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更新日:2012年2月15日

「新たな人件費削減の取り組み」にかかる第2回対市団体交渉

非正規職員を除外、カット率の若年層に配慮の修正案を提示
苦渋の判断として単組討議に付す

 市労連は、2月7日(火)午後6時45分から中央公会堂で「市労連総決起集会」を開催し、市側から提案されている「新たな人件費削減の取り組み」にかかわり、組合員へ至ってる状況を説明し、集会終了後に行われる第2回団体交渉へ臨む決意を固めた。

 その後、午後8時から対市団体交渉を開催し、3回の小委員会で指摘した内容を一部踏まえた市側からの最終的な提案として、「本市OB職員を除く非正規職員を除外」「若年層に配慮したカット率の緩和」として修正提案が示された。

 市労連は、市側からの修正提案について一定の評価をしたものの、修正されなかった実施期間や退職手当問題については「われわれの指摘を踏まえられず不満と言わざるを得ない」と述べ、修正内容について持ち帰り協議するとして団体交渉を中断した。

 その後、三役・常任合同会議を開催し、市側からの最終提案について協議、これ以上市側から譲歩はむずかしいと判断し、午後9時20分から団体交渉を再開、市側に対し、「苦渋の判断とするが、今後さまざまな交渉・協議には、今回のわれわれの判断を受け止め真摯で誠実な対応を強く求める」として単組討議に付した。

市側 去る1月19日の交渉で「新たな人件費削減の取り組みについて」を提案し、この間、精力的に協議を重ねてきた。しかしながら、条例改正のスケジュールを考慮すると、ぎりぎりの日程である。この間の交渉で、頂戴したさまざまな意見について、本市として慎重に検討してきたが、一定の若年層に配慮すること、また、非正規職員については、基本的に給料月額のカット対象外とすることとして、本日最終の提案をさせていただく。

 修正点については、まず、一定の若年層への配慮ということでのカット率の変更であるが、当初提案では、非管理職層にも職務の級に応じたカット率の設定を基本に一部年齢要件も加味するという形で提案しているが、この間の交渉で、合意を求めるなら大阪府のカット率を上回る部分については再考をとの要請を真摯に受け止め、職務の級を基本としながらも、大阪府に準じた年代別の設定を追加することで各級の若年層へ配慮を行うこととする。

 具体的には、資料の行政職給料表適用者で説明するが、この間、係長級の4級はすべて9%と提案していたが、40歳台以下の4級の職員については7%、50歳以上については9%でお願いしたい。3級主務は、30歳台以下に新たに5%という設定を行い、40歳台以上を7%、50歳台以上を9%。2級は新たに3%を設定し、20歳台の職員については3%、30歳台については5%、40歳台については7%で提案させていただきたい。同じく大阪府より高い部分として指摘があった50歳台の9%については、その対象のほとんどが上位級と重なる高い給与水準であるため、この点については一つ上の級並のご協力をお願いしたい。

 非正規関係であるが、当初提案では、実施内容の(1)・(2)・(3)・(4)とあったが、今回提案では、(3)・(4)を除外している。当初提案で、基本的には、本市で働く職員にご協力いただきたいと提案していたが、非正規職員については、任期付職員や臨時的任用職員の給与水準が初任給相当と低いため、対象から外すよう皆様から強く求められていた。そうしたことも踏まえ再考した結果、非正規層については、昇給等がないことも考慮し、改めて対象から除外することとした。なお、提案の参考に記載している非常勤嘱託職員については、報酬水準や専門人材の確保の観点からも再検討し、再任用職員との均衡やカット後も一定の生活水準の確保ができると考え、本市OBの非常勤嘱託職員に限って、ご協力をお願いすることとした。なお、この間も指摘いただいた給与月額カットの期間、退職手当の期間の表現等については、この間、説明したとおりでありご理解いただきたい。

 こうした最終提案の結果、カット率・効果額については、給与月額カット率は、大阪市全体で、非管理職層の加重平均として6.7%、管理職を含む職員全体で7.2%となる。今回の人件費削減効果額は、管理職を含む全職員、全会計ベースで給料月額の部分で117億2千万円、退職手当の部分で17億3千万円、管理職手当の部分で1億1千万円の合計で135億6千万円を見込んでいる。主な変更点等については以上である。ご理解、ご協力をいただきたい。

組合 今、最終という表現の回答を受けた。小委員会でこちらから指摘した事項についても、そういった修正内容を含む回答であったと考えているが、一方、不満な点も当然おおいにあり数点の質問をさせていただく。

 今、初めて見させていただいた。小委員会交渉で重ねて指摘してきたが、とりわけ、カット率の問題どうこうという以前の問題としてきた非正規の方々の対処についてであるが、一定の譲歩があったという風に理解をしている。そういった判断をしたということは、率直に評価したいと考えているが、何点かカット率の点で指摘したい。最初の交渉時に、非管理職層で7.1%、今回修正された後の部分は6.7%、こちらの手元で、大阪府の実情をホームページ等から類推をすると、大阪府のカット率を前回も申し上げたが、5.9%である。府並にと言うのであれば、やはり、開きがあると率直にいわざるを得ない。

 加えて、カット率をざっと説明されたが、変更点、4級あるいはそれ以下の級についても、一定若年層に配慮したということになっているが、いかんせん、9%というところが、府では課長補佐級の職員が対象となっており、その点についても、繰り返し申し上げたが、それについては級の重なりが多いという説明もあったが、9%の対象者を3級にまで広げているという点は、不満だといわざるを得ない。

 実施期間の問題で、大阪府は平成26年3月までということであり、それに合わせるべきではないかと再三申し上げたが、その点は修正されず、来年度から3年間ということであり、その点もわれわれの求めとは違う。しかし、給与改定については、毎年の人事委員会の勧告内容に応じて、その都度、交渉を行っている。給与カットの問題は、民間水準よりも下げるという提案であるので、それについては、単年度で交渉すべきと考えるが、その点についての考えをこの場で明らかにしていただきたい。

 退職金問題の点であるが、5%ということで、当初提案の内容そのままであり、これについても理解し難い内容となっている。この間の交渉でも、繰り返し申し上げているが、国も10年ぶりの見直しの動きも聞こえてきているので、その点については、今後、仮に総務省からの具体的な内容が出た段階で、どの様に協議するのかという点もお聞きしたい。

市側 ただ今、何点かの指摘があったが、平均カット率については、当初の時にもお尋ねがあった。今も説明させていただいたが、今回の修正で、大阪府のカットの率と対象者の関係からいうと、かなり合ってきている。ただ、府市の級別年代別人員分布がそもそも違うので、大阪府とカット率が一緒にはならないと考えている。その点はご理解いただきたい。それから、9%については、先ほど申し上げたとおり、上位級との重なる部分として、ご理解いただきたい。それから、期間については、3年間ということでこの間も説明をしているが、大阪市の危機的な財政課題への対応ということで、当面3年間については、この期間でお願いをしている。ただ、給与は職員にとって重要な労働条件であるため、今後の交渉要請についても誠意を持って対応させていただきたい。退職金の部分であるが、提案は当分の間とさせていただいているが、こちらも以前にも申し上げたとおり、現在、人事院が民間企業の退職給付制度の調査を実施している状況である。その後、恐らく総務省から、示される公務員の退職金制度の動向というものを見極める必要があるため、具体的な期日を明記していないものである。退職手当制度を変更するようなことが生じた場合は、当然協議させていただきたい。

組合 いずれにしても、内容について、初めて聞いたということもあり、一旦持ち帰らせていただく。

中 断

再 開

組合 それでは、再開させていただく。まず、修正提案について、われわれの考え方を表明するとともに何点か指摘をさせていただく。

 1点目は、非正規職員の扱いである。いうまでもなく、全国の自治体には、60万人以上の非正規雇用労働者が勤務している状況である。大阪の動向は、全国的にも注目されている。非常勤嘱託職員のうち、OB職員を除外の対象にしないとした点は不満ではあるが、任期付職員に加えて、臨時的任用職員や非常勤嘱託職員など、いわゆる非正規職員を基本的に対象者から除外したことについては、繰り返し指摘したことを受け止めたものとして評価させていただく。非正規職員については、ただでさえ低賃金で不安定な雇用実態であるにもかかわらず、財政難を理由に給与カットを行うこと自体問題である。人件費削減を追求し続ける市側対応が、結果的に不安定雇用を生み出すことに繋がっており、すでに、本市の業務執行体制維持に不可欠な存在である非正規雇用労働者の勤務条件向上の取り組みについては、社会的にも重要な課題であり、市側責任において改善させるよう要請をさせていただく。

 次に給料カットの問題である。修正提案では、若年層に配慮した点は一定評価できるが、修正後の平均カット率では、府並にするといいながら、結果、大阪府を上回る内容になり一定不満である。そもそも、大阪府と給与制度そのものが異なっている中で、カット率を最優先した結果と言わざるを得ず、新年度予算も決まっていない状況の中で、何が何でも、カット率を府に合わそうとした提案に、無理があることを指摘しておく。

 加えて指摘をしておきたいことは、給与改定に係る交渉は、単年度の課題であり、毎年の人事委員会勧告を踏まえて交渉し、合意の上、決定されるものではあるが、一方で、給与カットは市財政の悪化に伴う例外的な措置である。これまでも、協力するところは協力するとの立場から、真摯な姿勢で労使協議に応じてきた。新年度予算の全体像すら示されない中でのカット問題だけが先行的に提案され、職員に協力を求めるものであれば、職員のみならず家族も含めて納得がいく説明をするべきと、この間の小委員会交渉でも繰り返し指摘をしてきた。カット期間を変えないとの姿勢が明確に示されているが、給与改定交渉も、給与水準問題は単年度ごとの交渉で決着させるべきと認識しており、市側の誠意ある対応を求めておきたい。

 最後に退職手当の問題である。退職手当のカット提案については、小委員会交渉でも再三指摘してきたものの、一切、修正されることなく、当初の提案どおりであり、答えありきの市側姿勢は極めて不誠実である。しかし、一方で、人事院で民間企業に対する実態調査が集約段階であり、国家公務員の退職手当にかかる総務省の考え方が出れば、再度協議するとの認識が示されたことから、その際には、真摯な姿勢で協議に応じるよう求めておきたい。

 総じて、修正後の提案は不満ではあるが、これ以上の譲歩は難しく、ぎりぎりの内容で苦渋の判断として、今後、さまざまな労働条件の変更に伴う交渉が控えているが、これらの協議には、厳しい判断をしたことの重みをしっかりと受け止め、真摯に且つ誠実な対応が不可欠であることを強く申し上げておく。それらのことを指摘した上で、本日の修正提案を最終回答として受け止め、単組協議に進むこととさせていただく。

 最後に一つ要望がある。先ほどの説明を受けたところ、年間135億の金額が出てくるとの説明をいただいた。先ほど、非正規職員の評価もした訳ではあるが、大阪では、非常に失業率が高いという状況であり、特に若い方の失業率が高いという状況であるので、そういった若い方の雇用政策に重点を置いていただきたいということも要望として付け加えて、この交渉を終わりたい。

以 上

討議資料

討議資料(別紙)

討議資料(参考)

 

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