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更新日:2016年5月17日

夏期一時金問題第1回対市団体交渉

夏期一時金に対する交渉を行う。使用者・雇用主としての責任と誠意ある対応を市側に求める。

 市労連は、5月11日(水)午後5時から、2016年夏期一時金についての市労連第1回団体交渉を市側と行った。

 交渉で市労連は、地方公務員給与については「給与制度の総合的見直し」の実施によって地域間格差が拡大されていることに触れながら、加えて大阪市では、大幅なマイナス改定や「給料月額の減額措置」の継続実施により、組合員の生活実態は危機的な状況となっていることから、「給料月額の減額措置」の即時終了を強く求めてきた。

 また、国おいては、特定事業主行動計画に基づく取り組みの充実として、期末勤勉手当の支給割合算定における、育児休業期間の取り扱いについて制度改正が行われたことから、大阪市においても改善に向けた検討を行うよう要請してきた。

 その上で、夏期一時金に対する組合員の期待は大きいことから、使用者・雇用主としての責任を果たすよう、誠意ある対応を求め第1回団体交渉を終了した。

組合 本年度の夏期一時金について、各単組より5月10日までに各任命権者に対して、要求の申し入れを行ってきたところであるが、本日以降、従来どおり市労連の統一交渉によって課題の解決をはかっていくこととしたい。

 なお、再任用職員等の夏期一時金についても、この間の交渉経過を踏まえて対処されるよう併せて要請する。

 それでは、夏期一時金について、要求書を提出して以降、市側として検討された内容について現段階における考え方を示されたい。

市側 これまで各単組から本年度の夏季手当に関する申し入れを受けたところであるが、引き続き慎重に検討してまいり、近日中に回答したいと考えているところであるのでよろしくお願いする。

組合 市側より、引き続き慎重に検討してまいる旨の回答が示された。

 本日は、2016年度の夏期一時金の団体交渉であるが、まず冒頭、4月14日に発生した熊本地震に対する大阪市の職員派遣に関して少し触れさせて頂きたい。

 大阪市は、熊本地震の発災直後、危機管理室内に災害等支援対策室を設置し、翌15日から被災地へ随時職員を派遣し、その後も、指定都市市長会からの要請に基づき支援業務等へも派遣を行い、大阪市職員が被災地での復旧業務に励んでいる状況である。

 市労連各単組の組合員は、阪神・淡路大震災や東日本大震災をはじめ、過去にさまざまな災害被災地での支援活動を行ってきており、今回の熊本地震においても、それらの経験を生かし復旧・復興に向けて貢献できるものと認識している。

 しかし、被災地では現在も余震が続くなど、予断を許さない状況であり、派遣職員の安全確保には十分配慮するとともに、被災地では、通常とは違う過酷な状況での作業となることから、支援活動を終えた後のソフト面においても、必要に応じて対応するよう申し上げておく。さらに、被災地での業務において発生した超勤等に関しては、支給日に確実に支給することや、休日勤務における振替えについても職員の指定日に取得できるよう要請しておく。

 それでは改めて、市労連として数点に渡り、夏期一時金に少なからず影響する課題について、市側姿勢と認識を質しておきたい。

 現在、地方公務員給与については、給与水準の引き下げと地域手当の引き上げを行う「給与制度の総合的見直し」が、多くの自治体で実施されているが、75%の自治体が地域手当の非支給地であることから、地方公務員給与の地域間格差は拡大している。

 大阪市においても、本年4月から「給与制度の総合的見直し」が実施されており、加えて、マイナス2.43%の給与改定に伴う大幅な給与水準の引き下げや「給料月額の減額措置」の継続実施により、組合員の生活実態は危機的な状況となっている。

 市労連は、組合員の実質賃金を引き下げている大きな要因である「給料月額の減額措置」に関して、2015年確定交渉の中でも即時終了を再三求めてきた。また、確定交渉終了後においても継続協議とし、今後の財政収支概算(粗い試算)が公表されて以降に小委員会交渉を行い、3月17日には市側に対し「2016年統一賃金要求」を申し入れ、人件費削減を前提とした市側姿勢を質し、即時終了を強く求めてきた。

 市側は、組合員が負担してきたものは大きく、相当な効果額につながっていることを再認識し、厳しい生活実態にもかかわらず、大阪市政の発展に向け懸命に業務に励む組合員の努力を真摯に受け止めるべきであり、市労連として「給料月額の減額措置」の即時終了を改めて強く求めておく。

 次に、職員基本条例に基づく相対評価についてであるが、これまでの交渉で度々申し上げているが、人事評価制度の目的が人材育成であることから相対評価導入に対しては、本来の趣旨から逸脱しており、市労連として制度そのものを容認できるものでないと繰り返し指摘してきた。

 特に、絶対評価点が標準の評価を受けていても、相対化をすることにより下位に位置づけられるなど、職員のモチベーション低下は必至である。市側の一方的な思いで、相対評価結果を勤勉手当に反映することは支給額の差も大きく、生涯賃金にも大きく影響を及ぼすことから、相対評価については、改めて、即時廃止を求めておく。

 さらに市労連として、2012年8月の「給与制度改革」により、給料表の水準が大幅に引き下げられ、各級の最高号給に多くの組合員が到達していることから、昇給・昇格改善を含めた、総合的な人事・給与制度の早急な確立を求めてきている。2014年賃金確定交渉の市側回答で、将来の人事・給与制度の全体像を描く中で、あるべき昇給制度等の検討を行っていくと示されたが、その検討内容が未だに明らかにされていないことから、どのような検討を行ってきたのか、また、その具現化に向けて労使での協議を要請しておく。

 最後に、国においては、特定事業主行動計画に基づく取り組みの充実をはかるべく、期末勤勉手当の支給割合算定における、育児休業期間の取り扱いについて制度改正が行われたが、大阪市においても、このような改善に向けた制度運用を検討すべきである。そうした国の動きを受け、市側の現段階における考え方を聞かせて頂きたい。

 以上夏期一時金に少なからず影響する課題であることから、申し上げた点について、市側認識を示されたい。

市側 直接の交渉議題ではないものもあるが、夏季手当の回答に少なからず影響する事項についてご指摘をいただいたので、我々としての現時点での認識を示したい。

 まず、本市の財政状況についてであるが、平成28年2月版として公表された「今後の財政収支概算」において、当面の単年度の通常収支不足額は200億円程度が見込まれている。平成27年2月版の試算と比較して、一定の改善が見られるものの、ほぼ同様の傾向で推移していくことが見込まれている。

 本市では、補てん財源に依存することなく、収入の範囲内で予算を組むことを原則とするなど、将来世代に負担を先送りすることのないよう、財政健全化に引き続き取り組んでいるところであるが、今年度においても単年度収支が不足していることには変わりがなく、給料月額の減額措置にご協力をいただいている前提の状況は変化していないものと認識している。

 相対評価の給与反映については、職員の頑張りや実績に報い、執務意欲の向上に資するよう、昇給制度、勤勉手当制度を運用してきたところである。今後も職員の士気の向上につながる制度となるよう、職員向けアンケートを活用するなどして、制度検証を積み重ねてまいりたいと考えている。

 育児休業取得者に対する勤勉手当の支給割合の改善については、本市としても実施に向けた詳細な制度設計を行っているところである。今後、事務折衝を行い、相互の理解を深めていきたいと考えているので、よろしくお願いしたい。

組合 市側から「給料月額の減額措置」や相対評価による給与反映について現段階の考え方が示されたが、大阪市会において、市政改革等で一定の効果額が表れれば「給料月額の減額措置」の見直しもあり得るとの市長発言もあったようだが、給与課としても同じ認識であるのか。

 組合員の給与水準や勤務労働条件は年々引き下げられ、そうした中においても、組合員は公共サービスの質を低下させることなく、責任と誇りを持って日々の業務に励んでいる。しかしながら、長期にわたる「給料月額の減額措置」や、人材育成に逆行し勤務意欲の低下に繋がるような相対評価による給与反映については、今後の市政運営においても支障を来しかねない。

 大阪市政のために懸命に励む組合員の努力や、厳しい生活実態を顧みない市側姿勢には理解に苦しむところであり、以前にも述べたが、どのようなことが市政発展に繋がるのかを再認識し、組合員の勤務意欲向上に真に資するよう改めて求めておく。

 育児休業取得者に対する勤勉手当の支給割合の改善については、実施に向けた制度設計を行っているということなので、今後、事務折衝等を通じて協議を行うこととする。

市側 給与月額の減額措置に関しては、本年3月の市会本会議での市長答弁において、本市の財政収支、市政改革の進行状況等をしっかり見極める必要があるとしたうえで、「今後、総合的に判断していきたい」との発言があったところであり、給与課としても同じ認識である。

 本市を取り巻く状況としては、財政問題をはじめ非常に厳しいものがあるが、国、他都市の動向等も勘案しながら、今後とも慎重に検討してまいりたいので、引き続きよろしくお願い申し上げる。

組合 「給料月額の減額措置」は、職員のモチベーションの視点や人材確保の面からも、将来的な市政運営にひずみが生じかねない。改めて終了を求めるものである。

 本日は夏期一時金についての交渉であり、厳しい生活実態と将来に不安を抱える組合員にとって、夏期一時金に対する期待感は大きく、切実なものであることを市側は真摯に受け止め、使用者・雇用主としての責任を果たすよう、誠意ある対応を求めておく。

以 上

 

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