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更新日:2009年11月2日

2009年賃金確定・年末一時金闘争 第3回対市団体交渉

市 側:3.8%の給料カットを終了し、12月から3.4%の給料カットの継続を実施したい

市労連:「本年2月の給料月額の減額に関わる交渉上の約束」及び「本年5月の一時金一部凍結に関わる交渉上の約束」の履行を求める

 市労連は、10月30日(金)午後3時から三役・常任合同会議、事務折衝、午後4時から闘争委員会を開催し、対市団体交渉を含む2009年賃金確定・年末一時金などについて協議し、午後4時30分から第3回対市団体交渉を行った。

 交渉の中で市労連は、賃金確定・年末一時金問題はもとより、給料月額の減額措置・給料カット問題について、市側の検討内容を明らかにするよう求めるとともに、今年度、公民較差に基づく給与改定については、山場での合意に向けて、市労連としても引き続き事務折衝・専門家交渉などを積み上げていくこととし、市側に対し、合意に向けて引き続きの誠意ある対応を求めた。

 また、市側から、給料月額の減額措置については、現在の3.8%の給料カットを終了して、12月から3.4%の給料カットの継続と、来年4月からは地域手当・一時金へも反映するとの新たな考えが唐突に示されたことから、市労連は、「政令指定都市で最低の賃金水準にある組合員の生活実態を無視をした、本日の市側回答は、市労連との交渉上の約束を一方的に反故にする内容であり、許されるものでも認められるものでもない」「労使合意事項を一方的に反故にしようとする市側姿勢のままでは、課題の解決ははかれない」と指摘し、交渉を終えた。

組合 前回の第2回団体交渉で市労連は、賃金確定・年末一時金問題はもとより、給料月額の減額措置・給料カット問題について、政令指定都市の中で最低の生活を強いられている組合員の実態を十分踏まえて、再考すべきは再考し、労使合意を前提に、誠意をもって交渉を尽くすとともに、使用者としての労使確認の履行と市労連・組合員への説明責任など使用者責任を明確に果たすよう求めたところである。

 とりわけ、本年4月から実施の給料月額の減額措置に関わっては、当初の市側案では対平成20年度比50億円の削減が必要とされていたものが、本年の公民較差に基づく給与改定を行った場合、本年11月をもって給料月額の減額措置を終了したとしても、対平成20年度比75億円の削減が達成される見通しであるとされた。50億円の削減が必要との市側案からすれば、2009年度の単年度では一般会計第1部ベースのみでも25億円分が過剰な減額であり、行政職全体・市労連ベースでは更に大幅な減額となることから、市労連は、この間の労使確認からして当然のこととして、給料カットの終了と市側案の50億円を上回った協力分の清算を市側に対し強く求めたところである。

 市側からは、給料月額の減額措置・給料カットについて、「交渉経過を踏まえると『給料月額の減額措置』については終了すべきところである」との考えが示されたものの、本市が置かれている状況は極めて切迫した状況となっているとして、「給料月額の減額措置」については、「平成21年度について継続させていただきたい」さらに「平成22年度の取扱についても早急に協議させていただきたい」との極めて理不尽かつ何ら根拠のない一方的な認識が示された。

 市労連は、「交渉経過を踏まえると『給料月額の減額措置』については終了すべきところである」との市側認識については、内外に明らかにするとともに、「平成21年度について継続させていただきたい」「平成22年度の取扱についても早急に協議させていただきたい」との市側の考えについては、市労連として到底理解できるものではなく再考を求めたところである。

 市側から「2月の交渉や、夏季手当に関する交渉経過を踏まえると、無理なお願いをしているのは重々承知している」と前回交渉で示されているように、市労連は、市の財政状況に対して組合員は既に十二分の協力を行っていると考えるところであり、政令指定都市の中で最低の生活を強いられている組合員の実態を十分踏まえて、我々の指摘に対して真剣な検討を行い、この間の重い交渉経過を踏まえた労使確認の履行と再考を強く求めたところである。

 前回交渉以降、賃金確定・年末一時金問題はもとより、給料月額の減額・給料カット問題について、市側の検討された内容を明らかにするよう求める。

市側 前回の団体交渉において再考を求められた点も含め、「給料月額の減額措置」、「賃金確定要求」に対する第1次回答、年末手当要求に対する回答を行うのでよろしくお願いする。

 まず、「給料月額の減額措置」についてであるが、「給料月額の減額措置」については、短期的には平成22年度までの市政改革基本方針の目標に基づき、中期的には「平成20年5月版中期財政収支概算」で示された財源不足の確保のため、本年4月から皆様方のご協力をいただき実施しており、減額率については、係長級以下職員は3.8%とし、課長代理級以上職員は5.0%とし、行政執行責任を明らかにするために管理職手当の10%カットを行っている。

 給料月額の減額措置により、平成21年度では50億円の効果額を想定していたが、本年の本市人事委員会勧告を踏まえた改定を行うと、

  • 平成20年度給与改定▲0.6%に伴う効果         ▲10億円
  • 「給料月額の減額措置」を11月まで継続した場合     ▲26億円
  • 平成21年度給与改定に伴う影響額             ▲ 2億円
  • 期末・勤勉手当の支給月数減に伴う影響額(▲0.35月)  ▲37億円

 となり、合計で75億円の効果額が見込まれるところであり、当初予定からみて25億円効果額が上回ることとなり、これまでの交渉経過を踏まえると「給料月額の減額措置」については終了すべきところであると考えている。

 しかし、本年7月版の中期的な財政収支概算において、昨年からの世界的な景気悪化の影響により、平成21年度単年度で法人市民税が当初予算より約190億円の減少となる見込みで、平成21年度から平成29年度の9年間においても、市税収入等の大幅な落ち込みにより約1,450億円の歳入減が見込まれる。

 さらに、生活保護費のさらなる増嵩や高齢者福祉措置費の増嵩により、歳出の増が約850億円見込まれ、平成26年度には「早期健全化基準」を超過し、さらに、平成27年度には「財政再生基準」を超過することが予想され、さらに危機的な財政状況となっている。

 このまま放置すると市民サービスにも大きな影響を及ぼすこととなることから、本市として、「事務事業の総点検」等に取り組むとともに、あらゆる知恵と工夫を凝らしてこの難局を乗り切る必要があると考えている。

 一方、本年の人事委員会報告・勧告における民間給与調査の結果では、世界的な景気後退の影響により非常に厳しいものとなっており、給与改定について、ベースアップや定期昇給の増額を行った事業所が大幅に減少し、減額を行った事業所が増加するとともに、雇用調整を実施した事業所の割合も大幅に増加しているとされている。

 このような状況も踏まえたうえで、月例給・特別給ともに引き下げの勧告が出されたものと認識している。

 「給料月額の減額措置」については2月の交渉において、「平成21年人事委員会勧告において、職員の給与水準に変動をきたす勧告がなされた場合は改めて交渉を行う」こととし、また、夏季手当の交渉においては、0.2月分の凍結による約20億円の減については暫定的な措置であることから、給与改定交渉時に改めての協議として確認してきたことについては十分認識している。

 しかしながら、これまで申し上げているとおり、本市の置かれた財政状況が著しく大きく変化しているため、真に心苦しいところであるが、今年度の人事委員会勧告による、期末勤勉手当の0.35月分の減による財源については特段の配慮をいただきたいと考えており、月例給にかかる公民較差のみを考慮し、減額率を変更したいと考えている。

 お手元に配布しているが、具体の内容について、減額率については先程申し上げたとおり、今年度の月例給にかかる公民較差△0.29%による給与改定の財源を考慮し、現行3.8%のところを3.4%としたい。

 実施時期については、本年12月に給与改定を行いたいと考えており、給与改定に合わせ12月から減額率の変更を行いたい。

 減額措置除外者は従前どおり

  • 医師及び歯科医師
  • 市民病院及び弘済院に勤務する看護師、準看護師及び助産師
  • 臨時的任用職員(日額)
  • 非常勤嘱託職員

としたい。

 なお、平成22年4月~平成23年3月については、地域手当並びに期末勤勉手当の基礎となる給料月額についても減額措置を行うこととしたい。

 現下の危機的な財政状況をご賢察いただき、引き続いてご協力賜りたいと考えており、何卒よろしくお願いしたい。

 次に「賃金確定要求」に対する1次回答であるが、理事兼人事部長から説明する。

「賃金確定要求」に対する第1次回答の読み上げ

(回答内容については省略)

 次に、本年度の年末手当について、まず、期末手当については1.5月分を12月10日に支給することとしたい。

 また、勤勉手当については、0.7月分を原資とし、そのうち0.015月分を上位区分の割増支給の原資とした上で、勤勉手当の支給月数としては、評価区分が標準Bの職員は0.685月分、成績上位区分Aの職員は0.685月プラス割増支給分、成績下位区分Cの職員は0.65月分、同じく成績下位区分Dの職員は0.615月分とし、成績下位区分と標準との差0.035月分及び0.07月分についても割増支給の原資とし、12月10日に支給することとしたい。

 また、再任用職員については期末手当0.8月分、勤勉手当0.4月分、合計1.2月分を12月10日に支給することとしたい。

 なお、先ほど回答した給与改定に関わり、年間における公民給与を均衡させるための期末手当においての所要の調整措置であるが、「給料月額の減額措置」の適用を受けていない、市民病院及び弘済院に勤務する看護師、准看護師及び助産師に限り、実施してまいりたい。

 具体の調整方法についてはお手元に配布のとおり、4月の月例給に0.29%を乗じて得た額に、11月までの月数を乗じて得た額と、6月に支給された期末・勤勉手当の合計額に0.29%を乗じて得た額との合計額を調整する、いわゆる「制度調整方式」としたい。

 以上、本日時点における「給料月額の減額措置」、「賃金確定要求」に対する第1次回答、年末手当要求についての回答である。

 給料月額の減額措置の継続や、マイナスの改定など、職員の皆様方にとって非常に厳しいものであると認識しており、真に恐縮ではあるが、本市のおかれた危機的な状況をご賢察いただき、何卒ご理解賜るようお願いする。

組合 ただ今、市側から本日時点での考え方が述べられた。

 まずは市労連として、今年度、公民較差に基づく給与改定については、較差から管理職手当の改定を差し引いて、残る較差分を給料表で改定を行うことについては、山場での合意に向けて、市労連としても引き続き事務折衝・専門家交渉などを積み上げていくこととする。市側に対し、合意に向けて引き続きの誠意ある対応を求めておく。

 また一時金については、人事委員会勧告に基づく支給月数と基礎額からの扶養手当原資算入廃止が言われたが、支給月数の削減について不満であることは言うまでもなく、扶養手当原資の算入廃止については認められるものではない。一時金での公民給与を均衡させる措置を含めて、引き続き山場での合意に向けて、市側の誠意ある対応を求めておく。

 さらに市労連確定要求に関わって、現時点での考え方が示されたが、この間、事務折衝で積み上げた内容もあるものの、来年4月実施とされた「行政職3級相当級の高位号給カット」「住居手当のローン償還中加算の廃止」などについては、給与勧告制度が公民給与を均衡させる制度であることからして認められるものではなく、また、昇給の成績下位区分の増設についても十分な交渉となっておらず認められない。

 市労連としては、本年4月の公民較差を均衡させる趣旨での賃金確定交渉については、不満な内容ではあるものの、市労連の確定要求の前進と合わせて山場での合意に向けて、さらに多様な交渉を強めていく決意であることを申し上げておく。

 次に、本日市側から、唐突に現在の3.8%の給料カットを終了して、12月から3.4%の給料カットの継続と来年4月からは地域手当・一時金へも反映するとの新たな考えが示された。

 この間の市側の提案は一体どうなったのか、また、新たな考え方を我々に求める根拠が何ら明らかにされていない。

 こうした市側の姿勢は、本年2月の交渉において指摘した「市政の失政責任」を何ら明らかにしないまま、今回もまた組合員に負担のみを押し付けるものであり、理解も納得もできるものではなく、政令指定都市で最低の賃金水準にある組合員の生活実態を無視し、市労連との交渉上の約束を一方的に反故にする内容であり、許されるものでも認められるものでもない。

 本年2月の交渉において市側は、本年の給与改定において対平成20年度予算に比較して50億円の減額が達成できれば、給料月額の減額を終了すること、さらに一時金の支給月数に変動が生じた場合、「平成22年度について、反映する手当について検討する」との約束を行い、このことを前提に、市労連としては、組合員に重大な負担となる給料月額の減額について、暫定的に判断してきたものである。

 しかし、本日の市側回答は、これらをすべて反故にする内容であり不当労働行為と言わざるを得ない。

 市労連は、市側に対し「本年2月の給料月額の減額に関わる交渉上の約束・労使確認」「本年5月の一時金一部凍結に関わる交渉上の約束・労使確認」を誠実に履行することを強く求める。

 そのことが無ければ、大阪市当局の労働組合との交渉は、「見せかけの交渉」ということになる。

 「見せかけの交渉」は公民を問わず、使用者に許されない不誠実交渉、すなわち不当労働行為であり、労働組合としては重大な決意をもって臨まなければならないと考えている。

 再度指摘するが、2月の交渉において、市側は責任ある提案として給料月額の減額・給料カットを市労連に求めたはずであり、市労連は市側の提案に対し誠実に交渉を行い合意をはかったものである。その合意事項を一方的に反故にしようとする市側姿勢のままでは、課題の解決ははかれないことを申し上げた上で、本日の交渉を終える。

以 上

 

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