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更新日:2009年10月27日

2009年賃金確定・年末一時金闘争 第2回対市団体交渉

当初の市側案を大幅に上回る効果額が出ており、給料カットの終了を求める。
「給料月額の削減措置」の継続については認められるものではなく、再考と労使確認の履行を求める。

2009年10月25日
大阪市労働組合連合会

 市労連は、10月25日(日)午後1時から三役・常任合同会議、午後3時から闘争委員会を開催し、対市交渉を含む2009年賃金確定・年末一時金などについて協議し、午後4時から第2回対市団体交渉を行った。

 交渉の中で市側は、給料月額の減額措置について、平成21年度では当初予定の50億円の効果額を想定していたが、本年の市人事委員会勧告を踏まえた改定を行うと75億円の効果額が見込まれ、25億円効果額が上回ることを明らかにし、交渉経過を踏まえると給料月額の減額措置について終了すべきところであるとしながら、本市が置かれている状況は極めて厳しいとして「平成21年度については継続させていただきたい」との市側認識を示した。

 市労連は、現在大阪市の職員の給与水準は政令指定都市で最低の状況となっており、極めて理不尽な市側認識であり、何ら根拠のない一方的な提案であり、許しがたいとして強く再考を求め、交渉を終えた。

 市労連は、10月27日(火)午後6時30分から、市役所南側中之島公園で「2009年賃金確定・年末一時金闘争勝利 市労連総決起集会」を開催し、32,000組合員の意思一致をはかるとともに、本日以降も多様な折衝・交渉などの取り組みを行うことを確認した。

組合 まず、冒頭に申し上げておきたい。

 市労連は、組合員の置かれた厳しい生活実態の改善を求める立場から、賃金確定・年末一時金問題はもとより、給料月額の減額措置・給料カット問題について、市側の使用者責任を明確にした交渉を求めるとともに、これまでの労使協議の経緯を踏まえた誠意ある市側対応がなければ、解決をはかることができないことを表明しておく。

 2009年賃金確定・年末一時金にかかわって、市労連は10月16日の第1回団体交渉において、「本年の大阪市人事委員会勧告については、民間実勢を反映したとは言え」「職員の生活は何ら改善されていない状況にあり、我々の生活防衛の要求に応えたものとは言えず、不満な内容」「国・他都市を大幅に上回る連年にわたるマイナス勧告により、度重なる月例給の引き下げが行なわれ、職員の生活実態は実質生活の切り下げを余儀なくされ極めて厳しい状況にあり、生活防衛を求める職員の思いは日々強まっており、職員の士気と勤務意欲などの維持・向上に向けた使用者責任を果たすことが求められている」と表明した上で、このような状況の中、賃金・労働条件について労使での自主的・主体的な交渉合意が欠かせないものと考えており、そのためには、申し入れた内容を踏まえた市側の主体的な努力と誠意ある対応がなければ解決をはかることができないとして、市側に対して、給与改定交渉及び年末一時金について、交渉当事者としての責任ある対応を求めるとともに、「2009年賃金確定要求」を申し入れてきた。

 とりわけ、本年4月から実施の給料月額の減額措置にかかわっては、2月3日の団体交渉において市側から、「平成21年大阪市人事委員会勧告において、職員の給与水準に変動をきたす勧告がなされた場合は、改めて交渉を行う」との提案があり、労使確認を行ったところである。

 さらに、5月19日の夏期一時金の団体交渉において、「給料月額の減額措置については、平成20年度一般会計第1部の当初予算に対し、平成21年度で50億円、平成22年度で80億円の財源の捻出が必要なことから協力いただいており、今回の0.2月分の凍結により、一般会計第1部予算に対して約20億円の減となるが、今回の凍結はあくまでも暫定的な措置であり、『給与勧告』以降、今年度の給料月額のカット率の課題、さらには平成22年度の給料月額のカット率・地域手当並びに期末・勤勉手当の基礎となる給料月額の減額措置の課題について、今年度の給与改定交渉と同時期において、改めて協議いただきたいと考えている」との市側回答があった。

 市労連として、「『0.2月分凍結』の今後の取り扱い及び本年4月からの経費削減にかかる給料月額の減額措置にかかわっての取り扱いについて、改めて2009年の勧告以降、秋の確定交渉の際、合意を得るべく誠意をもって協議を行う」ことの市側確認を行った上で、市側の誠実な対応を重ねて強く求めたところである。

 その上で、前回の第1回団体交渉において、我々の指摘に対して、市側から、当初の想定では、対平成20年度比50億円の削減としていたものが、本年の公民較差に基づく給与改定を行った場合、本年11月をもって給料月額の減額措置を終了したとしても対平成20年度比75億円の削減が達成される見通しであるとされたところである。

 50億円の削減が必要との市側案からすれば、2009年度の単年度では一般会計第1部ベースのみでも25億円分が過剰な減額であり、行政職全体・市労連ベースではさらに大幅な減額となることから、2月の交渉で市労連として協力すべきは協力する立場で暫定的に判断してきた内容をはるかに上回るものであり、また、市の財政状況に対して組合員は既に十二分の協力を行っていることを市労連として指摘した。

 また、大阪市人事委員会も減額措置により職員の実態給与は民間を13,449円下回っていることを明らかにしており、市労連として、この間の経過からすれば、一般会計第1部ベースのみでも25億円に相当する額の清算は当然と考えるとして、市の考えを明らかにするよう求めたところである。

 しかし、市側からは、本年度の給与改定等の取り扱いについては、「人事委員会からの勧告等を尊重し、給与改定を行ってまいりたいと考えている」との考えが示され、さらに、「人事委員会勧告どおりの給与改定を行った場合、給料月額の減額措置を終了したとしても、平成20年度予算に対し、一般会計第1部ベースで約75億円の削減となることを見込んではいるが」「本市を取り巻く情勢は非常に厳しいものがあり、とりわけ、財政状況については、非常に危機的な状況にある」として、「引き続き給料月額の減額措置を継続していく必要があると考えており、今後、ご理解賜るべく、精力的に協議してまいりたい」「本日要求を受けたところであり、今後、精力的に交渉・協議を尽くし、早急に回答をお示ししていきたいと考えている」との考え方が示された。

 これは、人事委員会勧告通りの給与改定を行うとともに、給料月額の減額措置も引き続き継続するということであり、2月の労使確認さらには5月の夏期一時金における労使確認をも不履行にするものと言わざるを得ず、市労連として、理解も納得もできるものではなく、この間の重い交渉経過をどう認識しているのか、強い憤りを感じると市側の不誠実な姿勢を強く指摘したところである。

 さらに、市側に対し、労使確認を市として誠実に履行することが2009年確定の問題解決につながることを申し上げ、市側の誠意ある対応と努力を求めるとともに、早急に具体回答を示されるよう強く要請したところである。

 前回申し入れ以降、市側としての検討内容を明らかにされたい。

市側 10月16日の交渉を踏まえて、給料月額の減額措置に対する本市の考え方と本市人事委員会勧告等に対する本市の考え方を説明させていただく。

 まず、給料月額の減額措置についてであるが、皆様方にはこの間本市の厳しい財政状況下における総人件費削減の取り組みのなかで、人員削減に対する取り組みや定期昇給の延伸・給与カット・管理職手当の見直し・特殊勤務手当の抜本見直し等について、ご協力いただいている。さらに、本年4月から実施している給料月額の減額措置について、ご協力いただいていることに対して感謝しているところであり、お礼を申しあげたい。

 「給料月額の減額措置」については、短期的には平成22年度までの市政改革基本方針の目標に基づき、平成23年度以降は中期的な財政収支の均衡を図り、持続可能な財政基盤を確立するために取り組むものとしたものであり、当初提案においては、減額期間を平成21年4月から平成30年3月までの9カ年間とし、平成22年4月から平成30年3月までは地域手当並びに期末勤勉手当の基礎となる給料月額についても減額措置を行うものとしたところである。

 しかし、皆様方からのご指摘を踏まえ、本市としての責任ある提案として措置期間を平成21年4月から平成23年3月までの2カ年間とし、人事委員会勧告の趣旨を踏まえ単年度交渉としたところである。

 医師及び市民病院・弘済院に勤務する看護師等を減額措置除外者とするとともに、「平成22年4月から平成23年3月については、地域手当並びに期末勤勉手当の基礎となる給料月額についても減額措置を行うことを基本とし、平成21年度給与改定と併せて交渉を行う。」、また、「平成21年大阪市人事委員会勧告において、職員の給与水準に変動をきたす勧告がなされた場合は改めて交渉を行う。」としたところである。

 減額率については、係長級以下職員は3.8%とし、課長代理級以上職員は5.0%とし、行政執行責任を明らかにするために管理職手当の10%カットを行っている。

当初予定ではこの措置により、平成21年度では50億円の効果額を想定していたが、本年の本市人事委員会勧告を踏まえた改定を行うと、

  • 平成20年度給与改定▲0.6%に伴う効果         ▲10億円
  • 「給料月額の減額措置」を11月まで継続した場合    ▲26億円
  • 平成21年度給与改定に伴う影響額             ▲ 2億円
  • 期末・勤勉手当の支給月数減に伴う影響額(▲0.35月)  ▲37億円

 となり、合計で75億円の効果額が見込まれるところであり、当初予定からみて25億円効果額が上回ることとなり、交渉経過を踏まえると「給料月額の減額措置」については終了すべきところであると考えている。

 しかしながら、本年7月版の中期的な財政収支概算において、昨年からの世界的な金融危機による景気悪化の影響により、平成21年度単年度でみると法人市民税が当初予算より約190億円の減少となる見込みであり、平成21年度から平成29年度の9年間においても、市税収入等の大幅な落ち込みにより地方交付税の確保による財源確保分を含めても約1,450億円歳入減が見込まれる。

 さらに、景気動向や高齢者人口の伸びを反映して、生活保護費のさらなる増嵩が予想されるとともに、高齢者福祉措置の増嵩も見込まれることから、歳出の増が約850億円見込まれ、平成26年度には「早期健全化基準」である836億円の累積収支不足額を超過し約1,385億円の累積収支不足となるところである。また、平成27年度には「財政再生基準」である1,485億円の累積収支不足額を超過し約1,859億円の累積収支不足となり、平成30年度には累積収支不足額が約2,602億円となると予想され、さらに危機的な財政状況となっている。

 昨年10月に公表された「中期的な財政収支概算」においては、皆様方にご協力いただいている「経費削減の取組み」における「給料月額の減額措置」により、平成29年度までの間においては「早期健全化基準」をクリアするとともに、平成29年度には概ね収支が均衡すると見込んでいたところであるが、これまでに経験したことの無い景気の悪化により、このまま放置すると市民サービスにも大きな影響を及ぼすこととなることから、

  • 今後の対応策の「次期行財政改革計画」への反映
  • 「事務事業の総点検」を活用した歳出の精査及び事業の再構築
  • 未収金対策や公営企業剰余金の活用などの歳入確保策の検討
  • 生活保護制度の改正や国民健康保険の広域化など抜本的な国制度改正の取組等、

あらゆる角度からの取り組みを行い財政の健全化を図る必要がある。

 先程申し上げたが、交渉経過を踏まえると「給料月額の減額措置」については終了すべきところであると考えているが、今申し上げたとおり、本市が置かれている状況は極めて切迫した状況となっていることから、本市としてもあらゆる努力を行いこの状況を乗り切っていく所存であり、「給料月額の減額措置」については、平成21年度について継続させていただきたいと考えている。平成22年度の取扱についても早急に協議させていただきたい。現下の危機的な財政状況をご賢察いただき、引き続いてご協力賜りたいと考えており、何卒よろしくお願いしたい。

 次に、給与改定並びに年末手当についてであるが、前回の交渉でも申し上げたとおり、人事委員会からの勧告等を尊重し、給与改定等を行ってまいりたいと考えている。

 先日受けた「賃金確定要求」の申し入れ内容と併せ、ご理解賜るべく精力的に協議してまいりたいと考えているのでよろしくお願いする。

 また、継続協議の課題であるが、勤勉手当基礎額の課題並びに昇給制度の下位区分の課題についても引き続きの協議をお願いしたい。

 繰り返しになるが、2月の交渉や、夏季手当に関する交渉経過を踏まえると、無理なお願いをしているのは重々承知しているが、何としてもご理解賜るべく、誠意を持って協議してまいりたいのでよろしくお願いする。

組合 ただ今市側から、「交渉経過を踏まえると『給料月額の減額措置』については終了すべきところである」との考えが示されたことについては、内外に明らかにするとともに、「平成21年度について継続させていただきたい」「平成22年度の取扱についても早急に協議させていただきたい」との市側の考えについては、市労連として到底理解できるものではなく再考を求めるものである。

 併せて、給与改定、確定要求等を含めて、労使間での自主的決着が大前提であり、使用者責任を明確にし、市側として合意に向けて誠意をもって交渉・協議を尽くすよう重ねて求めるものである。

 市側から、大阪市の厳しい財政状況に触れられているが、市労連は、市税収入などの大幅な減による大阪市の厳しい財政状況については認識しており、この間の市側の要請に応えてきたところである。

 そうであるからこそ、経費削減にかかる給料月額の減額措置にかかわっての市側提案について、「経費削減の取組(素案)」に基づく単なる数字合わせによるものであること、また、大阪市の失政によって、その都度職員にのみに責任を押し付けるだけでは、基礎自治体としての光明は見えないことなどを表明し、組合員に大きな負担となる本年4月からの給料月額の減額措置・給料カットを判断してきた重い経過を持っている。

 市側から、改めて当初50億円の削減効果を想定していたところ75億円の効果となることが示されたが、50億円の効果を想定していた2月3日の団体交渉において、市側から「職員の生活やモチベーションの維持向上に大きな影響を与えることは十分認識している」としながら、「本市のぎりぎりの内容」として提案されたものであり、即刻給料カットを中止したとしても、実態は「ぎりぎりの内容」をはるかに超えるものとなっている。

 結果、大阪市職員の実態給与の水準は、現在、民間を13,449円下回っているばかりか、政令指定都市の中では最低の状況となっている。

 市側から、「2月の交渉や、夏季手当に関する交渉経過を踏まえると、無理なお願いをしているのは重々承知している」と言われるが、政令指定都市の中で最低の生活実態を強いられている組合員にとって、極めて理不尽な市側認識であるばかりか、何らの根拠のない一方的な提案であり、許し難く認められるものではない。

 前回の第1回団体交渉で表明したが、給料カットの終了と市側案の50億円を上回った協力分の清算は、この間の労使確認からして当然のことであり、改めて市側に対し労使確認の履行を強く求めるものである。

 市労連は、本日の第2回団体交渉の上に立って、10月27日に「2009年賃金確定・年末一時金闘争勝利 市労連総決起集会」を開催し、32,000組合員の意思一致をはかることとしている。

 市労連は、問題解決をはかるべく、本日以降も折衝協議を重ねるとともに、課題に応じて常任委員会による小委員会交渉など多様な折衝・交渉などの取り組みを行うこととする。

 時間は極めて限られていると言われているが、市側として、本日の市労連の指摘を十分踏まえ、真剣な検討を行い、繰り返しになるが、政令指定都市の中で最低の生活を強いられている組合員の実態を十分踏まえて、再考すべきは再考し、労使合意を前提に、誠意をもって交渉を尽くすとともに、使用者としての労使確認の履行と市労連・組合員への説明責任など使用者責任を明確に果たすよう重ねて強く求め、本日の交渉を終えることとする。

以 上

 

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