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更新日:2009年5月11日

夏期一時金及び夏季休暇問題第1回団体交渉

夏期一時金引き下げの人事院勧告は労働基本権制約の代償機関の機能放棄!
市側の責任と主体性を持った誠意ある回答を求める!

 市労連は、5月8日(金)午後8時から市側に対し、本年度の「夏期一時金及び夏季休暇」問題について、第1回団体交渉を行った。

 交渉の中で市労連は、「人事院勧告制度に対する信頼性を大きく損ねる」「異例の特別調査結果を基にして出された夏期一時金引き下げ勧告について、人事院自らが労働基本権制約の代償機関としての機能と役割を放棄したことになる」と指摘するとともに、使用者・雇用主としての市側の責任と主体性を持って、誠意ある回答を提示できるよう、なお一層の努力と労使決着を求めた。

 なお、夏季休暇については、5日として実施を確認した。

組合 本日は、2009年夏期一時金について交渉を行うこととする。

 本年度の夏期一時金については、各単組から、4月末日までに各任命権者に対して要求申し入れを行ってきたところであるが、本日以降、従来通り市労連の統一交渉によって問題の解決をはかっていくこととする。

 また、夏季休暇については、この間の経過を踏まえて「5日」として実施されるよう、市労連として申し入れる。

 なお、再任用職員等の夏期一時金及び夏季休暇についても、この間の交渉経過を踏まえて同様に対処されるよう併せて要請する。

 夏期一時金に関わって、去る5月1日、人事院は、4月7日から24日の間で実施した特別調査の結果「民間の状況は6月期の特別給の支給に影響を与えるほど厳しい」として、暫定的に0.2月を支給凍結し、夏の勧告で清算する内容の勧告を行った。この勧告を受け、政府は本日5月8日給与関係閣僚会議を開催し、勧告通り実施する決定を行い、以降速やかに改正給与法案の閣議決定と国会上程を行うとしている。

 総務省は5月1日に、各都道府県総務部長・指定都市総務局長・各人事委員会事務局長に対し、「人事院による勧告の趣旨を鑑みれば、各地方公共団体においても、その実情を踏まえつつ、情勢適用の原則の観点からその対応について十分な説明責任を果たす必要がある」等を内容とする通知を発出し、各自治体に対し速やかな対応を求めるとともに、各人事委員会事務局長に対して、人事委員会の勧告等の対応状況について報告を行うよう求める事務連絡を出している。

 公務員連絡会は、人事院に対し、一部与党の議論を背景にした異例の民間一時金特別調査の実施は、人事院勧告に求められてきた精確性を人事院自らが否定したことになり、これまでの人事院勧告制度に対する信頼性を大きく損ねるものであり、特別調査の実施に対して強く抗議するとともに、調査結果の取り扱いについては十分交渉・協議を行い合意に基づいて進めることを求めてきた。

 しかし、夏期一時金支給基準日までの法改正を念頭に、拙速に本年夏の一時金0.2月分の支給を凍結する勧告が出され、政治の圧力に人事院が屈したということは、労働基本権制約の代償機関としての機能と役割を放棄したこととなるとして、これまでのルールをねじ曲げて、勧告を強行したことに強く抗議するとの内容の声明を出した。

 また、勧告を受けた政府に対しては、取り扱い方針の決定については十分交渉・協議し、勧告を実施しない方向で慎重に検討することを強く求めたが、政府は勧告通りの実施決定を強行したところであり、公務員連絡会は強い抗議の意を表明した。

 市労連は、4月15日に大阪市人事委員会に対し、労働基本権制約の代償措置としての人事委員会機能を発揮し、例年と異なる夏期一時金の特別調査を行わないことを要請し、人事委員会からは特別調査については当面行わないことが明らかにされ、人事委員会において今後人事院の調査結果及びその後の対応や他都市の状況などを考慮し、適切な対応を検討するとの回答があったところである。

 既に、政府において人事院勧告通りの実施決定がされ、総務省からも人事院勧告をふまえた対応を求められていることについて市労連として承知しているが、市として主体性を発揮し、使用者責任をふまえた責任ある対応を強く求めておく。

 また、経費削減にかかる給料月額の減額措置について、市労連として、本年2月に、今日時点での市側提案であるとして秋の確定交渉の中で改めて協議を行うことを確認し、大阪市において4月から3.8%の給料カットが実施されている。加えて、社会保障費の増大、教育費・住宅費用など大都市特有の経費高で、組合員の生活実態はより一層厳しいものとなっており、一時金への反映は行わないことは既に確認しているが、一時金交渉に対する組合員の期待感は切実なものになっていることを敢えて申し上げておく。

 それでは、夏期一時金および夏季休暇について、要求提出以降、市側として検討された内容について提示されたい。

市側 本年度の夏季手当については、各単組を通じて申し入れを受け、協議をしてきたところである。

 私どもとしても、夏季手当は職員の生活や勤務意欲の向上のためにも重要な課題であると認識しているところであるが、我が国の行財政を取り巻く環境は依然として極めて厳しく、とりわけ、私ども地方公務員の給与等の勤務条件、特に本市職員の給与水準については、従前にも増して、各方面から強い関心が寄せられている。

 ご承知のとおり、本格的な人口減少・少子高齢社会の到来、さらに、世界的な金融危機による景気の悪化など、国、地方を取り巻く環境は以前にも増して厳しくなっているところである。

 本市の財政状況としては、市税収入の大幅な減少や福祉費、公債費の増嵩が見込まれること、さらには「負の遺産」と言われる財務リスクの処理にも着実に取り組む必要があることから、依然として危機的な状況は深刻度を増しつつある。

 このような状況のもと、皆様方には給料月額の減額措置について大きなご協力をいただいたところであり、「経費削減の取組について」に沿って、真に必要なサービスや事業は守りながら、無駄のない効率的な行政をめざした改革を推進していくこととしているところである。

 また、人事院は4月7日から24日までの間において、本年行うこととしている職種別民間給与実態調査の対象となっている企業のうち約2,700社を対象に、本年の夏季一時金及び昨年の夏季一時金の平均支給額等についての特別調査を行い、その結果、夏季一時金の対前年増減率がマイナス13.2%であったことから、5月1日に内閣と国会に対し、暫定的な措置として6月の期末・勤勉手当について、0.2月分の支給を凍結するため、関係法律を改正するよう勧告がなされ、凍結した期末・勤勉手当については、民間における特別給の支給状況を調査し、別途、勧告することとされたところである。

 さらに政府は、本日開催の給与関係閣僚会議において、勧告どおりの取り扱いとする方針を決定するとともに、地方公務員についても地域の実情を踏まえつつ、国の取り扱いを基本として対応するよう要請するとしており、その対応について、慎重に検討する必要があると考えている。

 夏季手当については、私どもとしても、種々の観点から検討しているところであるが、ただ今説明申し上げた、引き続く厳しい諸般の情勢を考慮すると、その取り扱いについて、慎重に対処する必要があると考えているところであり、今後、国・他都市の動向等も勘案しつつ、引き続き検討していきたいのでよろしくお願いする。

 また、再任用職員等の夏季手当の要請については、これまでの経過を踏まえ対処していく所存であるので、併せてよろしくお願いする。

 なお、夏季休暇の日数についてであるが、夏季休暇の趣旨でもある職員の社会生活の充実と心身の活力の回復をはかり、公務能率の向上に努めるといった観点から、規則・要綱等に基づき、7月1日から9月30日の期間において5日としてまいりたい。

 再任用職員等の夏季休暇についても、規則・要綱等に基づき付与してまいりたい。

 以上、よろしくお願いする。

組合 まず、夏季休暇について、規則・要綱に基づき7月1日から9月30日の期間で5日とするとの市側表明があった。さらに、再任用職員等も同様に規則・要綱に基づき取り扱う旨の表明があった。確認しておく。

 ただ今、市側から市労連の夏期一時金要求に対して、「我が国の行財政をとりまく環境は依然として極めて厳しく」「地方公務員の給与等の勤務条件、特に本市職員の給与水準について、従前にも増して各方面から強い関心が寄せられている」との認識が示された。また、本市財政についても、「市税収入の大幅な減少」「福祉費、公債費の増嵩が見込まれる」「財務リスクの処理にも着実に取り組む必要があることから、依然として危機的な状況は深刻度を増しつつある」とする認識が述べられた。

 昨年12月、市側は「市政改革マニフェスト」の目標を達成しなければ財政破たんは免れない状況にあるとして市労連に対し給料月額の減額措置の提案を行った。

 市労連は、大阪市が将来にわたって確固として発展していく上で、第一には市民が安全で安心して生活を営んでいくことはもとより、職員の士気低下をきたさず活き活きと職務を果たし業務を円滑に遂行していくことが何よりも大切であるとの考えのもと「協力すべきは協力する」立場を明らかにし、経費削減にかかる給料月額の減額措置についての市側提案を確認してきたところであり、組合員は、大阪市の財政状況が厳しい中にあっても、日々職務遂行に努めているところである。

 市労連として、先ほども申し上げたが、マイナス給与改定に加え、4月からの3.8%の給料カットの実施、さらに、社会保障費の増大、教育費・住宅費用など大都市特有の経費高で、組合員の生活実態はより一層厳しいものとなっており、組合員が将来不安の下で暮らしている状況を放置できるものではなく、使用者である市側の責務において、組合員の置かれた状況を十分踏まえ真剣に対処されるよう求めておく。

 また、夏期一時金の人事院勧告にかかわって、「今後、国・他都市の動向等も勘案しつつ引き続き検討する」との考え方が示された。

 今回の人事院勧告は、人事院勧告制度の信頼性を大きく損ねる、精確性を欠く夏期一時金の特別調査に基づき出されたものであると言わざるを得ず、労働基本権制約の代償措置としての現行の賃金労働条件決定制度を人事院自らが傷つけるものに他ならない。

 本日は、市労連の要求について、引き続き検討するとのことであるが、地方自治体における職員の給与は、国・他都市・民間の状況を精確に分析し、労使の自主的な交渉によって結論付けられるものであること、さらに夏期一時金に対する組合員の期待は非常に強く切実なものとなっていることを重ねて申し上げ、使用者・雇用主としての市側の責任と主体性をもって、誠意ある回答を提示できるよう、なお一層の努力を求めておく。

以 上

 

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