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2013年2月12日

勤務条件制度等の見直し及び退職手当見直し問題

第2回団体交渉 議事録

市側 勤務条件制度の見直し、期末・勤勉手当の支給制限等の拡大並びに退職手当制度の改正については1月17日に提案して以降、皆様方にご理解賜るべく精力的に協議を重ねてきた。

 この間の小委員会交渉で皆様から頂戴した意見も考慮しつつ、私どもとして慎重に検討してきたが、本日は、修正の提案を行いたいのでよろしくお願いする。

 具体の提案内容については、それぞれ所管課長よりご説明申し上げる。

(勤務条件修正内容説明)

(退職手当修正内容説明)

 なお、3月末退職者の早期退職加算について、今回限りの措置として2月15日まで退職願の提出期限を延長するとしていたが、交渉がこの時期にまで及んでいることを考慮し、これを2月20日まで再度、延長することとする。

 期末・勤勉手当の支給制限等の拡大については、この間の小委員会交渉で議論は尽くされたと認識しており、当初の提案内容でご理解賜りたい。

 修正提案の内容は以上であるが、この間、小委員会交渉で議論を尽くし、皆様のご理解を賜るべく精一杯の内容として提案している。

 今後の議会日程も踏まえ、本提案をもって最終の提案としたいので、何卒ご理解のほどお願い申し上げる。

組合 小委員会交渉での協議を踏まえて修正提案が示されたが、内容について分析・検討が必要であり、一旦、中断させていただく。

- 中 断 -

- 再 開 -

組合 それでは再開させていただく。

 先程示された修正提案に対し、数点に絞って市労連としての考え方を表明する。

 まず退職金問題について、この間の小委員会交渉を通じて、再三再四、再考を促してきた独自カットを、今年度末で終了するとした点は、我々としては当然のこととして受け止める。

 そもそも今回の見直し提案は、国に準じて公民較差(402.6万円)を解消するためのものと理解している。市側も、昨年の1月19日の退職手当5%カット実施にあたっての団体交渉で「人事院で退職給付金の調査が行われており、今後その状況を見極める必要がある」と発言している。そうしたことからも、独自カットを上乗せして提案すること自体、問題であり、市側の対応は不誠実だ。真摯な交渉・協議を通じて、労使合意を目指そうとしていた我々の認識と大きくかけ離れていたと言わざるを得ない。

 財政難を理由に提案された独自カットも、協力できることは協力する立場で交渉に応じ、民間水準を下回ることになったとしても、苦渋の決断をし、組合員にも理解を求め、この間協力してきたものである。独自カットをすることが、当然であるかのような対応を続けようとする市側姿勢に対し、あらためて強く抗議する。交渉協議してきた経過を踏まえた上で、正常な労使関係の下、真摯な姿勢で労使交渉を行うよう、今一度強く要請しておく。

 その上で、修正提案は、大阪府の内容と同等であり、国・他都市よりも厳しい。

 独自カットを終了する一方で、経過措置を前倒しすることにより、来年度末退職者からすれば制度値まで一挙に引き下げられることになる為、今年度末退職者及び年度途中での退職者が増えることが懸念され、結果として業務執行に支障をきたすことに繋がりかねない。他都市では、1年単位での経過措置を設けているところもあり、国の制度より経過措置を前倒しして実施する考え方を明確にしてもらいたい。

 既に大阪府で労使合意されたことは聞き及んでいるが、年金支給開始年齢が引き上げられることも重なり、退職後の生活設計に重大な影響を及ぼすことが危惧される。こうしたことを十二分にふまえ、また、使用者としての雇用責任もふまえた上で、大阪市としての主体的な判断が必要だ。

 前回交渉の際に、雇用と年金の接続に関して申し入れており、その際、市側から「本市の実情に応じた制度設計を行う」との表明があったが、その後の検討状況、制度設計の方向性などについて踏み込んだ回答を求める。

 また、病気休暇をはじめとした勤務条件制度見直しについては、我々の指摘を踏まえた一部修正が行われた点は評価するが、府に合わせることを目的にしただけのものもあり、不満の残る内容である。

 病気休暇・病気休職制度について、昨年生起した不適正な事象は許されるものではないが、大阪市は、これまでから他都市に比して厳しい運用を行ってきたはずであり、あまりにも厳格対応を指向するばかりでは、取得しにくい制度となることが懸念されてならない。

 特に、病気休職時の給与に関し、共済組合の傷病手当金を先行させる事については、国・他都市に例がない取り扱いであり、その意味では均衡を失していると言わざるを得ず、他との均衡を理由に制度変更を提案するのであれば、このような提案をするべきではない。病気休職取得者の収入面云々というより雇用主としての姿勢の問題であり、納得できないことを表明しておく。

 難病特例の廃止については、現実に、3年以上かけて何とか復職に繋がる場合もあり、その他の疾病と異なる対応が必要と認識している。結核特例も含め大阪市だけの制度であり、存続は困難と理解せざるを得ないにしても、り患した職員の立場に立った制度運用を行うべきとの立場であり、現行病気休暇・休職制度の運用改善にむけた協議を引き続き行うよう求めておく。

 さらに、結核特例の廃止に関して、大阪の結核り患率が高い実態があり、業務上り患することは、当然に避けなければならない。職場安全衛生の観点から、職制責任において各職場への周知徹底を行うよう求めておく。

 総じて、自己責任論を前面に押し出すような内容で、職員・組合員に対する雇用主責任が希薄に感じられ、問題を持つものと指摘しておく。

 育児及び看護等に関する職免については、現行の取得実態からして、また仕事と子育ての両立支援を進めていく観点からも、存続するよう繰り返し指摘してきた。

 約10年前に成立した次世代育成支援対策推進法は、次代の社会を担う子供たちが健やかに生まれ、育てられる環境整備に向けて、国、地方公共団体、企業など様々な主体が社会を挙げて取り組んでいくために作られたものであり、民間実態が遅れているのであればむしろ政策的に推進していくべき立場の行政が先導していくべきもの。

 廃止時期を1年間先延ばしされたことは、新年度を目前に控えたこの時期からも一定の譲歩を示したものと評価するが、制度廃止を撤回しない市側対応は法の精神からして問題があると言わざるを得ない。2014年度以降廃止されることについて、我々として納得したわけではない。仕事と子育てを両立するため懸命に努力している職員にとっては極めて重大な問題であり、引き続き制度の存続を求めていく。

 ただ今指摘した点について、あらためて市側の認識を示すよう求める。

市側 労使交渉に関する姿勢・基本認識について、この間、申し上げていることの繰り返しになり、恐縮であるが、主体的・精力的に協議し、労使合意に向けた努力が重要と考えている。

 しかしながら、この間の交渉において、合意を得るべく精力的に協議してきたものの、結果的に、皆さんとの合意に至らず実施してきたことについては誠に残念に思っている。

 職員の勤務労働条件については、市民からの理解、市民に対する説明責任を果たすことは当然かつ重要である。

 一方で、職員の執務意欲の向上や、職員にとって厳しい内容であっても、執務意欲の低下を来さないよう、職員に対する説明責任を果たし、理解を得ることも重要であると考えている。

 今後とも、組合の皆さんと、真摯かつ誠意をもって交渉してまいる所存であるのでよろしくお願いする。

 退職手当引き下げを国の経過措置よりも前倒しして実施することについてであるが、1月17日に貴組合に提案して以降、小委員会交渉を重ね、精力的に協議をしてきたところである。

 支給率の引き下げは、民間との較差を是正するための必要な措置であるということは、この間の交渉においてご理解いただいたものと認識している。

 一方で、当初の提案においては、本市の厳しい財政事情から、5%の特例減額を継続したいとさせていただいたが、これに対しては、組合の皆さんから、この間の交渉の中で、特に強いご意見、ご指摘を頂戴してきた。

 我々としても、組合の皆さんの合意を得、職員の理解を得ることが重要であると考えており、この間も労使合意に向け、協議を重ねさせてきていただいたところである。

 そうしたことから、本市の厳しい財政事情や、この間の交渉の経過などを、慎重に検討し、総合的に勘案した結果、我々としてでき得る精一杯の修正として、今回の提案に至ったものである。

 何卒ご理解たまわりたい。

 次に、「雇用と年金の接続に関して」であるが、現時点での私どもの考え方を説明させていただく。

 申入れの際にも申し上げたが、地方公務員の雇用と年金の接続に関しては「定年退職する職員が再任用を希望する場合、当該職員の任命権者は、定年退職日の翌日、当該職員を再任用職員として採用するものとする」とした、いわゆる「再任用義務化」の方針が総務省から示されている。

 一方、そうした内容を踏まえた地方公務員法改正法案は、昨年10月の臨時国会に提出される見込みであったが、衆議院解散により提出されず、現時点においてもなお、法案提出時期や制度内容については未定と聞いているところである。

 私どもとしても、来年度の定年退職者からの制度導入に向けて、速やかな制度設計の必要性については十分認識をしているところであるが、総務省から具体的かつ詳細な制度設計が示されていない以上、具体の勤務労働条件の検討を進めることができないという状況からは、特段の進展は見ていないところである。

 現時点で想定している制度設計のイメージで申し上げると、年金の支給開始年齢が、平成25年度以降、段階的に60歳から65歳へと引き上げられるという取扱いから、「新たな再任用制度」も経年的な総人員の状況に応じた措置が必要になると認識しており、そのためには、定年退職予定者等への意向把握、再任用を充てる職と勤務形態、職務の再編等による再任用職域の確保、新規採用計画の企画等の必要な検討を中長期的な視点から行いながら、具体的な制度設計を進めていく必要があると考えているところである。

 今後とも、引き続き地方公務員法の改正内容や国・他都市の動向等を注視しつつ、本市の人員マネジメント全体の中で、本市職員の雇用と年金の接続について、本市の実情に応じた制度設計を行ってまいるが、具体的な勤務労働条件に関する事項に関しては、制度案が取り纏まり次第、運用面も含め改めて組合の皆様方に提案申しあげ、合意を得るべく交渉してまいるので、よろしくお願い申し上げる。

 勤務条件についてであるが、今般の病気休暇・休職制度の改正については、公務能率の向上、職員の適切な健康管理及び服務規律確保の観点で行うものであるが、病気休職の給与に関して共済組合の傷病手当金を先行することについては、受益と負担の明確化の観点から、民間状況も踏まえて実施するものであり、本市において病気休暇等の取得に関する不適正な事象が生起したことを踏まえ、制度として悪用・濫用を防止する一環として、病気休暇の当初3日間の無給化を行うこととあわせて行うのでご理解いただきたい。

 ただし、休職期間が最大3年であるところ、共済からの傷病手当金が支給されない3年目について無収入となることのないよう、雇用主として賃金の保障を行うものであり、ご理解を願いたい。

 難病特例の廃止等にかかる指摘も受けたところであるが、病気休暇・休職制度の趣旨を踏まえた制度運用がなされるよう、今後とも努めてまいりたい。また、勤務労働条件に係る事項については、必要に応じて、労使関係条例に則り交渉を行ってまいりたい。

 結核特例の廃止に関わっては、大阪の結核罹患率が高いということと職員の罹患との因果関係等については明らかではないものの、労働安全衛生の観点から今後とも職場の安全衛生の維持向上に向けて、所属に対して周知徹底を図ってまいりたい。

 育児看護職免については、次世代育成支援や、仕事と育児の両立支援等の重要性については充分認識しつつも、国や大阪府を含む他都市の実情も踏まえ廃止するものである。ただし、利用者に対して1年間の周知期間を設けたうえで、廃止時期を平成26年4月1日とさせていただいたものである。ご理解をいただきたい。

 今般の勤務条件制度の改正については、市民の信頼を高め市民のための組織としていくため、平成22年度に国家公務員の勤務条件を基本に民間状況も踏まえた改正を行った大阪府の制度を参考に、特別休暇、職務免除等の改正を行うものであり、何とぞ、ご理解をお願いしたい。

組合 ただ今、市側から指摘事項に関する回答があった。

 先程、団交開催前に市労連として闘う意思集約を行うべく、各単組の幹部役員による集会を開催してきたところであり、組合員、その家族は本日の結果を非常に注目しており、その思いを受け止めて交渉に臨んでいることを改めて申し上げておく。

 病気休暇をはじめとした勤務条件制度に関しては、我々から指摘した個別内容に関し、考えが示されたが、納得いかない課題も残ったままと認識している。大阪市としての主体性を示し、使用者責任を回避することなく、引き続き市労連との必要な協議を行うよう求めておく。

 特に、退職職金問題は、独自カット問題を持ち出した市側のかたくなな対応に翻弄されたが、市労連として、カット終了を明言させたことは将来に引きずらないものとして理解する。しかしながら、経過措置の取り扱いに関し、国・他都市より厳しい内容とされた点は、率直に言って納得しがたいものがある。一方で、雇用と年金の接続に関する市側の考え方が一定示されたこともあり、我々としては、運用面も含め様々な課題、要望があることから、今後誠意を持って交渉、協議に応じるよう市側の責任ある対応を強く求めておく。

 また、期末勤勉手当の支給制限などの拡大については、市側提案どおり了解したい。

 総じて、修正提案内容は、我々の要求からすれば不十分な点があると言わざるを得ないが、この間の交渉経過を一定踏まえたものとして理解し、苦渋の判断として単組討議に付すこととする。

以 上

 

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