本文へジャンプしますcorner大阪市労働組合連合会
更新履歴主張・見解政策提言市労連とはごあいさつ市労連のはじまり組織体制お問い合わせ先用語集リンク集HOME

更新日:2010年10月15日

2010年賃金確定・年末一時金闘争 第1回対市団体交渉

給与カットは早期に終了との立場を表明
課題解決には、市側の主体的な努力と
誠意ある対応を求める

 市労連は、10月14日(木)午後4時から三役・常任合同会議、事務折衝、午後5時30分から闘争委員会を開催し、対市団体交渉を含む2010年賃金確定・年末一時金などについて協議、午後6時から第1回対市団体交渉を行った。

 団体交渉の中で市労連は、「2010年賃金確定要求」を申し入れるとともに、月例給で3年連続、一時金も2年連続でマイナスになる等、組合員にとって極めて厳しい内容となっている中で、組合員の要求に誠意を持って対応するよう申し入れた。

 市側から、「本年の人事院勧告を尊重し、給与改定を行ってまいりたい」と述べるとともに、昨年からの継続課題についても協議してまいりたいと表明した。また、給料月額の減額措置については、「今給与改定以降のカット率について、協議してまいりたい」と実施について言及した。

 市労連は、連年にわたるマイナス勧告による実質生活の切り下げなど厳しい状態が続いている中、給与改定や継続課題の実施、引き続く給料カットなど到底理解できるものではないとして、「組合員の勤労意欲と家族の生活を考えあわせ、賃金確定・年末一時金について、本日申し入れた内容を十分踏まえ、使用者としての主体性を堅持し、誠意をもって検討されるよう強く求めておく」として団体交渉を終了した。

組合 本日は、2010年賃金確定並びに年末一時金について交渉を行いたい。

 市労連は、10月7日に開催した第57回定期大会で「2010年賃金確定要求」を確認したので、先ず冒頭に申し入れたい。

 詳細については、書記長より説明する。

2010年10月14日

大阪市長 平松 邦夫 様

大阪市労働組合連合会
執行委員長 中村 義男

2010年賃金確定要求

 賃金決定基準の改善等の具体要求項目について、大都市事情を反映した制度改善をはかること。
 給与構造改革後の検証を行い、必要な改善措置に取り組むこと。
 技能労務職の給与水準の引き下げなどの改悪を行わないこと。
 給料月額の減額措置については終了すること。

1.給料表
 給料表については、号給カット等の改悪を行わず、他都市・人事院勧告の較差水準を踏まえるとともに、大都市事情を考慮して検討すること。とりわけ、行政職3級相当級の高位号給の切り下げを行わないこと。

2.諸手当
 諸手当については、国・他都市の動向、民間支給状況を見極めつつ、大都市事情を考慮して検討すること。特に、住居手当については、国に追随することなく、現行制度の維持・改善に努めること。
 また、通勤手当の経路認定基準の見直しに関わっては、事後の十分な検証を行い、必要な改善をはかること。
 地域手当については、本給繰り入れを基本に改善をはかること。

3.初任給基準(中途採用者を含む)については、大都市事情を十分踏まえ検討を行うこと。

4.格付・昇格・昇給基準
(1) 格付基準(臨時期間・前歴の格付基準を含む)の改善・充実をはかること。
(2) 休職者等の昇給抑制者に対する復職時調整の改善をはかること。
(3) 昇格枠とりわけ行政職3級昇格枠の拡大と昇格選考方法の改善をはかること。
(4) 技能労務職3級昇格条件と格付等の改善をはかること。
(5) 行政職4級への格付について改善をはかること。

5.専門職の給料表については、他都市・人事院勧告の較差水準を踏まえつつ、大都市事情を考慮して検討すること。特に、看護師については人材確保の観点から検討すること。
 また、福祉職給料表については国・他都市の動向を注視しつつ、慎重に調査・研究を行うこと。

6.一時金の支給方法の改善をはかること。

7.人事評価制度については、公平・公正性、透明性、客観性、納得性を確保し、組合員の十分な理解が得られるよう改善をはかること。また、給与への反映については、慎重に検討を行い、十分な交渉・合意を行うことを前提とすること。

8.夜間勤務手当及び超過勤務手当(深夜超勤を含む)の支給率の改善をはかること。また、超過勤務手当の月60時間を超える割増賃金の算定基礎に日曜日又はこれに相当する日を含めるよう改善すること。

9.勤務時間については、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)の重要性を踏まえ、年間総労働時間の労使合意を前提に年間総労働時間の短縮に取り組むこと。

10.業務上交通事故など、分限にかかる基準(失職規定)の改正をはかること。

11.その他

(1) 職員の福利厚生については、制度設立の意義を踏まえるとともに、地方公務員法42条の使用者責任(義務)に基づいて、労使で構成する福利厚生協議会で十分な検討を行い、「安心して働き続けることのできる制度の確立」「組合員の働き甲斐」につながる福利厚生制度の確立・充実をはかること。
(2) 休職者の給付内容などの改善をはかること。また、近年の休職者の実態を踏まえ、メンタルヘルス対策の一層の充実をはかること。特に、心の健康の保持・増進の観点から職場における勤務環境の改善をはかること。
(3) 有給教育休暇など休暇制度の新設・改善をはかること。
(4) 60歳定年退職後の生活設計の支援として、希望する職員の雇用確保をはかるとともに、国における65歳定年制の実現に向けた国の動向に注視しつつ、高齢者雇用制度の充実改善を行うこと。
(5) 職業生活と家庭生活の両立支援については、特定事業主行動計画の周知徹底と、計画に基づく実効ある推進をはかりつつ、支援制度を充実すること。また、両立支援を目的とする休暇・休業制度の検証を行い、勤務環境の整備に取り組むこと。とりわけ、育児休業等に関する法律の一部改正や両立支援策にかかる人事院規則改正に伴う所要の措置を講じること。さらに、男性の取得促進をはかること。
(6) 臨時・非常勤職員及び任期付職員の勤務労働条件の改善を行うこと。

12.実施時期については、労使合意に基づくこととし、労働基本権制約のもとでの生活防衛の観点からも、給料月額の減額措置については終了した上で、使用者責任を全うする大阪市としての主体的な決着をはかること。

以 上

 「2010年賃金確定要求」については以上のとおりである。

 また、各単組から、年末一時金「基準月収の3.5月以上・12月10日支給と支給方法の改善」の申し入れも行ってきており、本日以降、従来どおり市労連統一交渉によって解決をはかっていくことを冒頭に申し上げておきたい。

 市労連は、去る3月18日に市長に対し、「2010年統一賃金要求に関する申し入れ」を行い、以降その具体化に向けて取り組みを進めてきた。

 既に8月10日に、本年度の国家公務員の賃金改定にかかる人事院勧告が出され、9月16日には本市の人事委員会が「職員の給与に関する報告及び勧告」を行ったが、月例給で3年連続、一時金も2年連続で引き下げる等とされ、組合員にとって極めて厳しい内容となっている。

 連年にわたる給与引き下げは、生活改善を求める私たちの切実な要求に何ら応えるものではなく、本日申し入れた内容を踏まえた市側の主体的な努力と、誠意ある対応がなければ解決できないと考えており、今後、労使間で主体的交渉を進めていくにあたって、市側の考え方を明らかにするよう求める。

市側 本年度の給与改定については、去る3月18日に皆様方から「賃金要求に関する申し入れ」を受けたが、その後、8月10日に国家公務員に対する人事院勧告が出され、9月16日には本市人事委員会より「職員の給与に関する報告及び勧告」を受けたところである。

 また、年末手当についてはこの間、各単組から申し入れを受けてきたところである。

 ご承知のとおり、本市の財政状況は極めて厳しい状況にあり、本年の2月に公表された「中期的な財政収支概算」では、昨年7月の公表時よりも市税収入の減少や生活保護費の増加によりさらなる財政収支の悪化が見込まれており、平成30年度には累積収支不足額が約2,700億円となる見通しとなっている。

 また、本年9月に公表された平成21年度普通会計決算見込では、前年度に引き続き市政改革に取り組み、皆様方のご協力を得ながら人件費の縮減に努めるなど歳出全般にわたり見直しを行ったものの、市税収入が大幅に減少する中、生活保護費などの扶助費が増加している状況となっており、地方公共団体の財政構造の弾力性を判断するための指標である経常収支比率は前年度比で1ポイント悪化し、100.2%となっているなど、本市を取り巻く状況は以前にも増して一層厳しいものとなっている。

 このような状況の中、本市人事委員会からは、公民比較において、月例給については、減額措置前の職員給与が民間給与を1,486円、0.35%上回っているとの報告がなされ、次の内容の勧告を受けたところである。

 まず、公民較差を解消するための月例給の引き下げとして、給料表の引き下げを行うこととされており、給料表については、昇給カーブのさらなるフラット化をはかるための具体的な改定方法について、昨年と同様の言及がなされたところである。

 次に、期末・勤勉手当についてであるが、「現行の年間支給月数4.15月分を0.2月分引き下げ、3.95月分とする必要がある。」とされ、本年12月期以降の期末・勤勉手当の支給割合について、具体的な勧告がなされているところである。

 また、平成22年4月1日からの年間における公民給与を均衡させるため、医療職給料表(1)適用の職員及び給与減額措置が実施されている職員を除き、所要の調整措置を行う必要があるとされている。

 以上が勧告の内容である。

 本年度の給与改定の取り扱いについては、本市人事委員会からの報告及び勧告を受けて以降、鋭意分析・検討を行ってきたところであるが、私どもとしては、人事委員会からの勧告を尊重し、給与改定を行ってまいりたいと考えている。

 次に継続協議の課題である。

 行政職給料表3級等の最高号給付近の号給カットについて、昨年、人事委員会から20号給のカットを2年の期間内で段階的に実施するよう意見が述べられており、平成22年4月1日に8号給カットするよう勧告を受けたところである。

 この内容に基づき、昨年提案を行い、皆様方と精力的に協議を重ね、継続協議となっていたところ、本年人事委員会から20号給のカットを確実に実施する必要があるとの意見が述べられたところである。今後実施時期や、カットする号給数についても協議してまいりたい。

 勤勉手当の基礎額から扶養手当を除き、それにより生じる原資については上位区分の支給月数に配分することについて、本年の人事委員会の報告において平成23年12月期の勤勉手当から実施するよう意見が述べられており、ご理解賜るべく協議してまいりたいと考えている。

 また、昇給制度における成績区分について、下位の区分を増設することについても、ご理解賜るべく協議してまいりたいと考えている。

 最後に、給料月額の減額措置については、平成21年4月以降協力をいただいていることに対し、誠に感謝しているところであり、お礼申し上げる。

 給料月額の減額措置については、本年2月1日の交渉において、人事委員会勧告で職員の月例給における公民較差を解消するための勧告がなされた場合は、改めて交渉を行うこととしていたが、先程申し上げたとおり9月16日に人事委員会から月例給を引き下げる内容の勧告を受けたところであり、今給与改定以降のカット率について、協議してまいりたいと考えているので、よろしくお願いする。

 いずれにしても本日要求を受けたところであり、今後、精力的に交渉・協議を尽くし、早急に回答をお示ししていきたいと考えているのでよろしくお願いしたい。

組合 ただ今、市側から、大阪市を取り巻く環境の厳しさ、とりわけ財政状況が以前にも増して一層厳しいとの情勢に触れた上で、給与改定については、人事委員会の勧告を尊重するとの考えが明らかにされ、公民較差のマイナス0.35%に基づく給料表のマイナス改定や、一時金0.2月減額に加えて、昇給カーブのさらなるフラット化を進めるとの姿勢が示された。

 特に、昨年に引き続く月例給及び一時金の引き下げ勧告は、組合員にとって極めて厳しい内容であり、約10年近くほぼ一貫して賃金水準が低下し続けたことで、実質生活の切り下げを余儀なくされており、民間の給与実態を踏まえたものとはいいながらも、受け入れ難い内容と表明せざるを得ない。

 さらに、給料表の改定に関して、昇給カーブのフラット化について、市人事委員会が昨年と同様に、各号給の改定率まで具体的に言及したことについては問題があると認識しており、給料表の改定はあくまで比較給与内における原資配分の問題であること、加えて労使交渉による合意が基本であることを改めて申し上げておく。

 続いて言及された継続課題についてであるが、

 行政職給料表3級等の最高号給付近の号給カットについては、昨年に続いて、本年も市人事委員会が言及しているが、市労連として、人事委員会に対して抗議の意思を明らかにしてきたところである。

 昨年の交渉においても市側に指摘したが、当該の行政職給料表3級等の最高号給付近には多くの組合員が存在しており、仮に号給カットが実施されれば生涯賃金に相当の影響を及ぼすこととなり、働き甲斐を失わせる結果となる。給料表の各級号給数は、職員・組合員の構成人員を労使間で確認しながら必要な改善を重ねてきたものであり、当然に、都度の労使交渉で合意し確定させてきた経過がある。給与構造改革実施後の検証も行われてない中で、一部給料表の水準に焦点を当てて号給カットを実施しようとする姿勢は容認できるものではなく、市側の一方的な思いが述べられたが、あくまでも労使交渉による合意が基本であることを敢えて申し上げておきたい。

 また、「扶養手当の勤勉手当基礎額への算入廃止」と「昇給制度における成績下位区分の増設」についても言及されたが、市労連としても、給与構造改革にかかる課題として小委員会交渉において交渉してきた経過があり、継続して協議する課題と理解している。しかしながら、人事評価制度そのものが未だに納得できる制度として確立しているとは言い難い状況との認識を持っており、そのような状況の中で、評価結果を活用するための配分原資の増大や査定昇給にかかる成績下位区分の増設には慎重に対応すべきであり、他都市状況も踏まえた上で、市側の誠意ある対応と十分な協議が必要である。

 給料月額の減額措置について、本年2月1日の交渉経過を踏まえた協議が必要と認識しているが、給料カットの手法を用いる市側対応は問題があり、民間との比較では給与水準が大きく下回っている実態をいつまでも放置することなく、一刻も早く給料月額の減額措置については終了すべきとの立場であることを改めて申し上げておく。

 いずれにせよ、この問題の解決には市側の誠意ある対応が必要不可欠であり、引き続き十分な協議を求めておく。

 いずれにしても市労連としては、これら賃金確定・年末一時金などについては、これまでの労使協議の経緯を踏まえた市側の主体的な努力と誠意ある対応がなければ、解決をはかることができないと考えている。

 市側としても、組合員の勤労意欲と家族の生活を考えあわせ、賃金確定・年末一時金について、本日申し入れた内容を十分踏まえ、使用者としての主体性を堅持し、誠意をもって検討されるよう強く求めておく。

市側 ただ今、委員長から使用者としての主体性を堅持し、誠意をもって検討するよう要請を受けたところであるが、私どもとしても、給与等勤務条件については皆様方の合意を得ることが重要であると認識しており、今後皆様方のご理解を賜るべく精力的に交渉・協議してまいりたいと考えているので本日のところはよろしくお願いしたい。

以 上

 

copyright 2005- 大阪市労働組合連合会