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更新日:2012年3月29日

2012年統一賃金要求対市人事委員会申し入れ

本年の人事委員会勧告作業にあたっては、市労連との連絡を十分はかるよう求める

 市労連は、3月28日(水)、午後6時から、市人事委員会に対して、以下の「2012年統一賃金要求に関する申し入れ」を行った。

組合 それでは、ただ今より、2012年統一賃金要求を申し入れる。 なお、具体的な要求事項については、書記長より申し入れる。

2012年3月28日

大阪市人事委員会
委員長 西村 捷三 様

大阪市労働組合連合会
執行委員長 中村 義男

2012年統一賃金要求に関する申し入れ

 貴人事委員会におかれては、常日頃から私ども大阪市職員の賃金を中心とした勤務・労働条件の改善に尽力されていることに敬意を表します。

 市労連は、昨年11月10日に大都市労連連絡協議会として、大都市人事委員会連絡協議会課長会議に対し、勧告(報告)の準備作業にあたり「大都市の諸事情が十分反映されたものになるよう」申し入れを行い、加えて本年2月10日には、公務員連絡会を通じ、全国人事委員会連合会に対し、「2012年度の給与決定にあたっては、民間賃金実態を正確に把握し、地方公務員の生活を維持・改善するための賃金水準を確保すること。また、現給保障を堅持するとともに、50歳台後半層の給与見直しについて、一律減額措置は直ちに撤回し、公民較差を踏まえた配分の問題として十分な交渉・協議を行うこと」などの要求書を提出しました。

 また、3月9日に大都市労連連絡協議会は、春闘期の要求として大都市人事主管者会議に対して、「2012年賃金引き上げ・労働条件改善に関する要求書」を提出しました。

 公務員給与を巡っては、東日本大震災の復興財源を捻出することを目的に、本年4月から国家公務員の給与を平均で7.8%カットを行うこととなり、一方で、地方公務員においては、すでに6割以上の自治体で財政悪化を理由にした独自の給与削減措置が実施されています。大阪市では、2009年度から財政悪化を理由に給料カットが実施され、特に本年4月からは、非管理職平均で6.7%の給料カットが行われます。このような事態は、労働基本権の代償措置である人事委員会勧告の空洞化につながるものと言わざるを得ません。

 一方、非現業職員に対する協約締結権の付与など、労使交渉による賃金決定の仕組みづくりが進み、政府は2012年度実施に向け、第180国会で関連4法案の早期の可決をめざしていることから、労働基本権や労働条件決定制度のあり方も含めた公務員制度改革が大きな節目を迎えています。しかし、関連法案が成立し施行されるまでの間は、現行の賃金決定制度である人事院・人事委員会勧告制度を十全に機能させることが重要と、市労連は考えています。

 貴職におかれては、公務員労働者の雇用の安定と生活改善を求める声に応えるためにも、主体性と役割を十二分に果たされることを強く求めます。

 その上に立って、以下の2012年統一賃金要求を申し入れます。

1 人事委員会は地方公務員の労働基本権を一部制約した代償措置としての意味を持つことを鑑み、労使合意の内容、その経過、組合側の意見を十分尊重して勧告をすること。

2 勧告に係る内容について、政府、総務省の不当な干渉に屈することなく、中立する第三者機関としての立場を重視し、公平公正な立場で作業を進めること。

3 職務給や能力、実績主義などの給与決定の原則を無視した、年齢だけを理由とした給与引き下げを行わないこと。

4 勧告にあたり、地公法第24条第3項に規定する給与基準を考慮する場合は、大都市における生活事情、特に住宅事情、物価、生計費に重点を置き判断すること。

また、給料表の作成については労使交渉の決定事項を最優先とし、作成に関しての内容に踏み込まないこと。

5 民間給与実態調査及び公民給与の比較を行う場合は、労働基本権の代償機関としての責務を果たすことを前提として、組合と協議した上で下記の方法を取ること。

(1) 比較企業規模を50人以上とした調査比較方法を止め、少なくともこの方法を取り入れる以前の比較企業規模に戻すこと。また、団体交渉によって賃金、労働条件を決定している事業所を対象とし、「会社更生法等の適用企業」は調査対象から除外すること。

(2) 比較対象職種は、行政職(一)表関係業種とし、職務の対応にあたっては機械的な職名区分をやめること。

(3) 比較給与の範囲を原則として公務員の基本給に相当する給与とすること。

(4) 精確な公民較差を算出するためにも、追加較差を算出すること。

6 地域手当については、本給繰り入れを基本とすること。

7 住居手当については、地方公務員の住宅制度や現状を考え、廃止または引き下げは行わないこと。

8 通勤手当については、全額実費支給とし、交通用具利用者に対する手当を改善すること。合わせて、全額非課税になるよう関係機関に働きかけること。

9 特別給(一時金)については、比較方法を改め、公民同一基準により正確な月数算定を行うこと。また、勤勉手当の運用における成績率の強化拡大を行わないこと。

10 勤務時間については、年間総労働1,800時間を達成するためにも、週労働時間を37時間30分、日労働時間を7時間30分とするよう勧告を行うこと。

11 定年延長を含む高齢者雇用制度については、60歳以前の賃金水準を引き下げることなく一層の充実をはかること。特に60歳以降も安心して働きつづけることができる雇用環境の整備や、定年退職後の生活設計が安心できるような新たな高齢雇用施策については、本市の業務実態を十分ふまえた高齢者雇用制度となるよう検討を行うこと。

12 女性の労働権確立、男女共同参画社会の実現に向けて必要な施策の確立をはかること。「次世代育成支援対策推進法」の行動計画の着実な実施に向けて対策を行うこと。

13 福利厚生について、各種制度、各種施設、支給などの実態を調査すること。

14 私たちの意向を反映し、早期勧告に向けて努力すること。

以 上

 大都市労連連絡協議会は、3月9日に大都市人事主管者会議に対して要求書を提出した。

 昨年は、公務員に対する総人件費削減攻撃がより一層強まる情勢に加え、大震災の影響による勧告の遅れなど、例年とは異なる情勢の下で厳しい賃金交渉となったことから、「職員が不安なく公務に専念できるよう、大都市での生活実態を直視し、職員の生活防衛と改善に向けた我々の要求を受け止め、その実現に尽力されるよう」申し入れている。

 市労連は、労働基本権制約の代償措置としての人事委員会勧告制度が、現行の公務員の賃金・労働条件決定制度である限り、それを機能させ、社会経済情勢の変化に対応した公務員処遇を確保することが、人事委員会としての使命であると考えている。

 しかしながら、この間の人事委員会勧告では、勤務労働条件に関わる具体的な課題にまで踏み込み、労使交渉を制約する内容の勧告が行われたことや、2009(平成21)年度から行われている給料月額の減額措置に関しても、勧告制度とは別個で実施されている減額措置を中止するよう勧告しなかったことなど、貴人事委員会の対応は問題があると認識している。

 人事委員会勧告制度が、公務員労働者の労働基本権制約の代償措置として実質的に公務員の賃金を規定していることに鑑み、大都市に働く職員の置かれている生活実態を十分精査され、貴人事委員会としての調査と作業が進んでいく過程で、市労連との連絡を十分にはかりながら進めていただくよう求める。

監査・人事制度事務総括局 ただ今、2012年統一賃金要求に関する申し入れを受けたところである。

 人事委員会は、地方公務員法により、職員の勤務条件が社会一般の情勢に適応するよう勧告を行う機能を与えられており、本市給与勧告を行うにあたっては、これまでも、民間給与の実態を精確に把握するとともに、国・他都市の動向等を踏まえ、中立的な第三者機関としての役割を果たしてきているところである。

 いずれにしても、本日は申し入れを受けたところであり、内容等については、人事委員会に報告させていただく。

以 上

 

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