事情を十分考慮して検討すること。給与改定については、人事委員会の勧告に基づいた取り扱いを基本とすること。とりわけ、給与制度改革において給料表の制度改悪が行われていることから、職員構成の実態を踏まえ、早期に水準の回復をはかること。

2.諸手当

 諸手当については、国・他都市の動向、民間支給状況を見極めつつ、大都市事情を考慮して検討すること。住居手当については、労使合意を前提に持家にかかる手当の回復及び、制度の維持・改善をはかること。また、扶養手当については、現行水準を維持すること。通勤手当について改善をはかるとともに、災害時における交通費の自費負担を解消すること。地域手当については、現行の支給水準を維持するとともに、本給繰り入れを基本に支給率の改善をはかること。手当の改廃については、職務の実績を鑑み、慎重かつ適切に対応すること。

3.初任給基準(中途採用者を含む)については、大都市事情を十分踏まえ検討を行うこと。

4.格付・昇格・昇給基準

(1) 格付基準(臨時期間・前歴の格付基準を含む)の改善・充実をはかること。

(2) 休職者等の昇給抑制者に対する復職時調整の改善をはかること。

(3) 昇格枠とりわけ行政職3級昇格枠の拡大をはかるとともに、専門職については、専門性に応じた昇格制度に改善すること。

(4) 技能労務職2級昇格条件の改善をはかること。

(5) 行政職4級への格付について改善をはかること。

(6)55歳昇給停止を廃止すること。

5.専門職の給料表については、他都市・人事院勧告の較差水準を踏まえつつ、大都市事情を考慮して検討すること。特に、看護師については人材確保の観点から検討すること。また、福祉職給料表については国・他都市の動向を注視しつつ、慎重に調査・研究を行うこと。

6.技能労務職給料表については、他都市と比較して給与水準が低いことから改善をはかること。

7.保育士については、給与水準の回復とともに昇格枠の拡大をはかること。

8.教職員の給料表及び勤務労働条件については「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」や「学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法」を鑑み、「情勢適用の原則」「均衡の原則」に基づいた水準の適用と、学校現場の実態に即した制度を構築すること。

9.課長代理級については、その職務職責に見合う給与制度とすること。

10.職員が不安なく職務に専念できるよう、総合的な人事・給与制度を早急に構築すること。

11.一時金の支給方法の改善をはかること。

12.人事評価制度については、公平・公正性、透明性、客観性、納得性を確保し、組合員の十分な理解の下に人材育成のための制度となるよう検証・改善を行うこと。

13.「職員基本条例」に基づく相対評価による給与反映は即時廃止すること。また、人事評価結果の昇給制度への活用は、給与制度改革の実施に伴い、評価結果が昇給に反映されない組合員が多数存在することも踏まえ、慎重に検討を行い十分な交渉・合意により改善をはかること。

14.職員基本条例に基づく分限処分は行わないこと。

15.業務上交通事故に対する失職を防止するための特例を定めるなど、分限にかかる基準を見直すこと。

16.夜間勤務手当及び超過勤務手当(深夜超勤を含む)の支給率の改善をはかること。

17.勤務時間については、ワーク・ライフ・バランスの重要性を踏まえ、労使合意を前提に年間総労働時間の短縮に取り組むこと。

18.その他

(1) 職員の福利厚生については、制度設立の意義を踏まえるとともに、地方公務員法42条の使用者責任(義務)に基づいて、労使で十分な意見交換・協議を行いながら、「安心して働き続けることのできる制度の確立」「組合員の働き甲斐」につながる福利厚生制度の確立・充実をはかること。

(2) 休職者の生活保障の観点から支給内容などの改善をはかるとともに、傷病手当金附加金廃止の代替措置を講じること。

(3) 近年の休職者の実態を踏まえ、「大阪市職員心の健康づくり計画」を十分に踏まえたメンタルヘルス対策の一層の充実をはかること。特に、心の健康の保持・増進の観点から職場における勤務環境の改善をはかること。また、職場におけるパワーハラスメント対策について、相談体制のさらなる充実など、防止に向けた取り組みの充実をはかること。

(4) 病気休暇の当初3日無給の取り扱いを廃止すること。休暇・休職制度の運用改善をはかり、現行の休暇・職免制度の改悪を行わないこと。特に、育児に関する職免を廃止しないこと。また、各制度において取得しやすい職場環境の整備をはかるとともに災害時における休暇や不妊治療に対する休暇制度を構築すること。

(5) 定年退職後の生活設計の支援として、再任用を希望する全職員の雇用を確保すること。また、定年延長も視野に入れ、業務実態を十分に踏まえた高齢者雇用制度を構築し、雇用と年金の確実な接続と生活できる給与水準の保障を前提とすること。当面の再任用制度の諸課題については、十分な労使交渉と合意を前提に充実・改善をはかり、大阪市にふさわしい制度として確立するよう努力すること。

(6) 職業生活と家庭生活の両立支援については、特定事業主行動計画の周知徹底と、計画の推進をはかりつつ、支援制度の充実を行うこと。また、両立支援を目的とする休暇・休業制度などの検証を行い、勤務環境の整備をはかるとともに、男性の取得促進に取り組むこと。

(7) 臨時・非常勤職員及び任期付職員の勤務・労働条件については、地方公務員法改正の趣旨などを踏まえた改善を行うこと。会計年度任用職員制度については、正規職員との権衡を確保するとともに、現行水準を下回らないよう処遇改善を行うこと。任期付職員制度については、職の流動化や人件費抑制を意図する運用を行わないこと。

19.実施時期については、2019年4月1日とし、清算を年内に行うこと。

以 上

 「2019年賃金確定要求」については以上であるが、すでに各単組において年末一時金にかかる申し入れも行ってきており、本日以降、従来どおり市労連統一交渉を通じて解決をはかっていくことを申し上げておく。

 市労連は、3月13日に市側に対して「2019年統一賃金要求に関する申し入れ」を行うとともに、具体化に向けて取り組みを進めてきたところである。

 10月4日、大阪市人事委員会は、月例給について平均で1,339円、率にして0.34%の引き上げ、一時金については0.05月分を引き上げ年間4.50月分とする勧告を行った。大阪市において職員・組合員の給与水準が引き下げられてきた経過や大阪市の経済状況を踏まえると、今回の引き上げ勧告は当然の結果として受け止めている。さらに、人事委員会は本年の公民比較においても、スミルノフ・グラブス検定を用いて平均値から乖離が極端なデータを除外して比較を行った。市労連として、人事委員会がこのような国や他都市とは違った取り扱いを行うのは、市側の要請により、職員の給与水準を意図的に引き下げることが目的と考えるところであり、こうした手法は正確な公民比較とは言えないことから、取り扱いについて即刻改めるよう人事委員会に対して厳しく指摘してきたところである。

 今回の勧告内容は、組合員にとって大きな期待を持つものであり、市労連としては人事委員会より勧告された公民較差を踏まえ、給料表と一時金の早急な引き上げ改定を行うべきと認識している。

 人事委員会が第三者機関であることを踏まえ、市側として実施時期も含め、労働基本権制約の代償措置である人事委員会の勧告内容を尊重し、早期にその実施をはかるべきと認識するところである。その上で、数点にわたって市側認識を質しておく。

 保育士給料表については、勧告において、本市保育士の若年層の給与が民間を下回っていることから、初任給を含む若年層を中心に引き上げるが、幼稚園教育職給料表については改定すべき状況にはないとしている。保育士及び幼稚園教員については、2015年に独自の給料表が策定され、給与水準が引き下げられた経過がある。保育士及び幼稚園教員の職務の重要性に鑑み、人材確保の観点から処遇確保の必要性、保育所及び幼稚園の運営への影響を考慮し、現行の幼稚園教育職給料表、保育士給料表の改善を求めておく。

 人事評価制度の相対評価の給与反映について、勧告では「昇給号給数への反映は生涯賃金への影響が大きいことを考慮し見直す必要がある」としている。市労連としてこの間指摘しているように、相対評価そのものが公務に馴染む制度ではないと認識しており、相対評価の給与反映については即時廃止するよう強く指摘しておく。

 また、人事評価制度の目的は人材育成であり、評価結果を勤勉手当や昇給号給数に反映することで職員間に格差を生じさせることを目的とすることはあってはならず、職員一人ひとりの能力の違いや各職場事情等を考慮し、制度の趣旨に合致した制度構築が必要であることから、市側としてこうしたことを踏まえた検討を行うよう求めておく。

 教職員の給与制度については、制度変更等に伴う検証の必要性や給料表の構造、特殊業務手当の見直しなどを勧告において言及している。主務教諭の職の設置及び初任給水準の引き上げが、教員の執務意欲の向上や優秀な人材確保につながっているかどうか精確な検証を求めておく。また、人事評価制度は、人材育成と執務意欲の向上を目的としていることから、昨年度より新たに導入された人事評価制度がその目的に合致しているか、教職員へのアンケートを実施するなどの検証を行うよう求めておく。

 教職員については長時間労働が社会問題視されている状況にあるが、教職員の士気の高揚が子どもたちの教育条件や教育環境の維持・向上に繋がることから、そのような内容を十分踏まえた制度の構築を要請しておく。

 総合的な人事・給与制度ついては、この間、市労連として再三指摘しているが、給与制度改革で最高号給が大幅に引き下げられたことにより、多くの組合員が昇給・昇格もできずに、各級最高号給付近に留められており、組合員のモチベーションは、低下する一方である。組合員の勤務意欲の向上につながるよう、給料表構造等の抜本的見直しを行うとともに、昇給・昇格改善を含めた総合的な人事・給与制度を、早急に構築するよう求めておく。

 国における住居手当の改定は、公務員宿舎使用料の上限を考慮してのものであり、大阪市として公舎を廃止した経過や大都市事情を踏まえた対応を求めておく。

 高齢層職員の給与について、定年の引き上げを念頭に、60歳前の職員も含めた高齢層職員の給与、処遇、勤務体系等を包括的に検討する必要があると勧告で言及されているが、現行の給与水準を維持することは当然のこととして、生涯賃金に影響を及ぼすような検討は行うべきでないことを指摘しておく。

 再任用職員について、勧告では給料月額については行政職給料表との均衡を考慮して改定としているが、一時金については国との均衡を考慮し改定する必要はないとしている。再任用職員の給与月額は、大阪府との整合性を理由に2015年より経過措置を行いながらも大幅に引き下げられており、雇用と年金の接続までの給与水準の保障を前提とした給与制度となるよう求めておく。

 総労働時間の短縮にかかわってであるが、長時間勤務の是正を目的として本年4月に時間外勤務時間の上限設定が規則により定められた。市側として、長時間勤務の是正や賃金不払残業の発生防止に向けた適切な対応と、上限時間を超える長時間勤務が生じる場合には労働組合に対して丁寧な説明と対応を行うよう求めておく。

 この間、大規模な自然災害が頻発する中、組合員は市民の生活と安全を守るため、公務・公共サービスに従事する労働者としての使命感と責任を持って精力的に職務に取り組んでいる。しかし、災害発生時において、勤怠や業務対応のルールが不明確であったため、現場において混乱を生じる結果となっている。こうした事態を解消するためにも、災害発生時における勤務労働条件の整理及び改善を早急に行うよう求めておく。

 不妊治療に対する休暇制度についても昨年から求めているところであるが、勧告において不妊治療やがん治療などと仕事とを両立できる職場風土の醸成が言及されている。また、国の人事院勧告でも同様の内容を言及しており、ワーク・ライフ・バランスの観点からも早急な対応をはかるよう求めておく。

 確定とは別の課題ではあるが、確定交渉にも影響を与えることになるので技能労務職員給与の見直しについても触れておく。

 市側は、本年2月の団体交渉において、改定額については再調査を行い、その調査結果を踏まえ改めて提案するとの考え方を示した。そして6月には調査対象産業分類を変更し、その変更を踏まえ現在人事委員会が調査を行っている状況にある。

 技能労務職給料表見直しにかかわる2012年と2014年の2度にわたる厳しい交渉の経過を踏まえるならば、技能職員の給与の削減ありきの提案は決して許されるものではない。企業職員の給与は、民間給与との比較のみではなく、同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員の給与の考慮も必要と地方公営企業法で示されている。そのことは、技能職員にも準用されており、技能職員の給与は均衡の原則を踏まえ、誠実な交渉を行った上での労使合意が大前提であることを改めて指摘しておく。

 団体交渉は、労使合意という、あたりまえの労使間ルールを市側が守らなければ解決はあり得ず、健全な労使関係の下で労使交渉が行われなければならない。市側として組合員の勤務意欲の向上と、その家族の生活実態を十分踏まえ、本日申し入れた要求内容に関し、市側の主体的な努力と誠意ある対応の下で、労使交渉・合意がはかれるよう強く求めておく。

 その上で、今後、労使間で主体的に交渉を進めていくにあたって、市側の基本的な考え方を明らかにするよう求める。

市側 ただ今、賃金確定要求に関する申し入れをお受けしたところである。

 この件については、皆様方から、去る3月13日に「賃金要求に関する申し入れ」を、今月10月4日には本市人事委員会から「職員の給与に関する報告及び勧告」が行われたところである。また、年末手当については、この間、各単組からの申し入れがなされてきたところである。

 私ども公務員の人事、給与等の勤務条件については、制度の透明性を確保しつつ、市民に対する説明責任を十分に果たすことがこれまで以上に求められている。

 いずれにしても、本日要求を受けたところであり、今後については、要求内容及び人事委員会からの勧告内容並びに国、他都市の状況等、慎重に検討し、精力的に交渉・協議のうえ、早急に回答をお示ししてまいりたいと考えているのでよろしくお願いする。

 なお、確定とは別の課題ではあるが、技能労務職員給与の見直しについては、調査結果報告を受けた後に改めて提案を行い、交渉・協議を行ってまいりたいと考えているが、その際には丁寧な説明に努め、誠実に対応してまいりたいと考えているのでよろしくお願いする。

組合 ただ今、市側より「賃金確定要求及び年末一時金について」の現段階における考えが示された。その中で「要求内容及び人事委員会からの勧告内容並びに国、他都市の状況等、慎重に検討し、精力的に交渉・協議のうえ、早急に回答する」との考え方が述べられた。

 これまでも、人事委員会勧告制度が労働基本権制約の代償措置としてある以上、その実施に向けては自主的・主体的に労使で交渉を重ね決着をはかってきたところである。市労連として、賃金確定・年末一時金は、労使における自主的・主体的な交渉と合意がはかられることが重要であると認識しており、市側の一方的な思いだけでは、労使合意はあり得ないことを申し上げ、市側の誠意ある対応を改めて求めておく。

以 上

 

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